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伝説のK-POPグループが奇跡の復活! “元祖・ガールクラッシュ”「2NE1」が今なお支持され続ける理由

オールアバウト / 2024年9月13日 21時45分

伝説のK-POPグループが奇跡の復活! “元祖・ガールクラッシュ”「2NE1」が今なお支持され続ける理由

2024年7月、K-POPガールズグループ「2NE1」が奇跡の再結成を発表し話題を集めています。“ガールクラッシュ”の元祖とも言える4人の軌跡と、今日までのK-POPに与えた影響とは。※サムネイル画像出典:YGエンターテインメント公式Instagramより

M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!
K-POPゆりことZ世代編集者がゆるっとトーク
今回は2024年7月、奇跡の再結成が発表され、再び注目を集めているガールズグループ「2NE1」をフィーチャー。“ガールクラッシュ”の元祖とも言える4人の軌跡と、今のK-POPに与えた影響について語ります。

伝説のグループが8年ぶりに復活する

K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):今回は絶対に2NE1の話をしようと心に決めていました。今のK-POPガールズグループにおける一大ジャンルを築いた、伝説のグループが8年ぶりに復活します。

編集担当・矢野(以下、矢野): 並々ならぬ気合を感じます。僕もニュースで見ました。SNS上でも注目を集めていますよね。

ゆりこ:2016年の解散から長らく待ちました。半ば諦めていた人もいたかと思います。2022年のコーチェラ・フェスティバルでメンバー・CLの出演時に全員でサプライズ登場し、パフォーマンスを披露してくれたのですが、まさか正式に再結成してくれるとは!

矢野:諦めと期待の狭間で揺れ動く中で、吉報が飛び込んできたわけですね。

ゆりこ:まさに! 記念すべきデビュー15周年という節目の年に再結成し、日韓でのライブが決定。これまで紆余曲折あったグループだけに感慨深いです。韓国のチケット販売時には40万以上のアクセスがあって、2NE1のメンバーが自らチケッティング(チケット予約)を試みても無理だったそうです。日本公演も当初予定されていた4公演が即完売ですよ。そしてソウルと日本での追加公演、さらにアジアツアーも発表されました。

矢野:それだけ待っていた人が多かったということですね。移り変わりの早い韓国で、なかなか稀有(けう)なケースなのでは? と思います。

ゆりこ:それに2NE1は解散に至るまでの経緯がファンとして納得のいく感じではなかったこともあるでしょうね。スッキリ円満解散できるグループは少ないとはいえ、モヤモヤが残る終わり方だったんですよ。

矢野:事務所トラブルとか、けんか別れとか?

モヤモヤの残る解散劇から8年、奇跡のカムバックを果たした背景

ゆりこ:解散要因についてはもろもろ言われていますが、ボーカルのボムさんが起こした薬物関連のスキャンダル(不起訴)と体調不良、ミンジさんの脱退……そして事務所からの解散発表。K-POPの第2世代を盛り上げた“女王”たちのエンディングとしてはあっけなさ過ぎて。後日談としてメンバーが語った内容を聞くに、本人たちも不本意のまま終わってしまったようです。なので、2NE1の再始動はファンにとってめちゃくちゃ喜ばしいニュースなのです!

矢野:ひしひしと熱が伝わって来ました。ここで疑問なのが、なぜそのような終わり方をした2NE1が再結成することになったのか、ということです。

ゆりこ:先ほどお伝えしたように、2022年のコーチェラ・フェスティバルでの再集結や、メンバーの発言から連絡を取り合っていたことも明らかでしたし、「再び集まることはあるのかも?」と期待させるニュースはちらほらありました。まずは本人たちにカムバックの意思があったこと、そして待っているファンの存在。この2つが大きかったのだと思います。さらにYGエンターテインメント(以下、YG)側のオトナの事情、思惑も作用していると見ています。

矢野:その「オトナの事情」のところをぜひ詳しく。

ゆりこ:ここ数年のYGはグッドニュースよりバッドニュースの方が多かったですよね。創業者や所属アーティストの不祥事、さらに稼ぎ頭だったアーティストたちが専属契約ではなくなり、続々と独立していきました。若手グループも育ってはいますが、もう1つ盤石な何かが欲しいところだったのではないか? と。あくまで推測です。

矢野:そこにピッタリの逸材が、ということですね。いずれにしろ、メンバー、YG、そしてファンが「三方よし」なら良いのではないでしょうか。ゆりこさんをはじめ、こんなに喜んでいる人がいるのですから。ただ、この流れで非常に申し上げにくいのですが……正直、僕は通ってないんです、2NE1。なので最近K-POPを聞き始めた人も、実はよく知らないんじゃないかな? と思っています。

ゆりこ:正直なご意見、ありがとうございます。それも当然ですよね。この約8年間、ソロ活動はあってもグループとしてはポッカリ空白期間でしたから、K-POPファンの中でも大盛り上がりしている層と、ピンと来ていない層がいることも理解しております。簡単に2NE1について説明しますと……。

【2NE1とは】
・2009年に「BIGBANGの妹分」としてYGからデビューし、2011年には日本デビューも果たす
・デビュー時からBIGBANG、BLACKPINKを手がけたパク・テディがプロデューサーとして参加
・斬新なスタイルと強いインパクトとメッセージ性のある楽曲で支持を集め、K-POPにおける「ガールクラッシュの元祖」と評されている
・2016年11月に解散を公式発表、そしてデビュー15周年となる2024年に7月に再始動が発表された

・メンバー
CL:カリスマ的存在感を持つリーダー。力強さと優美さを兼ね備えたラップでソロアーティストとしても活躍中。2018年の平昌冬季五輪閉会式では韓国を代表するアーティストとして圧巻のパフォーマンスを披露。

ボム:メインボーカル。アメリカで育ち、バークリー音楽院で音楽を学んだ後、25歳でデビューした遅咲きディーバ。YGの創業者、プロデューサー、G-DRAGONらが手放しで絶賛するパワフルで唯一無二の歌声を持つ。

ダラ:ボーカル担当で、タレントとしても才能を発揮。個性の強いメンバーたちをまとめるムードメーカーで、K-POP第2世代を代表する“ビジュアル担当”でもある。

ミンジ:メインダンサーで、ボーカルもラップも担当するオールラウンダーな最年少メンバー。幼少期からダンスの神童として有名で10代でデビューした天才ダンサー。ソロアーティストとしても活動中。

矢野:というわけで、この機会に改めて2NE1ってどんなグループ? というのを知りたいと思っています。単刀直入に、彼女たちは何がそんなにすごかったのですか?

“元祖・ガールクラッシュ”の一言では収まりきらない影響力

ゆりこ:簡単にいうと「元祖・ガールクラッシュ」。今日まで続くK-POPガールズグループの代表的なスタイルの1つを作った存在だと言えます。もちろんその前にもカッコいい系のガールズユニットや女性アーティストはいたのですが、グローバル、かつ現在のK-POPシーンに直接リンクする点においては2NE1が原点だと思っています。あと2NE1以前はざっくり分けると「清純コンセプト」、もしくは「セクシーコンセプト」が主流で、カッコいい要素は後者にまとめられる傾向が強かったんです。

※ガールクラッシュ:女性がほれる、憧れる、衝撃を与えるほどカッコいい女性の意

矢野:なるほど。いずれにしてもそれまでのコンセプトには女性を恋愛対象とする男性たちからの視線、ウケを意識している部分があったということですね。それ自体が悪いことだとは思わないですけど。

ゆりこ:はい。そんな中で2NE1は性的な魅力に頼らない、誰にもこびない、普遍的なカッコ良さを表現することで全く新しい道を切り開いたんです。ここで、ぜひデビュー曲『FIRE』のMVをご覧いただきたいのですが。
矢野:独特な声とヒップホップ調のスタイル、ファッションやアイメイク、MVの雰囲気のどれもがカッコいい! もちろんキュートさも感じるのですが、“強さ”がより前面にあるなと。そういえば「ガールクラッシュ」という言葉が使われたのは2NE1が初めてのグループなのでしょうか?

ゆりこ:それが、意外にもNOでして。私の記憶が正しければ2NE1の活動時期にそういったワードが広まっていたわけではありませんでした。デビュー当時は「BIGBANGの妹」「ガールズ版BIGBANG」といううたい文句でしたが、2NE1が瞬く間に唯一無二の存在に成長した結果、コンセプト名は“2NE1”としか言いようがなかった。K-POPのガールズグループを語る中で「ガールクラッシュ」という言葉がしきりに使われ出したのはもう少し後のことです。

矢野:なるほど。2NE1に影響を受けたり、要素を受け継いだりしたグループが続々と出てきたから、それらを総じて語るために「ガールクラッシュ」と言い始めた可能性がありますね。

ゆりこ:一理あるかも。一時期「ガールクラッシュ」がブームになり過ぎて、すでにトレンドとしては去ったと言われていますし、確かにそうなのですが、すでにガールズK-POPを構成する“要素”の1つとして定着したようにも感じています。

矢野:具体的に2NE1の影響力を色濃く感じるグループはどのあたりですか?

BLACKPINKにMAMAMOO、XGにまで受け継がれる「2NE1イズム」

ゆりこ:YGの後輩、BLACKPINKについては誰も否定しないと思います。正統な後継者。その後輩であるBABYMONSTERのステージを今年のSUMMER SONICで見ましたが、絶妙な塩梅で「DNA」を受け継いでいるなと思いました。また、別事務所のアーティストにまで広げると、MAMAMOO、ITZY、(G)I-DLE……個人的にはaespaにも2NE1の影響を感じるときがあります。そして日本人グループのXGにも。その上で、どのグループも独自の魅力とカラーがあって面白いなと思っています。模倣ではなくてちゃんと独自の進化を遂げていますもん。

矢野: BLACKPINKの歌い方、曲やファッションの方向性は2NE1の影響を色濃く感じます。2NE1が存在しなかったら生まれていなかったグループ、全く別の形になっていたケースもあるかもしれません。あと意外だったのはNewJeansのへリンさんが憧れのグループとして2NE1を挙げていたことです。10代の若いアーティストにもしっかり届いているんですね。

ゆりこ:2006年生まれのへリンさん、2NE1が活動していた時期はまだ幼稚園児か……(遠い目)。「2NE1ネイティブ世代」がすでにデビューしていることにビックリしちゃったんですが、それはさておき。2NE1はコンセプト面だけではなく音楽面でもパラダイムシフトを起こしたグループだと思っています。そう、今日はこれが一番言いたかった!

矢野:ここに来てやっと本題ですね(笑)。例えばどんな部分ですか?

2NE1から始まった!? K-POP女性ボーカルたちの特徴的な“歌い方”

ゆりこ:まずは「歌い方」。K-POPの曲を聞くと、いくつか歌唱法のパターンがあるのに気付くかと思います。例えばJ.Y.Parkさんの「声半分、息半分」という名言(迷言?)でおなじみの歌い方もあれば、伸びやかに張り上げるような歌い方をする人もいます。前者がJYPスタイルだとすると後者はSMスタイルとでも言いましょうか。そんな中で、ちょっと鼻の奥から鳴っているような声……伝わりますかね? BLACKPINK、そしてBABYMONSTERだとラミさんの歌い方。

矢野:ああ、分かります。YGって感じの声、ありますよね。鼻と喉の中間でブレスが行ったり来たりしている感じ、ハスキーで鋭さもある。BLACKPINKのロゼさんもYGらしい歌い方ですよね。

ゆりこ:そうそう。これを「YGボイス」と呼ぶ人もいるそうなのですが、今ではYG以外のアーティストにも広まっていますよね。私はあの歌い方をK-POP界に広めたのは2NE1だと思っています。特にボムさん。
矢野:言葉で表現するのは難しいですが、こういう歌い方の女性アーティストは確かに増えましたよね。

ゆりこ:今でこそ耳なじみがありますが、デビュー当時ボムさんの声自体はもちろん、歌い方がとても新鮮でした。先にデビューして人気を博していた少女時代、KARA、Wonder Girlsの歌い方とは全く違うのが素人耳にも分かりましたよ。こういう歌い方もあるのか! という発見。

矢野:貫禄や重厚感を感じます。実際にお上手なんですけれど、より上手に聞こえるといいますか……R&B、ブラックミュージックの香りもします。

ゆりこ:そしてCLさんのラップも以降の女性ラッパーのスタイルに少なからず影響を与えたと確信しています。Kep1erのヒカルさん、ちゃんみなさんも憧れのロールモデルとして挙げています。

矢野:平昌で行われた冬季五輪閉会式でも韓国代表としてパフォーマンスされたんですよね。

ゆりこ:そしてミンジさんとダラさんについても触れておきたいです。2NE1のダンスの核といえばミンジさん。彼女のすごいところはダンスの才能に加え、ボムさんに引けを取らないほど歌がうまいことです。ダンスも歌も超完璧! そしてダラさんは見て分かる通り、少女時代のユナさんに並ぶ、第2世代アイドルを代表するビジュアルメンバーです。

矢野:今でいうIVEのウォニョンさんやaespaのカリナさんのような?

ゆりこ:そう。ルッキズムを助長しかねない発言で恐縮ですが、THE・美女。そんな彼女が「万人受け? それが何?」とでも言いたげに髪の毛を逆立て、先鋭的なメイクとファッションで歌い踊る姿は“時代と価値観の変化”を強く印象付けるものでした。

矢野:これまで2NE1によって切り開かれ、新しく生み出されたもの、今のK-POPにつながる影響についてお話してきました。そして気になるのは彼女たちの楽曲のこと。どんな曲を歌ってきたのか、その魅力について探ってみたいと思います!

【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。

編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)。
(文:K-POP ゆりこ)

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