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西武池袋線「石神井公園駅」には何がある? 味のあるゲーセンにボート池、公園以外も見どころ満載の街

オールアバウト / 2024年9月23日 20時45分

西武池袋線「石神井公園駅」には何がある? 味のあるゲーセンにボート池、公園以外も見どころ満載の街

西武池袋線内で、大泉学園駅と練馬高野台駅の間にあるのが「石神井公園駅」。インターネット上では「石神井」で「しゃくじい」と読ませる難読な知名・駅名が時おり話題になりますが、駅を降りた先の街中には何があるのか。この記事で詳しく紹介します!

石神井公園駅と聞いて多くの人がイメージするのは、「石神井(しゃくじい)」という、初見ではまず読めないであろう字の雰囲気と、「石神井公園というからにはデカい公園があるんだろうな」という2点ではないでしょうか。

実際に歩いてみると、石神井公園は公園自体の環境が優れているだけでなく、スポーツやレクリエーション、自然観察などもできてかなり充実しています。地域の博物館や図書館など施設にも恵まれており、名前通りに公園をコアとした街が広がっていました。また、公園とは反対側の駅北側も、再開発が進んで買い物スポットが複数あるため、生活の利便もいい街といえます。

石神井公園駅の基本情報:家賃相場はいくら?

石神井公園に乗り入れるのは西武池袋線の1線のみで、駅周辺の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約7.5万円、1LDKが約11.8万円、2LDKが約14.1万円です(SUUMO、2024年9月16日確認)。西武池袋線の主要駅である池袋駅と比べれば1万円ほど安いですが、隣の大泉学園駅よりは若干お高め。再開発が進んでいることと、大きな公園に近い立地が反映されているのでしょうか。

石神井公園は江戸時代からあった?

駅から徒歩数分で豊かな緑にアクセスできるリッチな立地が魅力。吉祥寺などと似ていますね「石神井」という地名は、かつてこの地域の村でまつられていた「石神様」という石棒に由来するのでは? など諸説あります。

石神井公園の成り立ちは江戸時代からと非常に古く、当時から自然景観の豊かな景勝地として知られていました。1915年に武蔵野鉄道(後の西武池袋線)が開通すると本格的に公園としての整備が進み、戦後の1959年には東京都立の公園(※一部は区立公園)として開園。現在は地域住民の憩いの場として愛されています。

駅周辺、北側はショッピングモールやスーパーが複数

石神井公園駅の北口。西武池袋線の高架下はバスロータリーになっています。

石神井公園駅の西口から出てすぐの「ヨークフーズ」。エミナード石神井公園の一部です駅から高架下に広がるのが複合ショッピングモール「エミナード石神井公園」。西武グループ運営の駅直結モール「エミオ」を核としており、名前は日本語の「笑み」とフランス語の「プロムナード」を掛け合わせたものだそうです。

エミナード石神井公園は、西武池袋線の高架下をメインに、東西南北かなり広範囲に展開しています施設は複数のブロックに分かれており、スーパーマーケット「ヨークフーズ」、生活雑貨の「無印良品」、そのほか飲食店・食料品店・ファッション・雑貨など多数の店舗を備えています。

駅チカの高級マンションにお住まいの方々の御用達であろうブランド品のショップブロックは駅と隣接する南北の区域にも広がっており、中にはファッションブランド店や「カメラのキタムラ」など専門店といった、駅ナカ・駅直結モールとしては珍しいテナントもありました。

情報収集だけでなく、夏場はちょっと涼をとったりする時にもよさそう石神井周辺の観光案内所も。この街を初めて訪れた人は、ここに足を運んで情報収集するのもよさそうです。

スーパーや商店街も充実

駅北側のロータリーは、再開発で非常にきれい駅を出てすぐの場所にあるのが、駅北口を見下ろすような大きさのタワーマンションの「石神井公園ピアレス」。

入口はかなりの伊勢丹推しこちらは低層階が複合施設になっており、1階の「八重洲ブックセンター」支店、地下1階の「クイーンズ伊勢丹」など、いくつかの店舗が入っています。他には「練馬区立石神井公園区民交流センター」「消費生活センター」などもあり、タワーマンション居住者に限らず、市民生活にとって役立つスポットのようです。

すずらん型の街灯がまさに「昔ながら」という雰囲気石神井公園ピアレスの脇を抜けた先、駅北口から見て北東の方向に伸びるのが「石神井町二丁目通り商店会」。個人店や学習塾、クリニックなど地元密着の店舗などが並ぶ商店街です。この日はかなりの暑さだったにもかかわらず、お客さんもお店の方も元気な姿を見せていました店先にたくさんの野菜を並べた青果店も元気に営業しており、多くのお客さんが利用していました。

こういうお店が近所にあると助かりますね!なんと、にんじんがひと山150円! 他のお野菜も安価でお財布に優しい、さながら町民の台所といった雰囲気のお店です。

エミナード石神井公園のW(西)エリア近くにありますこのほか石神井公園駅の北口には、北口を出て左方向へ進んだ所の「ライフ石神井公園店」や、こちらは駅前から少し離れた、住宅団地の近く石神井町2丁目通り商店会から先へしばらく歩いた所の「サミットストア石神井公園店」など、普段使いに便利な量販店も点在。再開発が進んだ駅前だけでなく、その周辺も含めて、さまざまな利用客とニーズに対応できるお買い物スポットが充実しています。

駅南側の商店街は下町テイスト

駅南側ロータリー。北側と同じアーチ型デザインが施されています続いて、駅名の「石神井公園」がある駅南側へ。南側のロータリーは北側ほどの新しさはないものの、清潔に整った印象です。

北口の商店街と比べてもさらに活気ある印象。学生や若いカップルの姿も複数ありました南口の駅前から伸びるのは「石神井公園商店街(パークロード石神井)」。駅から石神井公園への散歩道として戦後間もない時期に発足した商店街で、過去には「NHKのど自慢大会」が開催されたこともあり、現在も年数回ほどのイベントや活性化事業が行われています。

今風の大規模なアミューズメント施設とは違う、まさに80~90年代の「ゲーセン」という貫禄チェーン店と個人商店・飲食店が入り交じる中で、なかなかに年月の重みがきいた「ゲームパーク」というアーケードゲーム店も! 店先のポスターや店内の筐体(きょうたい)は最新のものなので、現在も多くのゲーマーがここを利用しているのでしょう。

商店街からは近いのですが、若干奥まった路地にあるので、スマートフォンでマップ検索しながら向かいましょう商店街沿いに「豊宏(とよひろ)湯」という銭湯もあります。古きよき昭和の銭湯といった雰囲気で、駅チカ5分というのも便利ながら、公園帰りに汗をかいたのでひと風呂……という時にちょうどよさそうですね。

石神井公園の東側(石神井池周辺)は散策・運動にピッタリ!

石神井公園内はそこそこ広大。あちこちに地図の看板があるので、それを頼りに散歩してみましょう商店街から少し歩いた先にあるのが、こちらの「都立石神井公園」。東側の石神井池、西側の三宝寺池という2つの池を中心に作られた都立公園で、この街の中核にもなっているスポットです。

晴れの日には池の水面に青空が反射するなど、澄んだ景色をあちこちで眺められます都市化される以前の武蔵野(東京都の中西部)の自然を色濃く残しており、都立公園として整備・開園したのは1959年のこと。大正〜昭和期の版画家・川瀬巴水(かわせ・はすい)が三宝寺池の風景を作品にしたり、明治〜昭和に活動した俳人・小説家の高浜虚子(たかはま・きょし)ほかによる句会が開催されるなど、文人や芸術家に愛された公園でもあります。

細い遊歩道が木々のトンネルをくぐるような場所もあり、さながら迷路のよう園内は遊歩道が整備されて開けた場所から、緑が鬱蒼(うっそう)とした場所までさまざま。日射と気温が厳しい日だったので、地域の方が木陰のベンチなどでひと休みしている様子をあちらこちらで見かけました。

石神井池に浮かぶ巨大彫刻(左)のタイトルは「聖衣」。一定以上の年代は「クロス」と読みたくなるような公園東側の「石神井池」は池全体が東西に細長い形をしています。かつて三宝寺池から水をひいて田んぼにしていた場所が、1934年に水路をせき止められて誕生したそうで、公園全体から見れば歴史は新しい方。

東側の入口すぐ近くにある、石神井池のボート乗り場。デートコースに組み込んでみてはいかがでしょうか川沿いに散歩用の遊歩道があるほか、手漕ぎボートやスワンボートに乗れるボート乗り場もあります。このほかにも野球場やランニングに適した遊歩道もあり、石神井池周辺を含む公園東側は主にリラックス・レクリエーションの場としての色合いが強く感じられます。

公園西側(三宝寺池周辺)は豊かな自然と長い歴史を宿すエリア

公園の西側は全体的に、なるべく自然の状態に近づけるような構成になっています一方、公園西側に広がる「三宝寺池」はかつて武蔵野三大湧水地の1つと言われた場所。1935年に国の天然記念物に指定された「三宝寺池沼沢植物群落」があるなど、自然保護・自然観察の場という特性が濃いエリアになります。

木道で地面と歩面を分けて、植栽への悪影響を抑えながら安全性も配慮する工夫。尾瀬の自然公園などでも見られますね三宝寺池の周辺は木道が設けられており、動植物への悪影響を与えない形で自然散策もできるようになっています。また、こちら側ではランニング禁止、動物への餌やり禁止など動物保護のため注意喚起も行われているほか、貴重な植栽や生態系を維持する取り組みも実施中とのことです。

つわものどもが夢の跡。この近辺は空気も静まり返っていますそして、三宝寺池にほど近い、雑木林の中にひっそりとたたずむのが、こちらの「石神井城跡」。室町時代に石神井の地域一体を領有した豊島氏の居城跡です。

豊島氏は太田道灌(どうかん)との合戦に敗れて逃亡し、石神井城は1477年に落城。現在は堀や土塁など城の痕跡が残るのみで、それも荒廃から守るためフェンスで遮られており、普段は見学できません。

石神井池沿いの大掛かりな野外ステージ豊島氏の時代から幾百年。現在の石神井公園はかつて戦乱があった名残もなく、すっかり地域住民の憩いの場として親しまれています。平日の昼間ながら、公園内ではランニングやジョギングにいそしむ人、散歩中の親子、遊具を使って筋トレに励む若い男性、写生会と思しきご老人など、さまざまな人たちとすれ違います。

三宝寺池の木柵にたたずむ大きなサギ。この公園全体が彼ら住居であり餌場でもあります大きなサギやカルガモ、その写真を撮っている人の姿も、公園内ではたびたび見かけます。石神井公園は人間だけでなく野鳥や野生動物たちにとっても生活と癒しの場となっているようです。

公園の一角に咲く赤いヒガンバナ失意のまま城を追われた豊島氏にとっては、後世で居城跡が安息の地になっていることがせめてもの幸いでしょうか。

公園周辺の博物館・図書館・神社もおすすめ

なお、石神井公園や石神井城跡の近辺には、それと付随する形での文化施設も複数あるので、それらを巡ってみるのも楽しみの1つでしょう。

博物館はプール施設も兼ねており、頭を使うのが好きな人、体を動かすのが好きな人も両方満足できます公園の東西ちょうど中間にあるのが「練馬区立石神井公園ふるさと文化館」。開館は2010年で、ガラス面の広いスタイリッシュな外観が特徴です。

石神井の歴史を見て聞いて触れるさまざまな展示こちらでは「ふ・る・さ・と」をコンセプトに石神井と練馬区の歴史や伝統文化、自然などを紹介。過去の市民生活に関する実物やジオラマなどもあり、無料ながら見応えはなかなかのもの。博物館入り口の脇にある斜面は、石神井城跡の土塁に見立てて整備してあるとのこと。

図書館内はPC持ち込み可能で電源使用できるスポットもあるとか文化館から少し進んだ先にある「練馬区立石神井図書館」も建物は比較的新しめ。公園散歩の前後にここで勉強や読書をしたり、借りた本を公園内で読みふけったりと、利用法はいろいろとありそうです。

公園の南西側に隣接する「石神井氷川神社」は石神井地域の総鎮守社で、石神井城や豊島氏に由緒が深い歴史ある神社。神前結婚式に利用されるほか、毎月第四日曜日に骨董市を開催しています。

信仰ある所に人が集まり、人が集まる所でお祭りやイベントが起こるのは昔も今も代わりません境内の掲示板には、10月のおまつりの横に「森のJAZZ祭」という音楽イベントの告知が。千代田区の神田明神など、旧来の信仰・伝統と現代カルチャーが交わる場所として神社の境内が活用されるケースは多くありますが、石神井氷川神社もその一つと言えます。

散歩・観光なら南側、住宅探しなら北側がグッド

先ほどの写真とは別種のサギ。石神井公園では複数のサギが暮らしており、バードウオッチングの隠れた穴場です石神井公園駅の周辺は、北側が再開発の進んだショッピングエリア、南側は大きな公園の自然と歴史を生かした文化・教育エリアと、その色合いは駅の南北でかなり明確に分かれています。ちょっとお散歩で立ち寄りたいという時は南側、住まい探しにあたって実地調査の時は北側を歩いてみるとよさそうですね。

この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール
都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。
(文:デヤブロウ)

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