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パリのスリ被害、「アジア人が特に狙われやすい」のは本当か。在住者も警戒する“巧妙な手口”とは

オールアバウト / 2024年9月25日 20時15分

パリのスリ被害、「アジア人が特に狙われやすい」のは本当か。在住者も警戒する“巧妙な手口”とは

世界一の観光大国、フランス。首都パリは華やかなイメージがありますが、残念ながらスリ被害も多く報告されています。どんなシチュエーションでスリが発生しているのか、在住者が詳しくご紹介します。

「光の都」として知られるフランス・パリは、その美しいモニュメント、深い歴史、豊かな食文化により、旅行者にとって憧れの目的地であり続けています。国連世界観光機関(UNツーリズム)が発表した2023年の統計によれば、フランスを訪れた外国人観光客数は1億人を突破しました。

スリの犯人は「個人」も「集団」もいる

しかし、パリでは観光客を狙った軽犯罪も多発しています。中でもスリ被害が最も多く、スマートフォンや財布など、大切な物が「あっという間」に盗まれてしまいます。

スリの犯人は、「個人」でも「集団」でも動いています。特に集団はグループの1人が観光客に話しかけ、その間に他のメンバーが物を盗む……といった手口ですので、街を歩く際には十分な注意が必要です。

どんな場所がスリ被害に遭いやすい?

具体的に、どんな場所で狙われやすいのでしょうか。パリに在住する筆者から見たスリの頻発スポットは以下の通りです。

エッフェル塔やオペラ座など人気観光地

エッフェル塔、オペラ座、シャンゼリゼ大通り付近など、人気観光地はスリ被害が発生しやすいポイントです。しかも、犯人の多くは「若い女の子のグループ」。彼女たちは「道を教えてください」「署名に協力してください」などと言って観光客に近づいてくるのです。手口は、1人が話しかけ、他のメンバーがポケットに手を突っ込む……というお決まりのもの。「アンケート」「募金」といったお願いもスリの可能性が高いです。

地下鉄・電車の乗り場

地下鉄の乗車時、スマートフォンに気を取られていると、バッグから財布を抜き取られてしまうことがあります。これは「改札口」でも同様で、改札口が混雑していて通るスピードが遅くなると、その間にスッと抜き取られてしまうという手口です。スリ被害に遭わないための対策としては、公共交通機関ではスマートフォンをバッグにしまうこと、リュックやズボンのポケットには財布を入れないことなどがあります。

ATM付近

フランスのATM(銀行のキャッシュディスペンサー)は、屋内ではなく「外」に設置されています。こちらは集団というより個人で狙ってくるケースが多いので、暗証番号を含め盗み見られないよう、背後には十分な警戒を。夜間の利用も控えましょう。

カフェのテラス席

カフェのテラス席も狙われやすい場所です。日本のように、テーブルの上にスマートフォンを置いていると、それだけで「通りすがりのスリ」に盗まれてしまいます。また、「席を確保している」という意味で荷物を置きっぱなしにするのもNG。荷物を体から絶対に離さないことが鉄則です。

筆者が実際に被害に遭った、スリ犯人の特徴

「集団スリ」のほとんどは、若い女性グループです。彼女たちは11~14歳くらいの東欧系の少女で、小ぎれいな装いをしているためスリには見えません。しかし筆者が被害に遭った地下鉄でのスリは、彼女たちの犯行によるものでした。

「普通に友達としゃべっているのかな?」と思っていたところ、持っていたショッピングバッグから商品(化粧品)をごそごそと探るような音が。身動きが取れないよう、5~6人の女性にがっちりと囲まれましたが、大声で「ピックポケット(フランス語でスリの意)!!」と叫んだので、事なきを得て全員が次の駅で降りていきました。

このように大声で叫ぶと、周りにもスリがいることが知らされ、犯人は手を止めることがあります。また、周囲の乗客が止めに入ってくれることも。「アジア人は大人しい」と思われがちですが、スリに気づいたら思いっきり大声を上げてみてください。

「アジア人は狙われやすい」は本当

残念ながら、「アジア人がスリに狙われやすい」のは本当です。犯人はその中でも穏やかそうな人、おっとりしていそうな人を選びます。勘のいい彼らは、「観光で来ている人」「現金を持っていそうな人」「反撃しなさそうな人」を目と鼻で見分けているのです。

さらに、ショッピングバッグで両手がふさがっている人も狙われやすいです。スリの対象はスマートフォンや財布だけでなく、香水、バッグ、コスメ、ファッションといった高級品であることも。そのため1人旅の女性は特に気をつけた方がいいのですが、グループでの旅行であっても、バッグ(できればファスナー付きの物)を抱えるようにして持ったり、スマートフォンに気を取られないといった注意が必要です。

「過剰な対策」くらいがちょうどいい

他にも、最低限の現金しか持ち歩かない、おしゃれな格好をしない、ポケットに入れるのはティッシュくらいで、スマートフォンとクレジットカードは肌身に離さない……と、パリでスリを避けるには「過剰」くらいがちょうどいいと思います。

パリのスリは策略家ですし、常にチームで動いています。被害に遭わないためには、最初から目を付けられないことが大切です。

とはいえ、「慣れた頃」に遭いやすいのがスリ被害。住んでいれば1年目より2年目、旅行であれば初日より最終日……と、「今まで大丈夫だったから」という“慣れ”によって犯人に狙われてしまうことも。世界屈指の観光地にはスリもたくさん集まってくるので、パリでは十分な対策を取るようにしてくださいね。

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
(文:大内 聖子)

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