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ドイツにある、ふたが閉められないワイン!? 秋限定の“あまりにおいしい”発酵途中のワインを飲み比べ

オールアバウト / 2024年9月28日 20時55分

ドイツにある、ふたが閉められないワイン!? 秋限定の“あまりにおいしい”発酵途中のワインを飲み比べ

秋といえば、食欲の秋! 今回はドイツ人の秋の楽しみ、発酵途中のワイン「フェーダーヴァイサー」についてご紹介します。収穫したばかりのブドウで作られる、非常に若いワインで、日々変わっていく味わいとアルコール度数を楽しむことができます。

9月下旬。筆者の住んでいるベルリンでは最高気温が18度程度まで下がり、涼しくなりました。道行く人たちもマフラーを巻いていたり、厚手のジャケットを着ていたりと、皆すっかり秋の装いです。

食欲の秋ということで、日本の秋の味覚が恋しいところですが、実はドイツでも柿が「Kaki」という名称で一般のスーパーマーケットで売られていたり、アジア系のスーパーでは梨も手に入れることができます。さらに、もう少し冬が近づくとクリスマスマーケットで焼き栗も。

そこで今回はドイツ人の秋の楽しみ、発酵途中のワイン「フェーダーヴァイサー」についてご紹介します。

「フェーダーヴァイサー」とは?

「フェーダーヴァイサー(Federweisser)」とは、収穫したばかりのブドウで作られる、非常に若いワインです。「フェーダーヴァイサー」という名前はドイツ語で「白い羽根」を意味します。グラスの中で酵母菌が小さな羽根のように舞うことに由来しているようです。

発酵中の酵母が、搾り立てのブドウ果汁に含まれる天然の糖分をアルコールに変える際に二酸化炭素が発生するのですが、このワインはその発酵段階で市場に出回ります。発酵が終わりきっていないため、スーパーでは瓶のふたが軽く閉められただけの状態で売られています。横倒しや、ふたをきつく閉めるのはご法度です。

そしてスーパーで陳列されている間にも発酵が進むため、アルコール度数も上がっていくという、まさに鮮度が命の旬の飲み物。このワインは9~10月にかけて期間限定で市場に出回ります。ドイツ人の友人から「絶対飲んでみて! 今の時期限定でいろんなスーパーで売っているよ」とおすすめされ、早速購入してきました。

実際に飲んでみました

大型スーパー「Kaufland(カウフラント)」では、冷蔵の大きな棚をまるまる1つ使って陳列されていました。このワインには主に2種類あり、白の「フェーダーヴァイサー」と、赤の「フェーダーローター(Federroter)」(ロゼを含む)があります。今回は初めてだったので両方を買って飲み比べてみることにしました。

ドイツ産とイタリア産が並んで売られていましたが、今回は赤白どちらもドイツ産のものを選ぶことに。お値段は、1リットルで2.99ユーロ(約481円/1ユーロは161.70円換算)ほどです。グラスに注いでみると、かなりの微炭酸で、若干の濁りが見えます。これは発酵途中の証しであるようです。

気になるお味は、赤白ともに普通のワインとは比較にならないほどフルーティーで、特に白はリンゴジュースのような甘みを感じました。アルコールを飲んでいる感じはほとんどせず。アルコール度数は、白は9%、赤は9.5%とラベルに書いてありますが、ジュースのような感覚で飲め、しばらくたっても酔いが回ってくることはありませんでした。

冷蔵庫で保管した残りのワインを翌日も飲んでみると、甘みが若干薄れ、酸味とコクが出てきて、ジュースというよりもワインに近い風味を感じるように。さらに翌日はその傾向が顕著で、1日1日と本来のワインの風味に近づいていきました。

イタリア産「フェーダーローター」も買ってみた

あまりにおいしかったので、イタリア産の「フェーダーローター」(赤)も買って試してみました。こちらは強炭酸、そして深みのある香りと味わいで、ワインとジュースの良いとこ取りをしたようなお味。前回のドイツ産ではほとんど感じなかったアルコールを強く感じました。ラベルによるとアルコール度数は10.5%とのこと。

2日後に同じワインを飲んでみたところ、後を引くような甘みはほとんどなくなり、さっぱりとした甘さだけが残っていました。炭酸も弱くなっており、食事にも合いそうな味わいです。この「フェーダーローター」の醍醐味(だいごみ)は、発酵具合の差を味わうことでもあるのかなと感じました。

「フェーダーヴァイサー」の楽しみ方

ちなみにドイツワイン協会によるおすすめの飲み方は、まずは「フェーダーヴァイサー」を買ってすぐに飲むことのようです。その味がちょうどよければ冷蔵庫に入れます。冷やすことで発酵のプロセスが緩やかになり、好みの味を楽しめる時間が長くなる、とのこと。

買ってすぐの味が甘すぎる場合は、室温にしばらく置いておくと良いようで、6〜8時間後にもう1度試して、最適な甘さに変化したら、その時点で冷蔵後に入れます。

「フェーダーヴァイサー」は、「甘さ」「アルコール」「フルーツ酸」のバランスが取れた、ブドウジュースとワインの中間のような状態で飲むのが理想的のようです。また、この時点でアルコール度数は約5%となっているそうです。

ワインのふたが閉められないために日本への輸出は難しそうですが、ヨーロッパではドイツだけでなくオーストリアやイタリアなどでも味わうことができるそうです。秋にヨーロッパを訪れる際には、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

この記事の筆者:Gena プロフィール
ドイツ在住3年目のライター、ボディポジティブモデル。個人ブログをきっかけに執筆活動を開始し、現在はヨーロッパのモデル事務所に所属しながら、「ヨガジャーナルオンライン」にてエッセイを連載中。学生時代にはアメリカ・ニューヨークにも留学経験あり。日本と欧米における視点の違いに関する情報を発信する。
(文:Gena)

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