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年金の繰り下げ受給の期間は半年でもいいの?

オールアバウト / 2024年10月19日 18時30分

年金の繰り下げ受給の期間は半年でもいいの?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、年金の繰り下げ受給ができる期間について、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金の繰り下げ受給ができる期間についてです。

Q:年金の繰り下げ受給の期間は半年でもいいの?

「年金を増やしたくて、65歳からもらう年金の繰り下げ受給をしたいのですが、様子を見たく半年ぐらい繰り下げ受給して、繰り下げをやめたりすることもできるんでしょうか? いくら増えるのかについて教えてください」(会社員・60歳)

A:65歳から半年間(6カ月)の繰り下げ受給はできません。66歳以降(1年経過後)から、1カ月単位で繰り下げできます

老齢年金(老齢基礎年と老齢厚生年金)は、通常65歳になると請求手続きをすることで受け取れますが、66歳以降、最長75歳までの間(昭和27年4月1日以前生まれの方の繰り下げ上限年齢は70歳まで)で、受給開始時期を1カ月単位で選択できます。

繰り下げ受給をすると、1カ月繰り下げるごとに0.7%、年金額が増額されます。増額率は以下のように計算します。

・増額率=(65歳到達月から繰り下げ申し出月の前月までの月数)×0.007

繰り下げには、老齢基礎年金の繰り下げと老齢厚生年金の繰り下げがありますので、片方だけ、両方同時にと選択して繰り下げすることもできます。繰り下げた期間に応じて増額された年金を生涯にわたって受け取れます。

ご質問の、「途中半年ぐらいで、繰り下げをやめられるか」どうかについて回答します。相談者は、半年(6カ月・つまり65歳からの半年間)だけ繰り下げとのことですが、繰り下げ受給の請求は、66歳以降から請求できる制度です。最短でも1年間(12カ月)待ってからになります。65歳から半年間(6カ月)だけ繰り下げすることはできませんのでご注意ください。

66歳以降になると、1カ月単位で繰り下げできます。

例えば相談者が、66歳になった時点で、繰り下げ請求をすると、増額率は以下のようになります。

・増額率=0.7%×12カ月=8.4%

このように、8.4%増えた年金額を一生涯受け取れます。老齢基礎年金を満額81万6000円(令和6年度、新規裁定者)受け取れる場合、1年(12カ月)繰り下げることにより88万4544円(年額)受け取れます。

計算式は以下のようになります。

・81万6000円×(1+0.084)=88万4544円

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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