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フランス人はなぜ「週に2~3日」しか髪を洗わないのか。若い世代がシャワーの時間を控える意外な理由

オールアバウト / 2024年10月26日 21時25分

フランス人はなぜ「週に2~3日」しか髪を洗わないのか。若い世代がシャワーの時間を控える意外な理由

フランス人は「頻繁にお風呂に入らない」「湯船につからない」というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。フランス在住の筆者が現地のお風呂事情を詳しくご紹介します。

「フランス人は毎日お風呂に入らない」といううわさを聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、実際のところはフランス人も清潔さを大切にしています。ただ日本のように「湯船に浸かる文化がない」のは事実。フランスでは、お風呂ではなくシャワーを使うのが一般的です。

シャワーは毎日浴びる?

フランスでは、多くの人が毎日シャワーを浴びます。特にパリなど都市部に住んでいる人は、「ほこりや排ガスがひどいから」と、体を清潔に保つよう努力しています。

日本と少し違うのは、「朝にシャワーを浴びる」人が多いことでしょうか。これは、朝にシャワーを浴びて清潔な状態で人と会うため。朝のシャワーを、学校や仕事に行く前の“エチケット”として考える人が多いようです。

一方で、夜にシャワーを浴びてリラックスしてから寝る人もいれば、シャワーを浴びるのは数日おきという少数派もいます。その理由は、「面倒くさい」というより、乾燥したフランスの気候に対応するため。「肌のために毎日浴びるのを控える」という考え方です。

フランス人は、なぜ湯船に浸からずシャワーを選ぶのか

運動をした後もシャワーを浴びる人が多いフランス
それではなぜ、フランス人は「お風呂派」ではなく「シャワー派」なのでしょうか。これには、フランスの家の構造的な問題が関係しています。

日本の家庭にはバスタブがあるのが一般的ですが、フランスではシャワーだけのバスルームが多く、特に都市部では、スペースを有効に使うためにバスタブを置かず、シャワールームだけを設置している家がたくさんあります。

まれにバスタブがある場合でも、毎日湯船に浸かる習慣はありません。フランスの人々は、冬の寒い日やリラックスしたいときにしかバスタブを使わないのです。

追い焚き機能はなし。水を節約するフランス

フランスのバスタブには、日本のような追い焚き機能が全くないため、4人家族であれば一人ひとりが毎回お湯を張らなければいけません。これでは水がもったいないですし、環境への配慮も相まって「シャワーの方がエコでいいよね」という考え方になっているのです。

シャワー中に水をこまめに止める習慣も根付いています。例えば、体を洗っている間やシャンプーをしている間は水を止め、すすぐときだけ水を出すという方法です。こうすることで、無駄な水の消費を防いでいます。

シャワー時間は短く、髪は週に2~3回しか洗わない

シャワー時間はできるだけ短めに。髪を洗うのは週に2~3回ほど
こうした事情が重なって、フランス人のシャワー時間は短いことが多いのです。かかる時間は10~15分程度。特に若い世代では、エコ意識の高まりにより、少しでも水を使わないようにと考える人が増えています。

また、フランス人は洗髪も週に2~3回ほどにとどめています。というのも、フランスの水が硬水であることと、乾燥した気候のため毎日洗うと髪が傷んでしまうから。フランスの美容院でも「毎日の洗髪は良くない!」とアドバイスされるほどなんです。

このようにフランス人は湯船に浸かる習慣が少ないものの、シャワーを使って清潔さを保つことを大切にしています。日本のようなお風呂文化はありませんが、フランスの気候に合った入浴方法が選ばれています。

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
(文:大内 聖子)

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