65歳になった妻が、扶養を外れて厚生年金保険料を払いたい……扶養から外れる手続きはどこで行ってもらえばいい？

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、夫の社会保険の扶養から外れる際の手続きについて、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、夫の社会保険の扶養から外れる際の手続きについてです。

Q：社会保険の扶養でから外れる届けは夫の会社で行ってもらえればいいのでしょうか？

「今年で夫は61歳（厚生年金加入者／額面給与年780万円）、妻65歳（昭和34年6月生まれ）。妻は、今年から老齢年金を受給します。自分の老齢年金を増やしたいので、夫の社会保険の扶養を外れ、今年から70歳まで勤務時間延長、給与増で、自分で厚生年金保険料を払うつもりです（現在の額面給与年129万円）。私の年金は、基礎年金79万9000円、老齢厚生年金は約20万円（年額）です。

この場合、①私が社会保険の扶養から外れる届けは夫の会社で行ってもらえればいいのでしょうか？ ②厚生年金保険料分の支払いだけで、健康保険料は払わなくていいでしょうか？」（京のこけしさん）

A：夫が勤務先（事業所）に連絡することで、勤務先が異動の手続きをしてくれます。妻が厚生年金に加入するのであれば、健康保険料を支払う必要があります

妻の年間収入が増えて、収入要件（年間の収入が180万円）を満たさなくなった場合には、被扶養者の削除の手続きが必要になります。その際には、「被扶養者（異動）届」を日本年金機構へ提出する必要があります。扶養している人（相談者のケースでは夫）が勤務先（事業所）に連絡し、事業所が手続きをします。

また、妻が自分で厚生年金に加入するのであれば、健康保険料も支払う必要があります。

つまり、相談者の質問の回答は以下となります。

①妻が夫の扶養から外れる時は、夫の勤務先（事業所）に連絡し手続きは会社に行ってもらいます。

②妻が厚生年金に加入するのであれば、健康保険とセットで加入することになるため健康保険も加入者自身で支払う必要があります。健康保険と厚生年金をあわせて社会保険と呼びます。

監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)