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来年65歳の一人暮らし。年金だけでは生活できません。厚生年金に加入して働きながら、年金をもらうことはできる?

オールアバウト / 2024年11月20日 8時10分

来年65歳の一人暮らし。年金だけでは生活できません。厚生年金に加入して働きながら、年金をもらうことはできる?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、厚生年金に加入して働きながら、年金をもらうことができるのかについて、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、厚生年金に加入して働きながら、年金をもらうことができるのかについてです。

Q:厚生年金に加入して働きながら、老齢年金をもらうことはできるでしょうか。またその場合、年金受取にどのような支障がでるのでしょうか

「来年65歳になります。ひとりで賃貸暮らしなので年金だけでは生活できません。現在、時給の契約社員です。ボーナス、退職金はでません。ギリギリなので貯金はできません。できる限り働きたいのですが、厚生年金に加入して厚生年金保険料を払いながら、老齢年金をもらうことはできるでしょうか。またその場合、年金受取にどのような支障がでるのでしょうか」(花のひとりさん)

A:働きながら老齢年金をもらうことができます。ただし、在職老齢年金制度には注意が必要です

相談者は、賃貸で一人暮らしのため、老後の生活が心配とのこと。今後(老後)も賃貸で生活する場合、家賃がかかるので、住宅ローンを完済した持ち家の人よりも老後資金が多く必要になります。

経済的に豊かな老後生活をするには、相談者が心配しているように、やはりそれなりの年金収入があると安心です。将来、より多くの年金をもらうためには、より長く厚生年金に加入しながら働くことが方法のひとつです。

相談者は働いて厚生年金保険料を払いながら、老齢厚生年金を受け取ることができます。

ただ、働きながら老齢厚生年金をもらう場合、基本月額(年額の老齢厚生年金を12で割ったもののこと)と、月収等(総報酬月額相当額)に応じて、老齢厚生年金が一部または全額が支給停止になる場合があります。これを在職老齢年金制度といいます。月収等(総報酬月額相当額)とは、(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12となります。

相談者は年金だけでは生活できないとのことですが、もし相談者の老齢厚生年金の月額と月収等の合計が50万円以下の場合でしたら、老齢厚生年金が支給停止されることはなく、全額支給されます。老齢基礎年金は、在職老齢年金制度の対象にならないので全額もらえます。

繰り返しますが、厚生年金に加入して働くと、厚生年金加入期間が長くなり、もらえる老齢厚生年金額が増えますので、長く働けるようにすることはポイントです。ちなみに、65歳以降も厚生年金に加入して厚生年金保険料を納めると、年に1回、10月に、それまでに納めた厚生年金保険料の分が老齢厚生年金額に反映されて支給されます。

相談者は契約社員とのこと。いつまで働き続けることができるのか、今のうちから確認しておくといいと思います。

より長い期間働いて収入を得ることも重要ですが、収入を増やす方法として、お金に働いてもらうこと(貯蓄があれば、より金利の高い預け先を探す)も考慮していくといいでしょう。また、豊かな老後生活には、収入を増やすとともに、生活費のダウンサイジングも必要です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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