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50代でレス改善、女性の性欲「55歳がピーク」説は本当? ミドルエイジの“リアル”な性事情

オールアバウト / 2024年11月17日 22時5分

50代でレス改善、女性の性欲「55歳がピーク」説は本当? ミドルエイジの“リアル”な性事情

「女性の性欲のピークが55歳」というのは本当なのでしょうか。性に関する大規模調査を読み解きながら、ミドルエイジ女性のリアルな「性事情」について考えてみましょう。

先ごろ「人生100年時代は来ない?」というアメリカの研究結果が話題になりましたが、それでも90歳近くまで生きることに変わりありません。

「生涯現役」をテーマに特集を組む人気男性誌がありますが、90歳まで現役でセクシャル活動に取り組み、円満夫婦を続けることができるのか……。人類に与えられた難しいミッションです。

セルフプレジャーグッズメーカーのTENGAは、35~79歳までの男女500人にアンケート調査を行い、ミドルエイジ以降の性について「性生活の変化」や「体の変化」など様々な切り口から実態を明らかにしています。

その調査結果から、女性の性欲との性事情に関する興味深いデータを紹介しましょう。

ミドル女性の性事情1. 50代の半数は「セルフプレジャーしている」

一般的に、男性に比べて女性は加齢とともに性欲が衰える割合が高いと言われています。

ところが、TENGAが実施した調査を見ると「マスターベーション(セルフプレジャー)の平均的な回数(※n=250)」についての質問に対して、50代女性の5割、60代女性の3割、さらに70代女性の5割が「年に数回以上」と回答しています。

40代女性の性欲は二極化していると言いますが、閉経の前後5年(45~55歳ごろ)にあたる更年期は女性ホルモンの変化が激しく、男性ホルモンが優位になることで性欲が高まるという女性は少なくありません。

ミドル女性の性事情2. 性欲の「ピークは55歳」

泌尿器科医の関口由紀先生(女性医療クリニックLUNA グループ理事長)によれば、

「女性の性欲のピークは、驚くことに55歳といわれています。はっきりとした要因は分かっていませんが、ホルモンが関係しています。女性には更年期、閉経という大きなホルモンバランスの変化があり、女性ホルモンが減る一方で女性にも少量出ている男性ホルモンが相対的に増加し影響が強くなります。

性欲は男性ホルモンや脳内ホルモンに関連があり、これらのホルモンが増えると性欲が強くなることがわかっています」

とのこと。また、筆者が主宰する「恋人・夫婦仲相談所」にも、

「セクシーな動画を見た後は、お股がジュンとなるんです。まだ女としていけてるんだなと感じて、ちょっと嬉しくなっています」(52歳女性)

「夫とする気は全然ありませんが、こっそりかわいいセルフプレジャーグッズを購入して一人で楽しんでいます」(55歳女性)

「夫との営みの前に、一人でしておくと感度が増します」(53歳女性)

といった声が寄せられています。

以前は自分の性欲を隠したいとか、恥ずかしいと感じる女性が多かったのですが、最近は性欲をポジティブにとらえる人が増えている実感があります。

ミドル女性の性事情3. 50代の3割は「7年以上ブランク後、復活!」

長くセックスレス状態にあるカップルが、性生活を復活させるのは容易ではありません。ところが、こんな興味深いデータもあります。

アンケートによれば、50代女性の3割が「7年以上のブランクを経て、性生活を復活させている」ようで、ここには「10年以上のブランク後、復活した勇者(約6%)」も含みます。

一方、40代で復活させた人の最長ブランクは7~8年、60代では最長4~5年、70代では最長1年程度となっており、50代の「復活率」がずば抜けています。

これは、前述したホルモンバランス変化による性欲の高まりのほかに、生活環境の変化も影響していると考えられます。

「子ども部屋が空いたので夫婦別寝室にしたのですが、逆にそれが新鮮だったようで、週末は夫が私の寝室に通ってくるようになりました」(54歳女性)

「子どもが就職して一人暮らしを始めたこともあり、夫婦で過ごす時間が増えました。夫婦水入らずで出かけるようになり、スキンシップが復活しました」(57歳女性)

50代は一般的に、ちょうど育児が終了し、子どもが進学や就職で一人暮らしを始めるタイミング。また、会社員も役職定年などを迎えることで働き方が変化し、プライベート時間が増える例もよく見かけます。

つまり「仕事による疲労が減った」「翌日早く起きなくてもいい」「夫婦以外の家族が家を出た」など、時間と気持ちの余裕が生まれる世代に突入です。

「夫婦が再び向き合う時間が増えることで、性生活が復活するのが50代である」という推測ができます。

結論、ブランクがあってもセックスレスは改善する!

現在セックスレスに悩んでいる夫婦にとっては、希望の持てる調査結果ではありませんか。

しかし一方で、熟年離婚が増えるのも子どもが巣立ったこのタイミングです。性欲だけでなく、夫婦の関係性も二極化するのがこの時期だと言えるでしょう。更年期症状が強く出る女性は、夜の営みなど論外で拒否します。

これはエロスの格差……とでも言うのでしょうか。50代になった時、どちらのタイプの夫婦になるのか。それは、夫婦が30代から40代の「子育ての日々」「家庭経済の基礎を作る日々」を、どう過ごしてきたかにかかっています。

この膨大なエネルギーを要するこの時期を互いに思いやり、協力して過ごして夫婦の絆を深めるか、ワンオペ育児で妻の心が凍らすのか。また妻の塩対応で夫の心が離れていくのか。積み重ねてきた夫婦の歴史の中にセックスレスの原因が潜んでいることは間違いありませんが、ブランクがあっても改善するという事実は大変うれしいことです。

ただしメンタルがその気になっても、身体が思うように反応しないケースもあります。使わない器官は劣化します。女性には腟萎縮、股関節の可動域が狭くなるなどFSD(女性性機能障害)の症状が現れますし、男性はEDのお年頃に。

だからこそ、男女とも運動習慣や食生活、セルフプレジャー、フェムケアなど、全身のメンテナンスを怠ってはいけません。

<参考>
・「人生100年時代は来ない?米研究、寿命延長は鈍化」(日本経済新聞)
・「月刊TENGA第40号」(株式会社TENGA)

三松 真由美プロフィール

男女関係に悩む1万3000名の女性会員が集うコミュニティを展開。セックスレス・ED・女性性機能に詳しく、性を通して男女関係を円滑にするメソッドを考案。講演、メディア出演、著書多数の恋愛・夫婦仲コメンテーター。執筆家。
(文:三松 真由美(夫婦関係ガイド))

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