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「私に触れようとしない」夫が真夜中にしていたこと、してはいけない恋に走った妻の現在地

オールアバウト / 2024年11月19日 22時5分

「私に触れようとしない」夫が真夜中にしていたこと、してはいけない恋に走った妻の現在地

30代の頃に経験した不倫の恋を振り返った42歳の女性。きっかけは夫から「性的魅力がなくなった」と言われたからだという。ある夜、彼女はリビングで衝撃的な光景を目撃してしまい……

「不倫なんてコスパが悪い」「何もいいことがない」と言われている。もちろん、そんなことは分かっていても、恋に落ちるのが人間なのだ。してはいけない恋の先には、何があるのだろうか。

友達夫婦の夫は「性的魅力を感じない」と言う

「不倫して、相手の妻にバレて別れさせられました。苦しかった。恋愛自体が苦しかったから、別れた時は、正直言って少しだけホッとしたところもあったんです」

マヨさん(42歳)はそう言う。彼女が恋に落ちたのは、36歳の時だった。結婚して5年たっていた。夫とは結婚した時から完全な「友達夫婦」で、結婚した頃からセックスレスが始まっている。

「結婚前はそれなりにしていたんです。結婚後、夫は『マヨのことがどんどん好きになる』と言葉では言うんだけど、私に触れようとはしなかった。どうしてと聞いたこともあります。でも夫は『ごめん。自分でも分からないんだけど、マヨに性的魅力を感じない。きみは本当に僕の分身みたいで』って。意味不明ですよね。

夫はよくデートにも誘ってくれました。仕事帰りに待ち合わせて映画を観たりダーツをしに行ったり、時にはバッティングセンターへ行って笑い転げながらバットを振って。おいしい定食屋や中華料理屋でお腹いっぱいごはんを食べて、しゃべりながら同じ家に帰って」

私には触れない、でもAVは見る夫……

とにかく仲のいい夫婦だった。だが仲よくすればするほど、マヨさんの中のわだかまりは濃くなっていく。どうして女として見ないのだろう、どうして触れないのだろう……。ベッドで夫に覆い被さったこともある。夫はそれでも「ごめん」を背を向けた。

「ある日、夜中に目が覚めたら夫が隣にいない。どうしたんだろうと思ってリビングに行くと、夫のあえぎ声が聞こえて。夫はAVを見ながらひとりで悶えていました」

ショックだった。夫の性欲がなくなったわけではなく、その矛先が自分ではなくなったということなのだ。

「そんな時に知り合ったのが3歳年上の彼でした。仕事でたまに顔を合わせる程度の他社の方ですが、担当が変わってがっつり一緒に仕事をすることになった。それで互いに惹かれ合ったんです。数カ月たって、一緒に取引先に行くために待ち合わせたものの、取引先から時間を1時間ずらしてほしいと頼まれ、2人で時間つぶしのためにカフェに行って。

その時、お互いプライベートなことまでなぜか話してしまったんですよね。ここで話したことは他には言わないと暗黙の約束も成り立っていた」

それからは無言のうちに2人でいる時間を作り出そうとした。13時に取引先に行くとしたら、「11時半に待ち合わせてどこかでランチしてから行く」ようになった。2人だけの時間を意図的に作り、心の距離はどんどん近くなっていった。

「離婚して一緒になろう」と言い始めた彼

彼も結婚しており子どももがいたが、マヨさんに惹かれたのだろう。男女の関係になってから半年ほどたったころ「離婚して一緒になろう」と言い出した。

「私は子どもがいないけど、彼の子はパパッ子だと前に聞いていたんです。妻とは気が合わないと嘆いたこともありました。でも聞いていると妻に特に非があるわけでもない。そんな家族に私たちのエゴを突きつけるのはあまりに過酷。

それに彼の奥さん、彼の実家へたびたび出かけて生活の手助けもしているらしい。彼と一緒になれたらと夢は見たけど、そんなことをしたら生活のすべてが崩壊する。それでいいのかと葛藤しました」

葛藤しているうちに、彼の妻が気づいたらしい。マヨさんの夫にも連絡がいき、夫婦2組が会うことになった。

その場で彼は言ったのだ。マヨさんの目を見ることもなく。

「僕とマヨさんは別れます。実はこんなことになって迷惑だった。彼女に本気になったことは一度もありません。会社も辞めます」

不倫がバレて、彼は私に「迷惑している」と言った

マヨさんはびっくりした。会社を辞めてどうするのか。すると彼の妻が、「夫には私の父が経営している会社で働いてもらうことになりました。そのほうがヘンな女に言い寄られないよう目も届きますから」と告げた。

「彼は、妻の両親がとにかく苦手だと言っていたんです。エリート風を吹かせて、いつも上から目線で彼をいたぶってくる、と。そんな義両親のもとで働くなんて……」

彼は一度もマヨさんを見なかった。仕事上の関係者にはバレていなかったのがせめてもの救いだったが、彼と働けなくなった日常には冷たい空気が流れていると彼女は感じていた。

「その後、彼の上司だった人と会った時、『これ』と封筒を渡されたんです。退職のあいさつだと思うと言っていましたが、その手紙には『やっぱり嘘はつけない。マヨのことを心から愛している。だけど、こうすることしかできなかった』と書いてありました。帰り道でショッピングセンターのトイレに入って読んだんですが、いても立ってもいられなかった。彼の義父が経営する会社に駆けつけてしまいました」

だが、彼の思いを考えると中には入っていけなかった。彼に会いたい。マヨさんは今でもそう思っている。

「だけど会ってはいけないんですよ。こんなつらい別れはなかったですね。夫ともうまくいかなくなって、結局、3年前に離婚しました。3年間、夫婦関係を再構築しようと頑張ったけど、夫の心の中で私への恨みは消えなかったし、私も夫に魅力を感じなくなってしまった」

彼女は今でも彼を思い続けている。会うことはなくても、いつかこの思いが通じる時が来るはずだと心のどこかで信じているという。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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