トランプ氏勝利でビットコイン急騰…関連銘柄も動くが、注意が必要!?
オールアバウト / 2024年11月19日 12時20分
米大統領選でトランプ氏が圧勝し、トランプ2.0がスタートします。トランプ氏は暗号資産に前向きなため、ビットコイン価格は急騰し、暗号資産に関連する銘柄も大きく動いています。この辺りの背景をお話します。
世界的に注目された米大統領選挙は、共和党候補のトランプ氏の圧勝で幕を閉じました。来年1月20日予定の就任式を経て、第2次トランプ政権がスタートします。
株式市場では、「トランプ2.0」への期待感から、株式市場では日米ともに株高、為替市場では円安ドル高といった反応を示しましたが、何と言ってもビットコイン(BTC)の上昇が目立ちます。米大統領選の投開票前の11月1日時点で、1BTCは1080万円ほどで取引されていましたが、13日には1380万円と過去最高値を大幅に更新しました。ビットコイン以外の暗号資産も上昇していますが、この上昇の背景を簡単にお話しします。
トランプ氏はビットコインに前向き
トランプ氏は、大統領選挙期間中の7月に行われたビットコイン愛好者のイベントである「ビットコイン2024カンファレンス」において、①米国にマイニング企業を集中させて、全てのビットコインをMade in USAとする
②司法省が保有する20万BTC(約2.7兆円)を財務省管理とし戦略備蓄として利用
という内容をぶち上げました。
①の内容を簡単にお話ししますと、ビットコインをマイニング(ビットコインの全取引が正しく実施されているかを検算して、ブロックチェーンを作成。正しく検算できれば、報酬としてビットコインがもらえる仕組み)する企業を米国に集中させて、米国をビットコイン大国とする、という方針です。
②の「戦略備蓄」とは、自然災害や国際的な紛争などによって、生活や産業、安全保障に欠かせない資源や物資が不足したり、供給が途絶えたりする事態に備えて、国内に一定の量を蓄えておくことです。「米国がビットコインを戦略備蓄として取り扱う」ということは、米国がドルやユーロなどの法定通貨および金、石油などと同じくらい重要な資産と位置付けたことになります。つまりビットコインの信頼性および重要性が増すということです。
①、②が実現可能かどうかの議論は置いておきますが、トランプ氏がビットコインを非常に重要視し、前向きに捉えていることが判明したことで、ビットコインに対する関心が一気に高まりました。米大統領選が混戦模様だったことから、ビットコインの価格は900万円から1000万円ほどの水準でもみ合っていましたが、東京時間11月6日にトランプ氏優勢が伝わりだすと、価格は一気に上昇を開始しました。
ビットコインは乱高下するので注意は必要
今後もビットコインの価格が上昇するかどうかは、トランプ次期政権の政策方針に「ビットコイン2024カンファレンス」の内容がきちんと盛り込まれるかが重要と考えます。まずは、トランプ氏勝利でビットコインは大きく反応しましたが、もともと乱高下の激しい投資先ですので、一日に5~10%上下することは頻繁に起きます。期待感や思惑で大きな値動きとなりますので、資金管理が重要となります。ビットコインへの投資をお考えの方はご注意ください。
関連銘柄も多く、値動き激しい
ビットコインに直接投資しなくても、株式市場ではビットコイン関連銘柄も非常に動いていますので、いくつかご紹介したいと思います。まずは国内で金融庁に登録されている暗号資産交換所を保有している銘柄として、「コインチェック」を保有しているマネックスグループ<8698>、「Zaif」を保有しているクシム<2345>、「マーキュリー」や「ビットバンク」を保有しているセレス<3696>、「Crypto Garage」を保有するデジタルガレージ<4819>、「SBI VCトレード」「ビットポイント」を保有するSBIホールディングス<8473>、「GMOコイン」を保有するGMOフィナンシャルホールディングス<7177>があります。
また、国内の暗号資産交換所で取引できる暗号資産を発行している銘柄として、フィスコ<3807>、CAICA DIGITAL<2315>、ネクスグループ<6634>がありますし、ビットコインを企業として保有している銘柄は、ネクソン<3659>、メタプラネット<3350>などがあります。
こうした銘柄は、ビットコインなど暗号資産の価格の上下によって株価も動く可能性がありますが、ビットコインの価格動向同様、乱高下することがありますのでご注意ください。
文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。(文:田代 昌之(金融文筆家))
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