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フランスにはなぜ「飲み放題」文化がないのか。“個人主義”のフランス人が、日本の居酒屋に歓喜するワケ

オールアバウト / 2024年11月21日 21時25分

フランスにはなぜ「飲み放題」文化がないのか。“個人主義”のフランス人が、日本の居酒屋に歓喜するワケ

日本を訪れたフランス人が感動するものの一つに、「飲み放題」文化があります。しかし、彼らはなぜここまで飲み放題に喜ぶのでしょうか。在住者がフランスの外食事情とともにその理由を解説します。

フランス人に「日本には飲み放題のシステムがある」と教えると、驚かれることがよくあります。ワインの産地として知られるフランスですが、日本ではおなじみの「飲み放題」文化が存在しないのです。

そのため日本の飲み放題は、フランスでは絶対に味わえない独特の飲食スタイル。実際、フランス在住の筆者もこちらでの飲み放題システムを一度も見かけたことがありません。

今回はその理由を探りながら、フランス人が日本の居酒屋を愛する理由についてご紹介します。

フランスに「飲み放題」がない理由

パリのカフェレストラン(写真は筆者撮影、以下同)
フランスに飲み放題文化がない理由の一つは、法律による規制です。フランスでは未成年の飲酒問題や、泥酔状態でのけんか、トラブルを防ぐため、飲食店で飲み放題を提供することが禁止されています。

もう一つの理由は、フランス人のお酒の飲み方にあります。「酔っぱらうまで飲む」ことが少ないフランスでは、ワインを中心に「ちびちびと飲む」スタイルが一般的。「短時間でたくさん頼むこと」を前提としている日本の飲み放題とは、かなり対照的ですね。

とはいえ、日本の飲み放題システムを嫌うフランス人はほとんどいません。一定料金を払えば、ビールや日本酒、カクテル、ハイボールなどいろいろな種類のお酒を時間内に好きなだけ楽しめます。日頃からお酒をたしなむフランス人にとっては、このシステムは驚きと喜びの連続なのです。

日本の「飲み放題」に大興奮するフランス人

グラス1杯のワインも高額なパリ
フランス人が日本の飲み放題に感動する理由をもう少し詳しく解説していきましょう。

コスパの良さ

フランスで外食をすると、それなりの出費を覚悟しなければなりません。アルコールを繰り返し頼んでしまえば、会計も一気に跳ね上がります。それに比べて、日本の飲み放題は驚くほどリーズナブル。フランス人にとってはほとんど「感動もの」だと言えるでしょう。

フランスでブームのお酒も楽しめる

さらに、日本酒や梅酒といった日本ならではのお酒は、フランスでは“高級品”として販売されています。こうした日本のお酒を存分に楽しもうと、中には「時間ギリギリ」まで粘るフランス人も。筆者がフランス人と日本旅館を訪れた際には、飲み放題サービスに皆が感激し、クローズ時間直前まで楽しんでいました(旅館は時間制限を設けていませんでした)。

お酒をみんなで楽しむ文化

複数人や団体で利用することの多い飲み放題ですが、このような共同体験はフランスでは珍しいことです。個人主義が一般的なフランス人の目には、相手のために注文することや、料理をみんなでシェアする日本の飲食文化が新鮮に映るようです。

パリで「IZAKAYA」が大人気

パリでは日本の居酒屋をモチーフにした「IZAKAYA」が流行中
日本の居酒屋は飲み放題だけでなく、雰囲気やサービス、食事のバリエーションでもフランス人を魅了しています。

例えば、居酒屋のおしぼり。夏には冷たいおしぼりを、冬には温かいおしぼりを提供する日本ならではのサービスは、フランスではまず見られません。どのレストランでも紙か布製のナプキンを使うことが一般的です。

実際にパリでは、日本の居酒屋にインスピレーションを受けた「IZAKAYA」が流行するようになりました。日本を旅行した際に感銘を受けた料理人たちが、フランスにそのスタイルを持ち帰り、パリの中心地で「IZAKAYA」をオープンさせたのです。

絶対に「また来たい!」日本の飲食店

飲み放題文化はもちろん、のれんをくぐる時のワクワク感や、日本人ならではのおもてなし精神は、フランス人にとって「非日常」そのもの。

フランス人を日本の居酒屋に連れて行けば、「また来たい!」と誰もが言うはずです。フランスの友人を迎える機会があれば、ぜひ居酒屋に連れて行ってみてくださいね。

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
(文:大内 聖子)

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