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【草津温泉】宿にいたまま23種もの湯めぐりを愉しめる、大人のためのおこもり温泉

オールアバウト / 2024年11月21日 21時15分

【草津温泉】宿にいたまま23種もの湯めぐりを愉しめる、大人のためのおこもり温泉

ようやく秋らしい風が吹くようになった今日この頃。肌寒さを感じ始めると、行きたくなるのが温泉旅ですね。今回は人気の草津温泉で「宿にいたまま湯巡りが愉しめる」おこもり滞在にぴったりの大人な湯宿を紹介します。

今回、草津温泉で泊まってきたのは群馬県・草津温泉にある「湯宿 季の庭(ときのにわ)」。湯畑から少し離れた高台にあるこの宿は、全室客室露天風呂付き。

どの部屋に泊まっても、部屋の露天風呂で草津の名湯を源泉かけ流しで愉しめるほか、大浴場や貸切風呂を合わせると計23種類ものお風呂が備わる、温泉好きにはたまらない湯宿です。

草津では主に6つの源泉から湯が湧き出ていますが、ここではそのうちの2つがあります。温泉街を歩きまわって湯巡りするのもいいのですが、一つの宿であっちの湯こっちの湯と温泉三昧に高じるのも、ぜいたくな愉しみ方ではないでしょうか。

源泉・わたの湯を大きな内湯と露天風呂で愉しむ「大湯処 季の湯」

23種もの湯船がそろう中、筆者が特に愉しみにしていたのは「大湯処 季の湯」の大きな内風呂。二つの仕切られた正方形の湯船に、たっぷりと注がれた湯から立ち昇る湯煙が旅情感をかき立てます。

木のぬくもりを足の裏に感じながら、ゆっくりと湯の中に滑り込むと、酸性の湯の持つほんの少しだけ肌に刺激のある独特の湯触り感が「草津に来たな~」という実感を与えてくれます。

続いて、内湯の奥に広がる庭園へ。外に出ると、ほんのり白濁した湯をたたえる大きな露天風呂が。木々に囲まれた大露天風呂は、開放的ながらも、どこか山奥にある秘湯を思わせる雰囲気を漂わせていました。

そう、内湯にしてもこの露天風呂にしても、筆者が過去に訪れたことのある山間の秘湯を思い出す造りになっているのです。それを草津温泉の中心地からほんの少し離れた場所で堪能できることも、この宿の大きな魅力です。
「大湯処 季の湯」の露天風呂「葉隠れの湯」。高台にある宿ならではの落ち着いた空間になっている
内風呂「檜湯」には、檜の香りに包まれながら庭園の景色を臨める寝湯もあった
ほかにも「大湯処 季の湯」には岩風呂や、打たせ湯など計6種類のお風呂が。さらには、ドライサウナにウエットサウナ、岩盤浴も。温泉入浴以外の愉しみも多く備わっています。この大浴場だけでも旅の目的は半分達成したような気持ちになりますが、館内にはまだまだ多くの湯船が待っています。

源泉・湯川の湯を、あつ湯とぬる湯で愉しむ「湯治処 古の湯」

もう一つの大浴場「湯治処 古の湯」では、また少し違った雰囲気が愉しめます。少し照明を落した静かな雰囲気の湯処。その奥には、庭園を臨む大きな内湯があります。ここでは、もう一つの源泉・湯川の湯を、あつ湯とぬる湯で堪能することが可能。

さらに、小さな岩風呂や壺湯、そして「夢想の湯」という名のついたシルキーな湯が満々と注がれた木のお風呂の計4種類のお風呂が備わっています。微細な泡で白くなったぬるめの湯を愉しめる「夢想の湯」は人気が高いのだそう。
落ち着いた雰囲気が魅力の「湯治処 古の湯」の内湯
「湯治処 古の湯」の壺湯
ひそかな人気を博しているシルキー湯(写真提供:湯宿 季の庭/お宿 木の葉)
「大湯処 季の湯」「湯治処 古の湯」はともに、それぞれ2つずつ大浴場を備え、男女入れ替え制で2倍の種類を愉しめる仕様になっています。ここまでで、サウナと岩盤浴を除いて合計20種類のお風呂が。残りの3つは、庭園に備わる貸切風呂です。

庭園には、独立した3つの貸切風呂も

木々に囲まれた庭園には、それぞれ独立した3つの無料貸切風呂も。一つひとつが特徴的な造りになっており、大浴場とはひと味違った入浴時間を愉しめます。
特徴的な六角形のデザインの檜風呂「光林」
情緒あふれる露天風呂を貸し切りできる「岩室」
竹や笹に囲まれた露天風呂「竹座」

なぜ、こんなに多種多様な湯船が用意されているのか

一つの宿にこれほど豊富な湯船を用意しているところは、草津でもそう多くはありません。なぜ、これだけの種類が備えられているのでしょうか。それは、この宿が少し特殊な造りになっていることに由来します。

実は、この宿は一つの敷地の中に二つの宿が接して建っているという、珍しい形状になっているのです。全室露天風呂付きの部屋で草津の湯と季節の食をぜいたくに味わう「湯宿 季の庭」と、シンプルな部屋とハーフバイキングで食を味わう「お宿 木の葉」の二つの顔を持つ宿なのです。

お部屋と食事の味わい方が異なる一方で、それぞれの宿に備わる大浴場は、どちらの宿に泊まっても利用が可能。そのため、通常の宿の倍以上の湯船を堪能できる仕立てになっているのです。

部屋も食事も温泉もぜいたくに味わいたいなら、「湯宿 季の庭」へ。リーズナブルに温泉三昧をするなら、「お宿 木の葉」へ。滞在の仕方を選べるのも、この宿の魅力です。
駐車場からの入口は、「湯宿 季の庭」「お宿 木の葉」 共通 
「湯宿 季の庭」に宿泊の場合は右の階段を下りていく
階段下の入り口は、それぞれ別になっている
筒状の照明が印象的な「湯宿 季の庭」のロビー
季節によって趣を変える中庭を通って大浴場へ

旬の食材で季節を感じる会席料理を地酒とともに

たっぷりと温泉に浸かり部屋でのんびりゴロゴロと過ごしたら、お待ちかねの夕食タイム。個室に仕切られた食事処で、群馬の地酒とともに季節の食材にこだわった会席料理をいただきます。

前菜から優しくもしっかりとした出汁のうまみを感じる一品一品がそろう料理のメニューは、月替わり。取材時は夏ならではの食材をふんだんに使った品々を堪能しました。
冬瓜胡麻クリームの出汁の利いた優しい味わいに、一口目から癒された
せっかくなので群馬・谷川岳の地酒をチョイス
口の中でとろけるお刺身。特にカンパチが濃厚だった
野菜の甘さがたまらない、もろこし香ばし揚げと太刀魚の鳴門揚げ
台の物は、鉄板焼きと寄せ鍋から選べた

全ての部屋に客室露天風呂も。バルコニーからは雲海も見えた

早めの時間でいただいた夕食の後、部屋のバルコニーから外を見ると山間に見えるのはもしや、雲海? この日は前日から小雨が降り、昼間から夕方にかけて晴れ間が見えてきた一日でした。

雲海発生には好条件。モクモクと波打つ雲の海原の向こうにひょっこりと頭を出している山々がまるで島のよう。遠目ではありましたが、雲海も眺めることもでき、貴重な一夜となりました。
刻刻と色の変わっていく空を眺めながら、食後はバルコニーで飲み直すのも大人な愉しみ方
翌朝は部屋の露天風呂に湯を張って、プライべートな空間で朝の湯あみを堪能するのもおすすめ
白米とおかゆが選択できますが、筆者は高菜入りのおかゆをチョイス。おかゆによく合う品々が嬉しい朝食

1泊2日ではとても巡りきれない湯船の数々を備える大人のためのおこもり温泉宿。館内での湯めぐりを堪能し、季節を感じる食事に舌鼓をうつ。翌朝は部屋の露天風呂に湯を張るところからはじまり、体に優しい朝食に癒される。この秋冬は、草津温泉でそんな湯宿滞在を満喫してみてはいかがでしょうか。

《hotel data》
草津温泉 湯宿季の庭(ときのにわ)/共立リゾート
〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町大字草津白根464-214
Tel.0279-89-9320(予約専用 10:00~20:00)
Tel.0279-89-1158(代表 24時間)
草津バスターミナルから送迎バスで約15分
(文:木崎 ミドリ(国内旅行ガイド))

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