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静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

オールアバウト / 2024年11月21日 21時15分

静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

東海道新幹線で三島を過ぎると、右手に富士山が見えてくる。列車内は言うに及ばず、富士山のビュースポットが点在する静岡県の沿線各地。今回はそんな静岡県内のスポットを、JR東海が行っている「もれなく富士山キャンペーン」を使って巡ってみた。

東海道新幹線に乗って西へ向かう。三島を過ぎるころから、右手には富士山の麗姿が見えてくる。列車内は言うに及ばず、静岡県の東部から中部にかけての沿線各地には富士山のビュースポットが点在する。今回はJR東海が行っている「もれなく富士山キャンペーン」の中から興味深いプランを選んで実際に旅してみた。
東海道新幹線と富士山。日本を代表する鉄道情景である(写真提供=JR東海)

富士山ビューを満喫できる絶景ホテル

日本平ホテルから眺める富士山(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)
東海道新幹線「ひかり」「こだま」を静岡駅で下車。まずは、絶好の富士山ビュースポットと言われる「日本平ホテル」に行ってみる。静岡駅前から路線バスで40分(無料のシャトルバスあり)。ホテルのエントランスから中を真っすぐに進めば、正面のガラス張りの向こうに雄大な富士山、静岡の街並み、駿河湾、そして三保の松原という絶景が広がっている。「風景美術館」と呼ばれるゆえんだ。

絶景を愛でながらケーキセットをいただく(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)
予約して宿泊してもいいけれど、「もれなく富士山キャンペーン」の「ガーデンラウンジでのケーキセット」プラン(1人1200円)で訪れると手軽に、絶景を目の当たりにしながら優雅なひとときを楽しめる。

日本平ロープウェイに乗って久能山東照宮へ

日本平ロープウェイ
くつろいだ後は、路線バスに乗って日本平ロープウェイ(バス停)へ(乗車時間5分)。ここから静岡鉄道の運営する日本平ロープウェイに乗る。

ロープウェイは、山麓から山頂まで往復するのが一般的なパターンだが、このロープウェイは、まず山頂から下っていくのが「正統的なルート」だ。かなり深い谷を見下ろしながら降りていくので足がすくむ。遠くを眺めると駿河湾の水面が輝いているので、そちらを見ている方が安心だ。

久能山東照宮での貴重な体験

久能山東照宮の御社殿
5分乗って降りたところが久能山駅。徳川家康ゆかりの久能山東照宮がある。家康は死後(1616年)直ちに久能山東照宮に埋葬され、その1年後、霊の一部を日光東照宮に移し祭神としている。その久能山東照宮と日光東照宮を結ぶライン上には富士山が位置しているとは偶然とは思えない不思議なものを感じる。

400年の歴史で初公開! 禁足地に足を踏み入れる
国宝となっている社殿でお清めを行ったあとは、400年の歴史で、久能山東照宮の神職以外は足を踏み入れることができなかった「禁足地(鎮守の社)」に立ち入るプランがある。※完売となったため、申し込みは中止している

ただし、気楽に歩けるような遊歩道ではなく、手すりなどはない登山になるので足元に注意。それなりの覚悟が必要だ。苦労して久能山の山頂に登れば、末社愛宕神社から富士山を遥拝することができる。

絢爛(けんらん)豪華な社殿内部の装飾
なお、絢爛(けんらん)豪華な社殿など国宝の維持管理には莫大な費用がかかっているとのこと。拝観料やツアー代金の一部は、そうした費用に充当されることを理解しておきたい。

漁港で知られた焼津で「かつおの藁(わら)焼きたたき作り」体験

東海道本線もあちらこちらで富士山が見える(写真提供=JR東海)
ロープウェイとバスで来た道を戻り、JR東静岡駅で下車。東海道本線(在来線)下り列車(島田・浜松方面行き普通列車)に乗ると、20分ほど(静岡駅からなら12分)で焼津駅に着く。焼津は日本有数の漁港で知られ、特にカツオ漁が盛んなことで有名だ。この地では、水揚げされた厳選カツオを大量の藁(わら)を使って焼き上げる「かつおの藁(わら)焼きたたき作り」体験ができる。

大迫力の「かつおの藁(わら)焼きたたき作り」体験
明治10年創業の「川直(かわなお)」というお店の人が鮮やかにカツオを丸ごとさばいてくれるので、火が立ち昇る中で係に教えられるままに炙(あぶ)る。作業は実に手際よく進み、あっという間にカツオのたたきができあがる。スーパーなどお店で購入するたたきとは鮮度が異なり、とろけるような味わいだ。

ふぃしゅーな焼津でカツオのたたきをいただく(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)
どうせ食べるなら、お店でプラスチックのケースに入れてもらい、歩いて9分ほどの公園「ふぃしゅーな焼津」に行きたい。駿河湾に面した場所で、海の向こうに富士山が顔を出すビュースポットなのだ。富士山を眺めながら口にするカツオのたたきは焼津ならではの思い出となるだろう。

特急「ふじかわ」で富士宮へ

富士山をバックに快走する「特急ふじかわ」(写真提供=JR東海)
富士山は霊峰とも言われるように信仰の対象でもある。世界文化遺産に登録されたのは2013年のこと。その構成資産の1つが富士山本宮浅間大社である。JR静岡駅から甲府行き特急「ふじかわ」に乗る。東海道本線を駿河湾沿いに進み、富士駅からJR身延線に乗り入れる。最初の停車駅・富士宮で下車。静岡駅からちょうど40分だ。

富士山本宮浅間大社で「美」の願い体験

富士山本宮浅間大社の鳥居付近から眺める富士山(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)
浅間大社の御祭神は「コノハナサクヤヒメ」という美の女神である。そこで「美の願い体験」というプランが売り出されている。特に女性におすすめのこのプランを購入した人は、降りたら駅に隣接した富士宮市観光協会で「願い用紙」「御朱印ケース」など一式をもらうことをお忘れなく。浅間大社では入手できないからだ。

歩き出す前に、セットの中に入っている「願い用紙」に「美しい心になりたい」「キレイな髪になりますように」などといった願い事を油性ペンで記入しておこう。
湧き水スポットで願い用紙を水に浸す(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)

歩いて10分で富士山本宮浅間大社に到着。朱色の二之鳥居と背後にそびえる富士山を絡めて記念写真を撮る人が多い。境内には富士山から湧き出る水のスポットが7カ所ある。それぞれに御利益があり、上昇運を願うなら神田川ふれあい広場(富士川水系の神田川であって都内を流れる神田川ではない)、良縁を願うなら湧玉池というように指定された場所で願い用紙を湧き水にそっと浸す。そうすると、コノハナサクヤヒメからのメッセージが浮かび上がる。

御朱印をいただき、美の願い体験は無事終了
次に富士山本宮浅間大社に参拝し、御朱印をいただいて(初穂料500円を納める)、美の願い体験は完成となる。なお、二之鳥居近くには「お宮横丁」があり、ご当地グルメを売っているので、ちょっと休憩したい。

おすすめのホテルは無人島の豪華なリゾートホテル

淡島に向かうフェリー。人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』のラッピングが施されている
駿河湾に面した淡島ホテルの外観
富士山を眺めながら一夜を過ごす宿。エリア内でおすすめの1つが駿河湾の無人島にある淡島ホテルだ。無人島といっても絶海の孤島ではなく、伊豆半島のフェリー乗り場から5分という近さ。フェリー乗り場までは、JR三島駅から無料のシャトルバスで30~40分、JR沼津駅からは路線バスの便もある(35分)。

豪華な部屋はオーシャンビュー&富士山ビュー(写真提供=もれなく富士山キャンペーンPR事務局)
ホテルに着いて驚くのは、その豪華さだ。バブル期にできたためか、美術館のような装飾、広々とした部屋。ベランダからもバスルームからもオーシャンビューが楽しめ、そのかなたには富士山がそびえている。何ともぜいたくな造りで、慌ただしい都会の喧騒(けんそう)を忘れてゆったりと過ごせるであろう。館内には温泉もあるので、至れり尽くせり。ただし、無人島なので、コンビニはない。日用品で必要なものは三島や沼津あたりで調達しておきたい。

最後に鉄道ファン向けのプランを2つご紹介

ここまで、鉄道旅行にしては、やや“鉄分”不足だったので、最後に「もれなく富士山キャンペーン」の中から“鉄分”のあるプランを紹介しておこう。

「いずっぱこ」の愛称で知られる伊豆箱根鉄道
1つは、伊豆箱根鉄道一日乗車券(伊豆箱根鉄道 駿豆線1日乗り放題乗車券「旅助け」)。三島から修善寺にいたるローカル路線だが、観光路線でもある。西武系列の会社なので、かつて西武線を走っていた懐かしい塗装の電車に遭遇するかもしれない。富士山をバックに走る姿は絵になり、「撮り鉄スポット」もある。


もう1つは、修善寺虹の郷前売り入園券(ミニSL乗車券付き)。広々とした園内を走るSLはミニサイズといっても、イギリスのロムニー鉄道の車両をコピーしたもの。世界最小の公共鉄道として有名なもので遊園地のおもちゃではない。小さいながらも本格的なSLで、もちろん煙を吐いて走り回る。車内あるいは園内のどこで富士山が眺められるのか、注意して探してみよう。

他にも、さまざまなプランがある。注意点は、東海道新幹線をネット予約の上、チケットレスで乗車するEX会員あるいはスマートEXの会員でないと利用できないこと。EX会員と違って、スマートEXは会費無料なので、まずは会員になり、「EX旅先予約」からプランを選んで予約したい。

取材協力=JR東海、もれなく富士山キャンペーンPR事務局

この記事の執筆者:野田 隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
(文:野田 隆)

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