不倫相手に「好意を持っていた」と夫に言われたら…サレ妻と愛人がそれぞれの立場で感じること
オールアバウト / 2024年11月24日 22時5分
国民民主党の玉木雄一郎代表が、元グラビアアイドルとの不倫を認めた。玉木氏の会見を見たサレ妻や愛人は、何を感じたのだろう。自身が体験した過去の出来事を振り返りながら語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表が自らの不倫に関して会見を行い、ほぼ事実だと認めた。相手は元グラビアアイドルで、玉木氏の親衛隊のように活動していたようだ。政治資金パーティーにも街頭演説にも、妻と愛人は同席して顔を合わせることも多々あったらしい。
玉木氏は会見の際、「家族がありながら相手に好意を持ってしまった」と発言した。妻は、愛人は、その言葉をどう聞いたのだろう。
サレ妻の意見「妻としてはキツいです」
「私も夫に浮気されたことがあるんですけど、公の会見で、相手に好意を持っていたと言われるのは、妻としてはキツいですよね」アキミさん(40歳)は顔を曇らせた。29歳で結婚した彼女が夫に浮気されたと知ったのは、結婚から5年たったころ。ひとり娘が3歳になり、七五三のお祝いをしたその日だった。
「神社に何やら不審な女がいたんですよ。私たち家族3人をじっと見つめてる。私の母が来ていて写真を撮ってくれたりしたんですが、『あの人、ヘンだよ』と母が気づいた。夫に言うと、夫はその女性を見て顔色を変えたんです。20代半ばくらいの女性でしたね」
知り合いなんでしょ、どういう関係なの? と尋ねても夫は答えない。神社から家に帰ったあと、夫は「ちょっと買い物してくる」と家を飛び出していった。
「買い物なんてあるはずもないから、さっきの女だなと分かりました。その日の夜遅く、のちのちバレることなら今、白状したらどうなの? と詰め寄ると『ごめん』って。たった1回の関係なんだ、愛情はない、今後一切会わないと、声を詰まらせながら言うんです。
愛情もないのに関係を持ったんだ、あなたはそういうことをする人だったんだと責めると、『だまされたというか、乗せられたというか、つい成り行きで……』としどろもどろ。『僕にはアキミと娘が一番大事で一番愛してる』と」
不倫相手に「好意を持った」と言われていたら
その時もし、「君がいながら、彼女にも好意を持ってしまって申し訳ない」と言われたら、私はブチ切れていたでしょうとアキミさんは言う。たとえ嘘でも「君と娘だけ」と言われたことが、何とか関係を続けるよすがになったのは明らかだそうだ。「それから怪しいところはないし、時間があれば私と娘を喜ばせようとしてくれるようになりました。夫婦関係に慢心していたところもあったと言ったこともあります。浮気直後の言葉より、慢心していたことに気づいたという言葉を信用しようと思いました。
私自身も、多分夫は浮気なんてしないと思い込んでいたところがあった。それ以降、少しは緊張感をもとうとも改めているつもりです」
夫婦関係の見直しになったのかもしれないとアキミさんは笑顔を見せた。
愛人側としては「満たされたのでは」
「あの会見を見て、彼女に好意を持ったと言ったのは率直だったと思います。公に言うかどうかは別として、愛人側としては少しは満たされたんじゃないでしょうか」そう言うのはリョウコさん(36歳)だ。以前、5年に渡って、とある既婚男性と付き合っていたことがある。
「ちょっと社会的地位のある人でした。私自身も同じ業界にいて、彼の妻とも面識がありました。でも彼から好きだと告白され、20歳も年上だったけど付き合うようになったんです。
私は本気で好きでした。彼は『立場上、離婚はできないけど一生、付き合っていきたい』『君を失うのは僕が死ぬときだ』といつも言っていた。私もいろいろな角度から、彼の仕事をサポートしていたし、彼も目をかけてくれていました」
だが、二人の関係が怪しいと噂になり、それが彼の妻の耳に入った。リョウコさんは、妻から呼び出され、あるホテルへ行った。
「部屋番号を告げられて行ってみると、彼と妻と弁護士と名乗る男性がいました。弁護士が、彼はあなたに脅されて関係を持ったと言ってるって。そんなバカなと思わず言いました。いきなり上から刃物を振り下ろされたような気がしてショックで……。そこから話がどう進んだのかほとんど記憶がないくらいです」
彼は「僕はこの人に好意があったわけではない」と言い通した。妻は「そうよね、あなたには私しかいないわよね」と念を押す。それに彼ははっきりと「そうだよ」と言った。
「それでも慰謝料として50万が支払われ、私は今後一切会いませんという念書にサインして解放されました。いったい、何があったのかわからないくらい。あとから私も弁護士を立てて闘えばよかったとか、彼から来たLINEを見せればよかったとか、いろいろ思いましたが、すべてあとの祭り。
それでもあの和解は合法ではないと闘うこともできたんでしょうけど、何もかも嫌になってしまい、何の手も打ちませんでした」
「私の本気の恋が真っ黒に……」
彼女は彼の近くから去り、職場も変えた。似たような業界にはいるので、彼のことが耳に入ってくることもある。今も名前を聞くと悔しさがわいてくるという。「妻や弁護士がいるところで、私に好意があったとは言えなかったんでしょうけど、結局、彼は保身だけだったということ。あんな男に5年も心身を捧げていたと考えると腹が立ちます。彼は私には思い切りわがままを言って甘えていた。私も大人の彼が甘えてくるのがうれしかった。
でもそれは、いざとなれば簡単に切れる関係だと思ったからなのかもしれない。いろいろ考えると、異常な関係だったんだなと思う。ただ、弁護士と会った前後に、せめて私に本当の気持ちを伝えてくれてもよかったのにと思いますよ。例えば、今までありがとうとかね……。私の本気の恋が真っ黒に塗りつぶされた。そんなふうに思います」
思いもよらない彼の裏切りに、あれから2年たった今も彼女の気持ちは癒えていない。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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