注目!「12月の権利取り銘柄」を先取りするなら?
オールアバウト / 2024年11月29日 11時30分
2024年も残すところ1カ月少しとなり、12月の権利取り日も迫ってきました。12月は3月、9月に次いで権利取り銘柄が多い月ですので関心は高いでしょう。高配当銘柄や面白優待銘柄をご紹介いたします。
早いもので2024年も残すところ40日ほどで、株式市場は徐々に年末を意識しつつあります。「令和のブラックマンデー」という波乱の8月もありましたが、日経平均株価およびTOPIX(東証株価指数)はいずれも大発会の水準(1月4日終値、日経平均は3万3288円29銭、TOPIXは2378.79pt)を上回っています。
年末最後のイベントは、やはり配当や優待などの12月権利取りでしょう。昨年の配当、優待実施企業数は、約180銘柄と3月、9月に次いで多い月ですので非常に話題性があります。時価総額が大きい銘柄もありますので、NISAを通じて購入を検討している個人投資家の方も多いでしょう。
今回は12月に配当・優待の権利を取れる銘柄を3銘柄ずつピックアップします。今年の権利取りの日は、12月26日(木)です。12月30日(月)が大納会で年内最後の取引日ですので、今年は26日が権利取り最終日、27日が権利落ち日となります。
【配当銘柄】
では、注目の高配当銘柄を3つご紹介します。●大倉工業<4221>
合成樹脂フィルムの大手企業です。11月13日に配当方針の変更と配当予想の修正を発表したばかりで、今2024年12月期の会社予想配当金は155円となりました。大幅な増配によって、予想配当利回りは5%近くまで跳ね上がりましたので、高配当利回り銘柄の一角と十分に言えます。堅調な業績推移ですので安心感もあるでしょう。
●日華化学<4463>
美容室向けヘア化粧品やクリーニング洗剤などを展開しています。化学品事業が大幅に伸びており、2024年12月期業績は大幅な増収増益を見込んでいます。7月に配当方針の変更を発表し、新しい方針のもと、2024年12月期の会社予想配当金は従来の34円から50円へと大幅な増配となりました。予想配当利回りは4%を超えますので高い利回りと言えるでしょう。
●INPEX<1605>
原油など資源関連の最大手企業で、12月の権利取り銘柄ではトップクラスの時価総額(2.5兆円)を誇っています。原油価格や為替動向によって決算は影響を受けやすいですが、4%超の高い配当利回りは魅力と考えます。中小型株とは異なり2.5兆円規模の大型高配当利回り銘柄として投資家の関心は高いでしょう。
【優待銘柄】
次に、注目したい優待銘柄を3つご紹介します。●ポーラ・オルビスホールディングス<4927>
「ポーラ」「オルビス」の基幹ブランドを軸に多用なブランドと販売チャネルを持っている化粧品会社です。株主優待は100株から対応しており、分かりやすいポイント制度を採用しています。もちろんポイント交換対象は自社製品です。ポイントの繰越有効期限は3年と決まっていますが、保有株数および保有株の年数で付与されるポイントは増していきますので、同社のブランド愛好者は注目です。
●DMG森精機<6141>
世界有数の工作機械や自動化システムなどを展開するマシンツール企業です。同社の株主優待はさすがに同社の製品というわけにはいきませんが、同社が文化振興の一環として行っているJapan National Orchestraのコンサートチケットがもらえます。株主優待としては非常に珍しいケースですが、同社の文化・芸術に対する考えがよく伝わる株主優待だと思います。興味がある方はぜひとも同社のHPをご確認ください。
●エプコ<2311>
再生可能エネルギー事業や給排水設備の設計などを展開しています。同社の株主優待は非常にユニークで、抽選式株主優待を導入しています。抽選の当選者に対して、「太陽光発電システムまたは蓄電池(100万円相当)を無償で設置する権利」を贈呈しています。2024年下期の当選者は5名を予定しているようです(2024年上期の当選者は5名でした)。100株で1口の抽選権利が得られ、1000株10口が上限となっています。太陽光発電システムや蓄電池導入を検討しているのでしたら、同社のHPを見てみることをおすすめします。
なお、株主優待に関しては、最低単元株、つまり、100株ではなくて500株から株主優待制度を実施しているケースがあります。また保有年数の条件を設けている企業もあります。購入前に各企業の公式Webサイトの投資家向けIRなどでしっかり確認しましょう。
文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
(文:田代 昌之(金融文筆家))
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