メルカリで「離婚届」が売られている…一体なぜ？ そもそも出品しても問題ないの？

メルカリにはたくさんの商品が出品されています。その中には、ちょっと変わったものがあるのも事実。今回取り上げるのは「離婚届」です。なぜ出品されて取引が成立するのか。そもそも出品してもよいのかを解説していきます。

多くの商品が並ぶメルカリでは、少し変わったものを目にすることがあります。その1つが「離婚届」。記入例付きのものや複数枚がセットになったものも出品されており、一部はすでに売り切れているようです。

離婚届は無料でもらえるものですが、そもそも出品しても問題ないものなのでしょうか。そして、なぜ離婚届がメルカリで買われているのでしょうか。

離婚届は出品してもよい？

「離婚届」はメルカリの出品禁止物に当たるのでは……？ そう思う人も多いかもしれませんが、実はメルカリの「禁止されている出品物」では明記されていません。

そのため出品することは可能ですし、実際に取引もされています。

離婚届は役所などに行けば無料でもらえます。大量に離婚届を出品しているユーザーは、おそらく複数枚入手してくるのでしょう。ただ、離婚届などの書類は税金で作られているものでしょうし、それをタダで手に入れて売るのはどうなの？という疑問は残りますね。

なぜ離婚届が買われているのか？

無料で入手できる離婚届をわざわざお金を払ってメルカリで買うのには、以下のような理由があると考えられます。

■役所に取りに行く時間がない
役所によっては土日や祝日、平日の夜間でも窓口を開けている場合がありますが、仕事や家事などでなかなか行く時間がないという人もいるでしょう。それならメルカリで買って家まで届けてもらうほうが便利ですし、時間の節約にもなります。

■交通費がかかる
「交通費を払って役所まで取りに行くよりも、メルカリで買うほうが安い」と考える人もいることでしょう。実際、メルカリには300円程度で出品されている離婚届も多く、往復の交通費を払うより安く済む場合もありそうです。

■周囲に知られることなく入手したい
「離婚届を出そうとしていることを知られたくない」というケースもありそうです。特に人口の少ない地域などでは、役所で知人に会う場合もあるでしょう。人に知られることなく離婚届を入手したい……そう考える人が、メルカリで離婚届を買っているのかもしれません。

離婚届はダウンロードできる場合も

自治体によってはホームページで離婚届のダウンロード版を用意している場合がありますし、法律事務所のWebサイトなどでも入手できるようになっています。それらを印刷すれば離婚届として提出できるため、実はメルカリで買わなくてもよいのです。

ただし、市区町村によっては指定の様式でないと受理してもらえない場合もあります。そのような注意点に配慮しながら印刷するのは手間だ、と感じる人は、原本を入手するほうがよいでしょう。

メルカリで離婚届を売買するのは、現在のところ禁止されていません。買う方にもさまざまな事情があるのでしょうし、必要とされるからこそ取引が成立しています。意外に思う方も多いでしょうが、こうした出品物が登場するのもフリマアプリならではなのかもしれません。
(文:川崎 さちえ（フリマアプリ・ネットオークションガイド）)