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大谷翔平×真美子さんの報道に感じる違和感「一歩下がる」「奥ゆかしさ」は今も女性の美徳なのか?

オールアバウト / 2024年12月5日 22時5分

大谷翔平×真美子さんの報道に感じる違和感「一歩下がる」「奥ゆかしさ」は今も女性の美徳なのか?

三歩下がる、奥ゆかしい女性は、今の時代も「美徳」なのだろうか? 大活躍のメジャーリーガー大谷翔平選手とそのパートナー真美子さんに関する報道に感じる、従来型の女性像をたたえるかのような表現にモヤッとする。写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

大リーグで実力をいかんなく発揮し、人気も名誉もほしいままにしている大谷翔平選手。もちろんその裏には想像も絶する努力があったに違いない。ソフトな印象で茶目っ気も見せる彼だが、アスリートとして上り詰めたプロである。太く揺るがない軸が心にしっかと根付いているはずだ。

「奥ゆかしい」「一歩下がった」女性は美しい?

2024年は、そんな彼のパートナーである真美子さんもさまざまな場面で話題になっている。だが、日本で報道されるストーリーは「奥ゆかしい」「いつも一歩下がっている」「しゃしゃり出ない」という、従来型の女性の美徳ばかりだ。

実際、彼女は自らは脇役に徹すると決めているのかもしれないが、そこは元アスリート。自らの意志で決めた「自分の役割」を粛々と遂行しているとも受け取れる。それを、なぜか「三歩下がるのが日本女性のいいところ」という方向でしか報じられないことに、そしてそれに共感を寄せる声が多いことに、違和感とモヤモヤが止まらない。

世界的なプロアスリートとして彼が野球に徹することを一番近くで応援し支持することは、彼女の選択と意志だということを明確にすべきなのではないだろうか。そうでないと、彼らの関係は「自らの夢を諦めて夫に尽くすだけ」「夫を支えるのが妻の愛情」というどこかチープでウエットな、従来の夫唱婦随型に見えかねない。

ハグでなくグータッチで喜び合う姿も話題に

MVPを受賞した時の映像では、大谷選手が真美子さんと最後にグータッチを交わすシーンが流れた。「いや、そこはハグだろ」とツッコミを入れた人も多かったかもしれない。だが目と目を見交わし、グーを出した妻に、大谷選手は合わせるかのようにグーを出した。

それが彼らのパートナーシップのトーンなのだろう。人前でどう振る舞うかについては感性が似ているのではないだろうか。

今の時代であっても、夫の関係者の前でどう振る舞うかについて、従来の女性に求められる役割の意識がしっかり残っている日本では難しい選択を迫られる。「キラキラ女子」は痛いと言われ、表舞台にまったく出てこなければ「関係が悪いのではないか」と憶測される。

有名人の妻に限ったことではなく、「夫の一番身近な“関係者”」は立ち位置に苦慮するものなのだ。

「夫を立ててこそ妻」「家を守るのが妻」

地方の名家の三男と結婚したユリさん(40歳)は、「実家には戻らない。オレは三男だから大丈夫」という言葉を信じていた。ところが結婚して3年後の33歳の時に夫の長兄が急死。次兄が跡取りとなったが1年後に一家で逃げてしまう。次兄の妻がどうしても耐えられない、このまま実家で同居なら離婚すると夫に最後通告を突きつけたのだ。

「うちの夫は、家業も家も土地も、オヤジの代で途絶えても仕方がないと言っていました。私もそうしてもらうしかないと思っていた。でもある日、夜中に目が覚めると、夫が子どものころのアルバムを見ながら泣いていたんです。本当は実家を継ぎたいのかもしれないと感じました」

その数日後、夫から「大事な話がある」と言われたユリさん。やはり夫の願いは「実家で同居してくれないか」ということだった。

「私は申し訳ないけど無理だと答えました。ここで我慢して夫についていっても、暮らせないのは明らかだし、私にも仕事がある。夫は経済的に負担はかけないと言いましたが、私の仕事は私の人生そのものでもある。もちろん、当時2歳だった娘も人生をかけて守りたい。そこから夫の実家からの私への攻撃が始まりました」

毎晩のように義両親や親戚から電話がかかってくる。留守番電話には「あんたは○○家の誇りをどう思っているんだ」「夫が行くといったら従え」「家を守らない妻はいらない」などなど、ユリさんは「笑ってしまうような罵詈雑言」を生まれて初めて聞いたという。

「夫にも聞かせました。夫は頭を抱えていた。こういうところに娘を連れていくのかと尋ねると、うーんと悩んで。遊びに行った時は、義両親も親戚もみんないい人たちでしたよ。

私が夫にあれこれやってと頼んでいる時も、『奥さんが主人に命令するんだね。これが時代なのかね』という程度で済んでいた。でもいざとなったら、私にどれだけ圧力をかけてくるかは想像できます」

出しゃばらず、夫に寄り添うのが理想?

そしてふたりは苦渋の決断をした。離婚はせず、夫が跡取りとはなるが実家で同居はしない。夫の仕事はリモート対応しやすく、勤務先も副業を禁止していない。家業もリモートで済む部分がかなりある。行く必要がある時だけ実家に赴く。その際、ユリさんが同伴する必要はない。

「つまり、今の生活を続けながら、夫が家業に加わる。それだけのことなんです。なのに、実家では跡目披露みたいなことをするしないで今、揉めているみたい。怪しい団体じゃあるまいし、跡目披露ってと思いましたが、もうそういうことは夫に一切任せます」

ユリさんは、「妻は出しゃばってはいけないが、夫に寄り添って人前に出てくることは求められる。その際必要なのは周りに気を配りつつ、夫を立てる姿勢なんですよね。何を言ってるんだかって感じ」とまた笑った。

「周囲にどう思われてもいいと開き直りました。私は私の人生、夫は夫の人生がある。お互いに自分の意志を大事にし、横に並んで歩いていくけど道は違う。時々交わるならそれもよし。困った時は助け合う。そういうシンプルな関係でいこうと話し合ったんです」

義姉には「冷たい夫婦」と言われたが、そう見たい人は好きにすればいい。ただ、自分たちだけは相手を見失わないようにしようと、ユリさんは夫と約束したという。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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