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高すぎる、空室がない! 国内出張「ホテル」問題、旅のプロに聞いた「安く泊まる」ための秘策

オールアバウト / 2024年12月12日 21時45分

高すぎる、空室がない! 国内出張「ホテル」問題、旅のプロに聞いた「安く泊まる」ための秘策

都市部では、週末ともなるとビジネスホテルですら「1泊2万円」も珍しいことではない。出張が多いビジネスパーソンが、できる限り安く泊まるためにできることとは? 旅行ジャーナリストに聞く。

国内ホテルが「高すぎる」「空室が見つからない」「会社規定の上限超え」といった、出張族の悲鳴が止まらない。特に東京や大阪、福岡、札幌といった都市部で国内出張時によく使われるビジネスホテルが、週末を中心に満室または以前より高騰している。

その現状と主な原因とともに、出張時のホテルをできる限りリーズナブルに予約する秘策を紹介する。

都市部は週末「1泊2万円」も普通に!?

東横INNのコストパフォーマンスは今の国内では最高レベル。唯一のネックは「エレベーター」で、この規模でも1台しかない。特に朝は混雑するので注意(筆者撮影、以下同)いまやビジネスホテルが「1泊2万円」というのは珍しいことではない。平日はまだしも、週末の東京都内などを「1泊1万円以下」で調べると、カプセルホテルやドミトリーしか出てこないこともある。

この事態に多大な影響を受けているのは、出張が多いビジネスパーソンだ。会社では通常、出張時の宿泊費を上限「1泊9000円」「1泊1万2000円」などと定めている。これらの金額内でホテルを探すことは難しいことではなかったが、現在はかなり厳しい。

とはいえカプセルホテルやドミトリーなどの簡易宿泊施設は、周りのいびきなどがうるさく熟睡しづらい。翌日以降の仕事に支障が出かねず、年齢的に厳しいという人も多いだろう。

それでも業務命令であれば、出張せざるを得ない。あの手この手で出張先のホテル予約を必死に探すほか、別の手段を取るビジネスパーソンもいる。

出張族の三重苦「都市部×週末×直前」

国内出張で人気が高い「東横INN」の客室(シングル)。最低限の設備が揃うのに加え、宿泊料金が異常に高騰しない点など出張者の絶大な支持を集めている国内出張で「都市部」、しかも「週末」、さらには「直前に」出張が決まると、ホテル探しは困難を極める。直近でその一例を紹介する。

首都圏在住で日頃から出張が多いUさん(40代男性)は、福岡出張が直前に決まり、しかも日程が週末だった。会社が規定する宿泊費は1泊1万3000円まで。

仕事先は福岡市内だったが、博多や天神などのホテルは空室こそあっても軒並み1泊2万円ほど。最悪、東京からの日帰り出張も検討する中、出発前々日になんとか見つけたのが山陽新幹線が乗り入れる小倉駅前の「東横INN」だった。結局、福岡空港から博多駅経由で新幹線に乗って小倉駅へ移動して1泊し、翌朝に再び新幹線で博多へ戻った。

また別の日には、その小倉駅前も満室ばかりで、小倉駅からバスで30分超かかる北九州空港周辺しか空いていなかった。そのため博多駅から電車で片道1時間ほど移動して西鉄久留米駅に近いビジネスホテルに泊まったという。

日によってホテルの宿泊料金が異なるため、連泊を断念して別のホテルに移動する人、会社規定の超過分は自腹を切る人もいる。さらにカプセルホテルやネットカフェなどで過ごす、移動に夜行バスを使うことで宿泊費を浮かす、事務所に寝泊まりする、といった話まで聞く。

ちなみに、数あるビジネスホテルチェーンでも全国の「東横INN」は非常に人気が高い。週末になると金額を大幅に上げるビジネスホテルが多い中、それほど値上げせず、週末もシングル1泊1万円以下。狭いながら個室でバストイレ付き、朝食無料で、現在は当日16時までキャンセル料も無料だ。「東横INN」は朝食無料。施設ごとにご当地メニューや「CoCo壱番屋」のカレースープなどコラボメニューも近年登場しているそのため利便性のいい立地ともなると予約は至難の業だが、都市部はホテル数が多くて直前に空室状況が動くこともあり、タイミングが良ければ予約できることもある。

訪日客にとって東京は「何でも3割引の感覚」

JR西日本のビジネスホテルチェーン「VIA INN」(ヴィアイン)は筆者のお気に入りホテルだが、2024年10月に泊まった際は博多駅近くで素泊まり1泊1万2000円ほどしたこうした状況の主たる理由の1つは「インバウンド」だ。コロナ禍後の円安によって「日本のおトク度」が高まったことで、近場の韓国や台湾からの旅行客はリピーターとなり、欧米などからの旅行客は長期滞在で日本旅行を満喫している。

在米日本人によると「東京でクレジットカード決済したら、何でも3割引の感覚」と言うほど、今の日本は“とにかく安い”らしい。ホテルの宿泊料金を多少上げても、円安かつ「旅行」であるインバウンドだと何泊しても金額が高いと感じないのだろう。

片や、多くの日本人は賃金が上がらない。特に中小零細企業は光熱費をはじめとした経費は上がる一方で、大幅な賃上げは難しい事情もある。大企業を中心に出張時の「宿泊費の上限を上げる」「金額超過分は会社がその都度精算」といった対応が広がりつつあるものの、現状に追いついているとは言いがたい。

あまりのホテル予約困難ぶりに、会社の総務部などが出張手配を行うこともあると聞く。だが、出張先の土地勘がないため駅から遠くアクセスが悪いホテルだったり、歓楽街の中で治安面で安心できないホテルだったりするケースもあり、結局は「自分で手配する方が都合がいい」という声も少なくない。

旅のプロが実践する「できる限り安く予約する方法」

出張者に人気が高いビジネスホテルチェーン「ドーミーイン」の定番、夜鳴きそば。夜食として宿泊客に無料提供されるため、連日行列ができる筆者も長年にわたって国内出張し、今現在もほぼ毎月どこかのホテルに泊まっている。

コロナ禍では今より予約しやすかったのに加えて、「GoToトラベル」「全国旅行支援」などによるおトク度が半端なく、京都市内のビジネスホテルで1泊3000円台も珍しくなかった。それが現在、気軽に出張できなくなったことを実感すると共に、それでもできる限りリーズナブルに、出張先のホテルを予約するよう日々努めている。

飛行機より先にホテルを予約

まず、「出張の予定が決まったら真っ先にホテルを探して予約」する。最近では飛行機よりも先にホテルを確保するほどだ。

おおよその予算内で、多少不便でも予約を入れておくことが大事。特に、日本のホテルは宿泊直前までキャンセル無料が大半で、予約だけなら費用はかからない。「宿泊料金は、早めに予約した方が直前予約より安い」ことも多い。複数の予約を入れた際には、キャンセル無料期間内で予約取り消しを忘れないようにしたい。

予約後もホテル探しを継続

「予約後もホテル探しは継続」する。キャンセル無料が多いだけに、ずっと満室状態のホテルに急に空室が出ることも実は結構ある。

公式Webサイトから予約する

同じホテルの同じ宿泊プランでも予約サイトによって金額が異なる場合、できればホテル公式Webサイトからの予約がおすすめ。

海外の予約サイトなどで予約した際、ホテルへ予約が入っているかメールや電話などで宿泊前に問い合わせる、いわゆるリコンファームをすると安心だ。

目的地の最寄りにこだわりすぎない

都市部で便利な場所は、たとえ空室があっても予算超えで断念せざるを得ない場合もある。そんな時には郊外に目を向けると「仕事先から乗り換えが少ない」「駅から徒歩数分以内」など条件のいいホテルが、予算内で見つかることも。

ただし公、公共交通機関での移動は人身事故などで止まることを想定し、「目的地までのルートが複数ある」に越したことはない。JR北海道のホテルチェーン「JRINN」(JRイン)は、立地もJRの駅近など便利なことが多い

インバウンド人気の逆を突くホテル探しも有効

北海道で泊まった温泉民宿の客室。6畳一間でバストイレ共同だが、風呂は温泉、館内はWi-Fi(無料)利用可、客室内に電源が複数あるなど、出張利用もまったく問題なかった都市部以外のエリアであれば、「車や路線バスでないと行きづらい場所」「日本語しか通じない旅館や民宿」、さらに「エクスペディア」「Booking.com」など海外の旅行予約サイトでは予約できない宿泊施設を選ぶと外国人観光客がほぼおらず、宿泊料金もまだ高騰していない可能性がある。

インバウンド客が苦手な場所を探す

地方ほど英語が通じにくくなるため、レンタカーや路線バスなどの利用は外国人観光客にとって日本人以上にハードルが上がる。
青森県で泊まった上北温泉の旅館。朝食付き1泊6000円ほど例えば最近筆者が宿泊した家族経営の旅館は、バス・トイレ共同の客室だが、その分安価で駐車場無料、広々とした温泉の大浴場もある。国内かつ日本人同士のやりとりで、当たり前だがコミュニケーションの問題もないことを考えると、あらためてコストパフォーマンスの高さに気づかされた。出張利用らしき宿泊客も意外と見かけた。

ダイナミックパッケージも選択肢

宿泊代と飛行機や新幹線などの交通費がセットになった「ダイナミックパッケージ」も、選択肢の1つ。別々で手配するより安く、経費精算が楽なこともあり、実際に出張でよく使われている。飛行機利用だと、出発まで1週間を切ると高くなることなどを覚えておくといい。

とにかく今は、出張の際のホテル探しに労力を惜しまず、多少の不便さも受け入れることが肝心。加えて、出張者自身が決して泣き寝入りせず、会社に現状を訴えるのも大事だろう。

この記事の筆者:シカマ アキ
大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに取材、執筆、撮影。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も行う。(文:シカマ アキ)

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