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駅前市場が閉鎖後の「下高井戸駅」も、やっぱり魅力的な街だった。ついにスタバが誕生、映画館や銭湯も

オールアバウト / 2024年12月15日 21時25分

駅前市場が閉鎖後の「下高井戸駅」も、やっぱり魅力的な街だった。ついにスタバが誕生、映画館や銭湯も

下高井戸駅といえば駅前すぐの超ディープ昭和スポット「下高井戸駅前市場」が名物でしたが、2024年3月に市場は閉鎖。現在の下高井戸駅周辺はどうなっているのでしょうか。降りて確かめてみました!

2024年3月、下高井戸駅を出てすぐにある「下高井戸駅前市場」が閉鎖されたというニュースに驚いた人や、一抹の名残惜しさ&寂しさを感じた人も多いのではないでしょうか。同市場は1956年のオープン後70年近くにわたって、ほぼ当時の姿のままで地域住民に愛され続けた昭和レトロスポットでしたが、老朽化などの理由から全店が閉まり、歴史に幕を降ろしました。

それでも街の火が消えてしまったわけではなく、現在も下高井戸の商店街は元気に営業中! 多くの飲食店が並ぶほか、ミニ映画館や個性的な図書館などもあり、少し歩いた先には昔ながらの銭湯もあるなど、今なお昭和の温かみとにぎやかさが息づいています。

下高井戸駅の基本情報:家賃相場はいくら?

下高井戸駅(筆者撮影、以下同)
下高井戸駅からは京王線が利用可能で、都内では貴重な路面電車である東急世田谷線の始発駅でもあります。京王線により新宿などへのアクセスが良いのはもちろん、世田谷線でのんびりと人気スポットの三軒茶屋へ行くこともできます。

周辺の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約8.5万円、1LDKで約13.5万円、2LDKは約18.4万円となっています。(SUUMO、2024年12月2日確認)。世田谷線の反対側にあたる三軒茶屋より1.6〜1.7万ほど安く、京王線で隣の明大前駅と比べても数千円ほど割安。電車の便利さをある程度は確保しつつ家賃も抑えたい時に検討してはいかがでしょうか。

この地域はかつて農村だった場所が、明治時代に複数の村が合併し、関東大震災後には都心からの移住者を受け入れて、現在の住宅街へと発展していきました。なお、「高井戸」という地名には由来が諸説あり、村内の小「高」い場所に「井戸」があったから、「高井堂(たかいどう)不動」という寺社があったことから……などとさまざまに言われています。

駅周辺の市場跡地の今。おしゃれな新スポットにはスタバも入居

駅から出てすぐ、すごい生活感
下高井戸駅は明大前駅のように大がかりな駅ナカ商業施設は少なく、駅を降りたすぐ先が道幅の狭い「下高井戸商店街」となっています。この雑然とした生活感が「下高井戸らしさ」として多くの人から愛されている一方、時には混雑の原因にもなっているようです。

京王線と東急線で駅ビルを共用しています
駅ビルは柔らかい印象の円筒形。

往時のにぎやかさや喧騒(けんそう)を知っている人ほど、この風景には寂しさを感じてしまうかも
その駅前にかつて存在していたのが、下高井戸地域の昭和テイストの核になっていた「下高井戸駅前市場」。現在は整備が進み、跡地は更地になっていて面影もありません。それでも、市場にあったお店の一部は現在も別箇所に移転して営業中のようです。これからも長く頑張ってほしいですね。

おそらく下高井戸エリアで一番おしゃれな外観の建物
昭和の名スポットが去り行く一方、令和の新スポットとして10月に誕生したのが、こちらの「Olive LOUNGE」。下高井戸駅に合わせたような円筒形の外周部がびっしりと緑化されており、複合施設というより小さな公園のような雰囲気です。

フリーランスやノマドワーカーにとっては非常に助かるシェアラウンジ
「TSUTAYA」などで知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)の共同企画により誕生した施設で、ビジネスや勉強に使えるシェアラウンジや「スターバックスコーヒー」などが入居しています。

下高井戸の魅力の大部分は「商店街」に集約

昭和な商店街には昭和な街灯がよく似合います
下高井戸商店街は主に駅周辺や、駅から東西に伸びる日大通り沿いに広がっています。特に日大通り沿いには魅力的な居酒屋、定食屋、街中華など飲食店が多数! 生活感や下町感のある店舗も多く、昭和チックなにぎわいが感じられるスポットです。

夕飯は白米とみそ汁だけ用意して、おかずはここで調達といったご家庭も少なくなさそう
「肉と惣菜の堀田」は、平日夕方には行列ができる名店。ショーケースには「チキンとチーズの大葉巻き」「サーモンフライ」など、おいしそうな揚げ物が並んでいます。

商店街に1軒以上あるとうれしい八百屋さん
「内田青果」はニンジン1パック120円など安価な野菜が並んでいて、こちらも普段使いしたくなります。

こういう店で買った魚を焼いて、おろし大根としょうゆで……
「鮮魚三友」の店先には新鮮で安い魚介がズラリ! こうした「町のお魚屋さん」は今や貴重な存在ですが、ここでは客足が多く、お店の人も生き生きとしています。

猛烈なシュウマイ推しに隠れがちですが、ローストビーフも販売
商店街裏の精肉店「ミートショップ伊藤」ではシュウマイを猛プッシュ中。こちらの方向に開いているお店は少ない中、すごい存在感です。

焼き鳥屋(右)は鶏が大ぶりで、そのほかおつまみもおいしくて良いお店です
また、駅近くの裏路地にある年季の入った建物には、焼き鳥屋・中華そば屋・居酒屋が仲良く並んでいます。ひと晩でこの3軒を全てハシゴする猛者もいそうですね……!

下高井戸スイーツは選択肢がさまざま

こちらのほか、下高井戸の商店街には数軒のカフェが点在しています
下高井戸の商店街はカフェ・スイーツなども良店があまた。こちらの「HEIM(ハイム)」は店内の電球型ライティングがとてもモダンでおしゃれ。流行中のアサイーボウルも販売中です。

芋好きにはたまらないタイプのお店
一方、「経堂小倉庵」は白く爽やかな外観。甘い物好きにとっては「紫芋のスイートポテト」がすごく気になることでしょう。スイートで良い香りが店先から通りにまで漂っており、それに釣られて、平日午後には多くの学生さんでにぎわっています。

たいやきだって立派な和風スイーツ(甘味)です
商店街の南側には、これも年季の入ったたいやき「たつみや」が。こちらと同じビルには居酒屋「たつみ」が入っています。

量販店もいくつか

若干奥まったところにある西友は駐輪場が広め
下高井戸地域には、数は多くないながらも、ある程度の量販店は点在しています。食品などの買い出しでは、駅から少し北東方向に進んだ先にある「西友 下高井戸店」が24時間営業で便利。

こちらも商店街から少し奥に入った所にあります
また、普段使いの洋服を買いたいときは「しまむら 下高井戸店」も。同じ建物にはファミレスの「ガスト」なども入っています。

医薬品だけでなく日用品や一部食品など買うときも便利なスギ薬局
しまむらの先には「スギ薬局」もあります。量販店の少なさは下高井戸駅周辺の難点ですが、上記の店舗や商店街の個人商店などをうまく利用すれば、日々のショッピングも不便なく回せそうですね。

映画館に図書館に銭湯も!

外観は普通の複合ビルという感じですが、階段を上がった先がシアターになっています
下高井戸商店街沿い、もしくは商店街から少し歩いた場所には、休日を楽しく過ごせる施設やスポットも点在しています。その1つがミニシアターの「下高井戸シネマ」。

※ラインアップは取材時点(2024年11月中旬)のものです
上映作品はアート系やドキュメンタリー、過去の名作映画など、小規模なミニシアターならではの通ぞろい! 大型&最新のシネコンとはひと味違う、心に染みる映画体験ができます。

晴れの日は気持ちよく散策できそうですね
商店街を少し離れて、首都高のかかる甲州街道を渡った先にあるのが「杉並区立玉川上水第三公園」。江戸時代に市中へ水を届けるため開削された「玉川上水」を暗渠(あんきょ)化した上に作られた公園で、全長2kmもの細長い緑地になっているので、ゆったり散策にうってつけです。

上層階の一部が突き出ているような形をしていて特に目立ちます
商店街に戻り、駅前から日大通りを西方向へ少し進んだ先には「世田谷区立松沢図書館」が。商店街に面していてアクセスしやすいだけでなく、宇宙船のような建築の一部が樹木の枝葉に覆われており、とても個性的な外観ですね。

こちらのほか、1階の中庭状になった部分には簡単な休憩スペースも
1階には喫茶室もあり、読書や調べ物だけでなく、散歩中の休憩などでも重宝します。

取材時はここでひと風呂入りました。ついつい長湯してしまう名湯です
図書館から日大通りをさらに西へ進み、日本大学文理学部へ入る手前で右折し、住宅街へ少し入った所にあるのが「月見湯温泉」。昔ながらの宮造り建築が魅力のお風呂屋さんです。

世田谷区内でも代表的な銭湯の1つです
銭湯の内部は古い建築や内装を残しつつ、所々がリノベされており、浴室や脱衣所は清潔で設備が充実。サウナや水風呂もあるので「ととのい」を求めるサウナーたちにもおすすめですよ!

下高井戸はより住み良い街へリノベ中

現在も下高井戸の夜はにぎやかです
今後の下高井戸駅は路線の高架化などを予定しており、地域課題だった「狭さ」を改善しつつ、地元コミュニティーが街づくりへ主体的に参加しながら、今後も街の魅力をさらに伸ばしていくそうです。下高井戸駅前市場の閉鎖を惜しむ声は今なお多いですが、これから新しく生まれ変わっていく下高井戸にも期待ですね!

この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール
都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。
(文:デヤブロウ)

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