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「生活防衛費」が必要になるのはどんなとき?

オールアバウト / 2024年12月19日 11時30分

「生活防衛費」が必要になるのはどんなとき?

生活防衛費は「生活費の6カ月から1年分」と言われており、「備えあれば憂いなし」を体現する資金といえます。今回は、なぜ生活防衛費が必要なのか、そしてそれがないとどのような困ったことが起こるのかをまとめます。

「生活防衛費」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、簡単に言えば、緊急時に備えて用意しておく貯金のことです。突然の収入減や予期しない出費が発生した時、家計がすぐに困窮しないようにするためのお金です。

生活防衛費の目安は「生活費の6カ月から1年分」と言われています。まさに「備えあれば憂いなし」を体現する資金といえるでしょう。今回は、なぜ生活防衛費が必要なのか、そしてそれがないとどのような困ったことが起こるのかをまとめます。

生活防衛費がないと困るのはどんなとき?

生活防衛費が準備されていないと、どのような困ったことが起こるのでしょうか。

1:失業で収入が途絶えたとき

失業によって収入が途絶えると、日々の生活費をどうやってまかなうかという深刻な問題に直面します。2023年(令和5年)に行われた「労働力調査(詳細集計)」によれば、失業期間が3カ月未満の人は82万人で前年より7万人増加しています。また、3~6カ月未満の失業者は32万人で、こちらも4万人増加しました。

一方で、6カ月~1年未満の失業者は22万人、1年以上失業している人は59万人で、それぞれ減少傾向にあります。しかし、これらの数字からも分かるように、失業が短期間で終わる保証はなく、長期にわたって無収入となるリスクが存在します。

失業時に頼れるのは失業手当や公的な支援制度ですが、これらの支援も一定期間しか続かず、全ての生活費を補うことはできません。そのため、生活防衛費を事前に用意しておくことが重要です。失業期間が予想以上に長引いた場合にも、数カ月分の生活費があれば、次の仕事を探す余裕が生まれ、生活の安定も保つことができます。

2:突然の病気やケガ

突然の病気やケガで一時的に働けなくなることもあります。民間の保険に加入している場合でも、保障される金額は必ずしも十分ではないことが多いです。保険金で補てんできない治療費や、通院等の交通費は自分で負担することになります。一方で、会社を長期に休むことになれば、収入が減ることも珍しくありません。このような状況で、生活防衛費があれば、収入の一部を補填(ほてん)することができます。

また、長期療養になれば、健康保険からは傷病手当金、業務中や通勤途中の事故であれば労災保険から給付金が受け取れ、障害を負った場合には障害年金の対象にもなります。ただ、どれも毎月の給与額ほどは受け取れません。万が一に備え、生活防衛費があれば心強いでしょう。

3:自然災害で収入がなくなる

日本は地震や台風など自然災害が多い国です。もし、大災害が起きて、住まいや職場が被害を受けてしまえば、しばらく収入が得られないこともあるのではないでしょうか。

しかし、災害が原因で一時的に仕事ができなくなっても、生活防衛費があれば、必要最低限の生活費は確保できます。

災害時には「被災者生活再建支援金」などの公的支援もありますが、支給される金額は限られていますし、実際に給付を受けるまで時間を要する場合もあります。そんなときも、生活防衛費の備えがあれば不安を感じず生活を支えることができるでしょう。

まとめ

生活防衛費がないと、予期せぬ事態に対応できず、家計が一気に困窮してしまう可能性があります。失業、病気、自然災害などは誰にでも起こり得ることです。いざという時に困らないように、今から少しずつ生活防衛費の準備をはじめましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))

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