現行の五千円札が「48万円」に大化け! 今からでも探せる高額になる“レア紙幣”の特徴は
オールアバウト / 2024年12月14日 21時50分
2024年11月16日に開催された、第36回銀座コインオークションから、五千円札の落札結果を取り上げます。いったいいくらになったのか、そしてなぜ高い金額が付いたのか解説していきます。高額の秘訣(ひけつ)は、AーA券かつ若い番号にあります。
現在も流通し、利用している人も多い樋口一葉の五千円札。2024年11月16日に開催された、第36回銀座コインオークションでは、五千円札がまさかの42万円(落札手数料込みで48万9300円)で落札されました。
実に額面金額の80倍以上で落札されたわけですが、一体なぜこのような高額落札となったのでしょうか?
高額落札された五千円札の特徴3つ
今回落札された五千円札の記番号は、最初がA、最後がAとなっています。いわゆる「AーA券」と呼ばれるものです。AーA券だけであれば数多く存在しますが、さらに注目したいのは、番号部分。落札された五千円札は、なんと「000010」、つまり10番目に発行されたAーA券なのです。マニアにはたまらない、“AーA券かつ若い番号”のものであり、非常に高値になることが知られています。
しかし、「えっ? 10番などの若い番号は関係各所に収納されるのでは?」と思う人もいるかもしれません。確かに、新紙幣の発行の際には、紙幣に描かれた人物に由来する場所に寄贈されるため、まずAーA券の若い番号は入手不可能です。
今回のポイントはもう1つあるのです。それは、記番号が茶色(褐色)であること。実は紙幣には、発行時期によって異なる色の記番号が印字されています。樋口一葉の五千円札は2004年11月1日に発行が開始されましたが、最初に発行された記番号は黒色でした。そして、ホログラムの形状が楕円形でした。
その後、2014年5月12日から記番号が茶色(褐色)のものが発行されるように。ホログラムは四角形へ変更となりました。これは、視覚障害者にとって、一万円札と五千円札を明確に識別できるようにするための配慮です。それぞれの触感の違いによって識別性を向上させました。
今回落札された五千円は、AーA券ではあるものの、2004年発行ではなく後から発行された2014年発行の初期のものとなります。そのため、関係各所にて保管されている2004年発行のものではないため、市場に出回ったと考えられます。
番号が若いほど高額になる傾向が
今回の銀座コインオークションでは、同じく記番号が茶色(褐色)の五千円札で、AーA券の「000056」も出品されました。こちらも若い番号である56番。しかしながら落札価格は18万円(落札手数料含め20万9700円)でした。これでも十分額面から見れば高額落札ではあるものの、若い番号であればあるほど高額となる傾向があります。仮に後で発行されたものであっても、番号が1番のものなどがもし出回ったとするならば、さらに高額になることでしょう。
さすがに、10番や56番は相当運がよくないと見つけることはできないものの、新紙幣の「AAーAA券」は探せる可能性があります。もしも、新紙幣のAAーAA券で、かつ若い番号のものが入手できたとしたら、“宝くじ並み”になる可能性があります。
「新紙幣発行時にすでに出回っているでしょ?」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。なぜなら、AAーAA券はほとんど出回っていないようにも思われるからです(いったいどこにあるのか不思議です)。もしかしたらATMなどから発見できることもあるかもしれません。紙幣を両替した際には、要チェックですね。
<参考>
・第36回銀座コインオークション「Lot番号:417 樋口一葉5000円 茶番 1桁 A000010A 平成16年~(2004~)」
・第36回銀座コインオークション「Lot番号:418 樋口一葉5000円 茶番 1桁 A000056A 平成16年~(2004~)」
伊藤 亮太プロフィール
慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。(文:伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド))
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