栄養バランスは後回しでOK？ 風邪をひいたときの食事のコツ【管理栄養士が解説】

【管理栄養士が解説】風邪を早く治したいとき、食事のコツはあるのでしょうか？ 実は栄養バランスや食事にこだわるのは、回復期に入ってからで大丈夫。風邪症状でつらいときの、食事のコツと考え方をご紹介します。

Q. 「風邪を早く治せる食べ物」を教えてください

Q. 「風邪を少しでも早く治せる食べ物はありますか？ なるべくいろいろな栄養をとったほうが早く元気になれると思って、普段以上に食べなくてはと思っているのですが、食欲もあまりなくつらいです。効率よく、回復に役立つ食べ物があれば教えてください」

A. 「水分補給をして休む」が鉄則！ 栄養バランスは後回しで大丈夫です

風邪を治せる薬や食べ物はありません。早く回復するために、栄養のあるものをしっかり食べようと考える方は多いのですが、食事のバランスを考えるのは、回復期に入ってからで十分です。風邪の症状がつらい時期なら、栄養バランスは二の次！ 水分補給をして、しっかり休むことが、早い回復の鉄則です。

何か食べられそうなら、「カロリーが高く、食べやすいもの」を選びましょう。最も手軽なのは、むくだけで食べられてカロリーも高いバナナ。あとはお粥や雑炊はもちろん、アイスクリームも食べやすく高カロリーなので、おすすめです。高級なアイスのほうがより効率よくカロリーをとることができます。

水分補給には、スポーツ飲料のほか、免疫力を高めるビタミンCもとれる緑茶や、オレンジジュースなどもよいでしょう。ジュースの場合は、糖分のとりすぎには注意が必要です。

食欲がないときは、無理をして食べる必要はありません。栄養バランスや食事のことを考えるのはいったん後回しにして、できる限りゆっくりと体を休めることを優先させてください。

平井 千里プロフィール

メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院（博士課程）修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
(文:平井 千里（管理栄養士）)