57歳から65歳まで厚生年金に加入しながら月収14万円のパートを続けると、将来もらえる老齢厚生年金はいくら増えますか?
オールアバウト / 2024年12月24日 18時30分
年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、現在57歳の方が月収14万円のパートを8年間続けると、将来どのぐらい年金が増えるのかについて、専門家が説明します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、現在57歳の方が月収14万円のパートを8年間続けると、将来どのぐらい年金が増えるのかについてです。
Q:57歳から65歳まで厚生年金に加入しながら月収14万円のパートを続けると、将来もらえる老齢厚生年金はいくら増えますか?
「現在57歳、扶養内で働いていますが、来月から月収14万円のパート(厚生年金加入)を65歳まで続ける予定。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えますか?」(とんきちさん)A:年額約7万3665円(月額約6139円)、老齢厚生年金を多く受給できます
日本の公的年金制度は、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)の2階建てで構成されています。自営業やフリーランスが加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2種類があります。厚生年金に加入すると、自動的に国民年金にも加入することになります。厚生年金加入者は、老齢基礎年金(1階部分)に、老齢厚生年金(2階部分)が上乗せされた老齢年金が受給できます。老齢年金受給額の計算方法は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で異なります。
老齢基礎年金は、収入金額にかかわらず、国民年金保険料を支払った期間や免除期間などの期間によって計算されますが、老齢厚生年金は、厚生年金保険料を支払った期間と、現役時代の収入(厚生年金の加入期間の収入、つまり標準報酬月額・標準報酬額)によって計算されます。
老齢厚生年金受給額の計算
相談者が、57歳から65歳になるまでの8年間、厚生年金に加入して、パートで収入を得た場合の年金受給額は、老齢厚生年金に影響することになります。老齢厚生年金受給額を計算するときには、厚生年金に加入していた期間によって下記の2つの計算式に分かれており、合計した金額となりますa:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数
b:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数
(※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率が異なります)
相談者が57歳から8年間、月額14万円でパートとして厚生年金に加入した場合
では相談者が、57歳から8年間(96カ月間)、平均月収14万円で厚生年金に加入した場合、老齢厚生年金がどれくらい増えるのか計算をしてみます。【b:平成15年4月以降の加入期間】の計算式を用います(平均標準報酬額を14万円として試算)。14万円(57歳からの平均標準報酬額)×5.481/1000×96カ月≒7万3665円
したがって57歳から、平均月収14万円で、パートとして厚生年金に8年間加入すると、年額約7万3665円(月額約6139円)が、老齢厚生年金に一生涯、加算されてもらえることになります。
国民年金保険料は20歳から60歳になるまでの40年間支払う必要がありますが、もし相談者に未納期間がある場合、60歳以降も厚生年金に加入して保険料を負担すると、相当額が経過的加算として加算されることになります。
老齢年金は、一生涯受け取れますので、老後生活の大切な支えとなります。健康で働くことで、少しでも多くの年金を受け取れると、将来の不安が和らぐのではないでしょうか?
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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