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33歳貯金1400万円。精神的に疲れてしまいパートに。これから住宅ローン返済が始まります

オールアバウト / 2024年12月25日 22時20分

33歳貯金1400万円。精神的に疲れてしまいパートに。これから住宅ローン返済が始まります

住宅ローンの返済が始まるが今後3人目の子どもを希望しても大丈夫か知りたいという33歳のパートの女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

家にかかる費用も心配です。この状態で3人目の子を希望して大丈夫でしょうか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、住宅ローンの返済が始まるが今後3人目の子どもを希望しても大丈夫か知りたいという33歳のパートの女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

りりさん
女性/パート・アルバイト/33歳
関西/借家

家族構成

夫(37歳)、第1子(6歳)、第2子(4歳)

相談内容

正社員で働いておりましたが精神的に疲れてしまい退職しました。今は、子どもたちとゆっくり過ごせるよう、扶養内でパート勤務しています。

しかし、もうすぐ一戸建てが完成し住宅ローン返済が始まることや、3人目を希望していることを考えると、私の収入が減ってしまったことが不安で仕方ありません。

来年4月からは小学生になる子どもをサポートしつつ、専業主婦の予定ですが、月数万円でも収入を得られるように検討しています。一段落したら、扶養内パートを考えています。

一番の不安は、この状態で3人目を希望して大丈夫なのか、家にかかる費用を管理していけるのか、専業主婦でもやっていけるのかが不安です。

お忙しい中恐縮ですが、アドバイスよろしくお願い申し上げます。

家計収支データ

りりさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「りり」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道
特別費(家族誕生日やクリスマス、旅行代など)や保険料など。それ以外は貯金予定。

(2)投資について
NISA(夫名義)を開始しました。来年度からは私の口座でもはじめる予定です。

(3)住居費について
・購入価格:3800万円
・ローン借入額:2700万円
・借入金利:変動金利0.5%(団信、三大疾病保障あり)
・返済期間:35年
・毎月の返済額:約7万円
・ボーナス払いなし

※固定資産税や火災保険は金額が未定のため、予測です。
・固定資産税:約12万円
・火災保険(5年):約15万円

(4)自動車について
2台所有しており、ミニバンと軽自動車です。

ガソリン代が月2万円、自動車税3000円、車検代3000円、自動車保険3000円を積立貯金しています。

買い換え予定は、
・ミニバン=約10年ごとに予算300万円
・軽自動車=約10年ごとに予算190万円

(5)加入保険について
夫/
・定期保険(60歳満了、死亡保障1000万円、収入保障:月額18万円)=毎月の保険料7500円
・医療保険(終身タイプ、60歳払済、入院日額3000円、120日型)=毎月の保険料3300円

相談者/
・医療保険(定期タイプ、掛け捨て、入院一時金10万円)=半年払い保険料1万円

第1子/
・学資保険(10歳まで払込、18歳満期100万円)=毎月の保険料7500円
・学資保険(18歳まで払込、18歳満期120万円)=毎月の保険料5200円

第2子/
・変額保険(20年満期。満期受取額300万円)=毎月の保険料1万2000円

その他/
夫妻で加入:変額年金(2019年開始、予定利率3.5%)=毎月の保険料1万4000円

主人と私の保険は見直し予定ですが、正直今の家計ではこれ以上の余裕がありません。

(6)働き方について
夫は定年65歳、退職金あり(はっきりわかりませんが800万円くらいとのこと)。主人は60歳で退職し、家業をやりたいようです。

(7)子どもの進路について
高校まで公立、大学は一応私立文系を想定。都心で1人暮らしするイメージでいます。5万円を仕送りで渡せればいいなと思っています。

(8)公的年金について
厚生年金加入月は夫204カ月、相談者108カ月。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:子ども3人の教育費を考えると、現状の収入キープが必須
アドバイス2:65歳定年後の働き方、収入は夫婦でよく相談を
アドバイス3:保険は必要十分な保障に見直しを

アドバイス1:子ども3人の教育費を考えると、現状の収入キープが必須

いろいろな不安が重なり、あれもこれも心配になるお気持ち、わかります。精神的に疲れて退職し、収入が減ったことも、住宅ローンの返済が始まることも、後戻りはできませんから、今後、どのように家計管理、マネープランを立てればいいのか、前向きに考えていきましょう。

今、優先すべきなのは、子ども2人の教育費です。現在、貯蓄が1400万円あり、学資保険、学資保険代わりの変額保険が520万円ありますから、子ども2人の大学までの教育費はまかなうことができるでしょう。ただ、3人目のお子さんをご希望されていますので、そうなると少し事情は変わってきます。

教育費を概算で計算してみます。中高で300万円、大学で500万円として、1人あたり800万円が必要です。3人で2400万円。また大学進学後は仕送りとして月5万円を予定されていますので、年間60万円。4年で240万円。3人分で余裕をみて750万円が必要です。教育費と仕送りで3150万円は必要ということです。これに、高校、大学受験のための塾代などが加算されると、3人で4000万円ほどは見込んでおきたいところです。

さらに、車を今後10年ごとに買い換えるとして、生涯で4回。2台分の予算を500万円とすると2000万円、400万円でも1600万円が必要となります。このほか、家電の買い換えや、住宅のメンテナンス費用もいずれ必要になってくるでしょう。

教育費が最優先ですが、今後、必要となるお金を合計すると概算でも5000万円ということになります。

現在の貯蓄が1400万円ですから、残り3600万円をご主人が60歳になる23年間で確保しなければなりません。単純に計算して、年間で150万~160万円の貯蓄が必要ということです。

ただし、3人目の妊娠、出産、育児で3年ほどは、ご相談者の収入はなくなり、現実的には貯蓄はできないと考えられます。都合20年間で3600万円貯めるとなると、年間の必要貯蓄額は180万円ということになります。ボーナスから50万円貯蓄、残り130万円は毎月の貯蓄、つまり毎月10万円以上は月々の家計から貯蓄していく必要があります。

現時点では、毎月7万5000円の貯蓄ができているとのことですが、3人目を出産し、3年後には手取り年収150万円ほど得られる働き方をしなければ、毎月10万円の貯蓄は難しいでしょう。3年間は子育てに専念するとしても、その後、収入をどれだけ得られるかが判断のポイントとなるでしょう。少なくとも現状と同レベルの収入を維持する必要はあります。

アドバイス2:65歳定年後の働き方、収入は夫婦でよく相談を

また、厳しい話にはなってしまいますが、年間180万円の貯蓄ができたとしても、子どもの教育費や車の買い換え、家のメンテナンス費用などで使い切ってしまう可能性が高く、60歳時点での金融資産は、あまり残っていないかもしれません。老後資金はご主人の退職金800万円のみとなります。

アドバイス1での試算には加味していませんでしたが、学資保険、変額保険の満期金520万円を教育費で使っていなければ、その分も老後資金として残りますが、いずれにしても、夫婦2人の老後資金としては、少し心許ない金額です。

ご主人が65歳時点で、子ども3人が独立していれば、生活コストはかなり下げられているはずですから、収支が赤字にならずに生活できれば問題ありません。ただ、公的年金の受給開始は65歳ですから、この5年間で、貯蓄を取り崩していくことになると、いざというときの対応は厳しくなる可能性はあります。

まだ夫婦ともに若いので、60歳以降、65歳以降の働き方や生活のイメージをするのは難しいかもしれませんが、3人目のお子さんを希望されるのであれば、ご夫婦の老後の生活も含めて、じっくりと話し合いをされたほうがいいでしょう。住宅ローンの返済もご主人が72歳まで続くことも忘れないでください。

ご主人は60歳で退職され、家業に就くのであれば、長く働くこと。ご相談者は復職する際に、収入もさることながら、将来の公的年金額を増やすために、できれば厚生年金に加入できる働き方、勤務先を選択することも重要です。

アドバイス3:保険は必要十分な保障に見直しを

現在の家計で、それほど無駄なものはありませんが、保険だけは見直しを検討してください。ご主人の定期保険ですが、死亡保障1000万円のほか収入保障もあり、保険の内容としては矛盾があります。再度、契約内容を確認してください。

もし、死亡保障が1000万円であれば、少し保障が不足します。住宅ローンは団信で相殺されますが、まだお子さんが小さいので、新規に死亡保障1500万円、20年の定期保険に加入してください。加えて、ご相談者は復職したら、死亡保障1000万円、保険期間20年の定期保険に。保険料は夫婦合わせて7000円程度におさまるはずです。

また、現在、ご相談者が加入している医療保険の入院日額が不明ですが、入院日額5000円が出るようなら、現状のまま。入院一時金のみであれば、新規に加入し直してください。

さらに、変額年金については、子どもの教育費の確保が優先なので、払い済みとし、以降の保険料支払いはストップしてください。

これらの見直しができれば、必要十分な保障を確保したうえで、毎月の保険料は2万円程度削減できるようになります。当然、この浮いたお金は貯蓄に回すようにしてください。

投資については、NISAは余裕があれば、利用するのも1つの考え方です。しかし、繰り返しになりますが、今、優先すべきなのは、3人の子どもの教育費です。経済的な不安を抱えながら、投資にシフトするのは、あまりおすすめできません。

厳しいアドバイスになったかもしれませんが、3人目をとのご希望を叶えるためには、車の買い換え予算を抑える、ご相談者は収入アップの道を検討する、夫の将来的な働き方を考えることです。そして何よりも、ご主人の家事・育児のサポートが絶対、欠かせないことも、お伝えしておきますね。

相談者「りり」さんから寄せられた感想

主人と回答を拝見しました。正直、今まで貯蓄や家計のやりくりを頑張ってきたこともあり、なんとかなるんじゃないかと思っていたところもありました。将来について、2人で話し合えるいい機会になりました。今後の働き方や、お金をかけるべきところを相談しながら主人と頑張っていこうと思いました。このたびはありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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