男女で異なる「年の差恋愛」への価値観……日本ならではの“根強い価値観と国民性”が原因?
オールアバウト / 2024年12月23日 21時50分
日本では特に、「年の離れた、年下の相手との恋愛」において、男性と女性では感覚が違うところがあります。なぜ男女で価値観の差が生まれるのか、原因を解説します。
日本では特に、「年の離れた、年下の相手との恋愛」において、男性と女性では感覚が違うところがあります。なぜ男女で価値観の差が生まれるのでしょうか。時代と共に恋愛観も変わっていく必要がありそうです。
「年上女性と年下男性」カップルは成立しにくい?
まず、大前提としてお伝えしたいことは、「恋愛に正解はない」ということです。相手がかなり年上でも年下でも、互いに「相手を思う気持ち」があれば、恋愛関係は成立します。自分たちが納得できる関係であれば、「一般的」である必要はなく、何の問題もありません。とはいえ、特に日本では、年上の男性が年下の女性へのアプローチに積極的であっても、「女性が年上」の場合は、年下の男性へのアプローチを躊躇(ちゅうちょ)することは少なくありません。また現実的にも、年の離れた人との恋愛は、「男性が年上のケース」の方が多いものです。
そこには、どんな要因が隠されているのでしょうか。
要因1:恋愛の先に「結婚」があるかどうか
恋愛をするにあたり、「その先に結婚を見据えているのか」によっても、随分変わってきます。その場合は、「子どもがほしいか、どうか」も重要なポイント。実際は若い夫婦であっても、子どもができないこともあるので、年齢だけが問題ではないのですが、一般的に「子どもができる年齢」は男女で違います。男女どちらでも、年をとる分子どもはできにくくなり、さらに生まれてくる子どもに支障が出るリスクは高まりますが、男性の場合は60歳以上でも、子どもを授かることはあります。だから、年下の男性が子どもをほしいと思っている場合、年上の女性は子どもを産める自信がないと、関係を諦めてしまうことは、現実的にあります。
本来は、「子どもをつくることを前提にした結婚」よりも、子どもができようができまいが、「共に人生を歩みたいと思える同士の結婚」であった方がいいものですが、結婚に対する価値観は人それぞれ。相手と結婚観が合わないときは、どんなケースであれ、関係を維持するのは難しくなるでしょう。
要因2:恋愛は性的行為が絡んだ関係性であること
恋愛においては、「性的な関係をどれだけ求めるのか」「心の交流とどっちを優先するのか」「見た目と中身、どちらを重視するのか」も、大きな要因になります。年を重ねると、太りやすくなったり、筋肉が落ちたりするし、老化も進むもの。生物的な観点でいっても、「体の状態がいい年齢」というのは、現実的にあります。
恋愛において“性的な関係を重視する人”にとっては、「性的に魅力的な相手かどうか」というのは、大きなポイントになってきます。性的な好みは「個人差」があるので一概には言えないのですが、男女限らず、性的な関係を持つ相手は「若々しい肉体を持っている相手の方がいい」と感じることは少なくありません。
また「性欲の強さ」も人それぞれですが、一般的に「女性よりも男性の方が性欲が強い」と認識されているところがあり、「男性の性欲を満たせるのか」の方を重視される傾向があります(※それを正しいと言っているわけではありませんが)。
そのため、年上の女性の場合は、「自分の体への自信のなさ」「相手の性欲を満たす必要性」を考慮すると、年下の男性との恋愛を躊躇しやすくなることはあるのです。
逆に男性の場合は、個人差はありますが、「若々しい相手」の方が性的にそそる場合が多いことや、特に40代以上の人は「男は見た目じゃない」という認識を持ちやすいことから、年の離れた若い人にも積極的にアプローチをする傾向があります。
要因3:根強い価値観と国民性
時代と共に価値観は変わってきてはいますが、昔から日本では、年の離れた「年上の男性と年下の女性」と「年上の女性と年下の男性」のカップルでは、前者を好意的に見る傾向があります(※それがいいことだと言っているわけではありません)。それもあって、年上の男性は年下の女性に躊躇なくアプローチしやすいところがあるのです。そこには、「日本人に根強くある、男女に対する価値観」「 “空気感”に影響を受ける、日本人ならではの国民性」が関係していると言えるでしょう。
個人的には男女差別をする気はありませんが、昔から日本では「夫が妻や子どもを守る(男性が女性を守る)」ことが一般的なことだと考えられてきました。だから、今は死語になりつつありますが、「(女性を守れるほどの)男らしさ」「(男性が守りたいと思うほどの)女らしさ」が大事にされてきたところもあります。
現代は、男女共に社会進出して働いているので、どっちが守っても、守られてもいいのですが、現代でも親の世代、さらに祖父母の世代から続く「男女に対する価値観」が根強く残っているのは事実です。
さらに、日本人には独特の同調圧力があり、“空気”を読む性質があるため、それが「正しい、正しくない」というのは関係なく、「“そういうものなのだ”という、ふんわりとした価値観」がはびこっています。それにより、一般的に少ない、「年の離れた、年上の女性と年下の男性」のカップルは受け入れられにくく、成立しにくいところが現実的にあるのです。
「愛があれば、年の差なんて!」が理想だが……
「愛があれば、年の差なんて!」とも言いますが、2人の間に本当の愛があれば、それ以上に大事なことはありません。ただし、それはあくまでも「好きになった相手が、たまたま年が離れていた」場合であることが多いもの。わざわざ「若い異性を追い求める傾向が極端に強い人」の場合は、その人自身に何かしらの内面的な問題を抱えているケースもあります。例えば、若さを失った自身へのコンプレックスや虚栄心、未熟な精神が隠されていることも。
あくまでも個人的な意見ですが、男女限らず「自分のことは棚に上げて、年を取った同世代の異性をさげすみ、若い異性を追い求める行為」は、美しくありません。さらに、気に入っている若い異性が、「仮に自分と同じ年であったとしても、好きだと思えるのか(=ただただ純粋に、その人のことを好きでいるのか)」は、重要なことです。
「若いから好き」というのは、表面的な相手しか見られていないし、本当に愛したら、「年を重ねて老いていく姿」でさえも愛しさを感じるものだからです。
特別に「年の差恋愛」を推奨しているわけではありませんが、互いに相手の年齢なんてどうでもよくなるくらいに惹かれ合って恋愛をするのはすてきなこと。そこに「愛」が存在しているのであれば、年の差のある「年上の女性と年下の男性」カップルも、もっと受け入れられる世の中になっていってもいいでしょう。
「一般的であること」にこだわることなく、すてきな恋愛をしていきたいものですね。
(文:ひかり(恋愛・人間関係ガイド))
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