PS5 Proを購入したのですが、Wi-Fi 7に対応した無線LANルータに買い替えた方がいいでしょうか？

オールアバウト / 2024年12月22日 21時25分

PlayStation 5 Proを使用するにはWi-Fi 7対応ルータを使用した方がいいのか、LAN／無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。

Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eに次ぐ次世代のWi-Fi規格・Wi-Fi 7。いまだ対応製品は少ない状況ですが、PlayStation 5 Pro（以下、PS5 Pro）がWi-Fi 7対応機器として販売されました。

PS5 Proを使用するにはWi-Fi 7対応ルータを使用した方がいいのか、LAN／無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。

（今回の質問）
Wi-Fi 7に対応したPlayStation 5 Proを購入したのですが、Wi-Fi 7に対応した無線LANルータに買い替えた方がいいでしょうか？

（回答）
PlayStation 5 Proの「インターネット接続を診断」で600Mbps程度が出れば、特にWi-Fi 7の無線LANルータに買い替える必要はないでしょう。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

PS5 ProでWi-Fi 7の速度を体感できるのか？

2023年末に日本で解禁されたWi-Fi 7ですが、いまだ対応製品は少ない状況。そんな中、2024年11月7日に販売が開始されたPS5 ProがWi-Fi 7に対応しました。高度なグラフィックスなどが特徴的なPS5 Proにて、Wi-Fi 7の性能をゲームで生かせることができるのでしょうか。

そこで、Wi-Fi 7に対応したBUFFALO社のWXR18000BE10PとWi-Fi 6に対応した同じくBUFFALO社のWXR-6000AX12Sを用意して、世界中のプレーヤーと戦えるオンラインレースを試してみました。

結論から言うと、Wi-Fi 6からWi-Fi 7に変更してもスポーツのデイリーレースで機敏な動きになったり、マルチプレイのパドックで特に動きが滑らかになったということは感じられませんでした。また、有線接続と筆者の環境のWi-Fi 6の接続を比較しても差異はないように思います。

また、PlayStationのコンテンツ配信サービスであるPlayStation Storeやサブスクリプションサービス・PlayStation(R)Plusでゲームのダウンロードも試してみました。結果ですが、そもそもダウンロード速度が250~300Mbpsなので、Wi-Fi 6からWi-Fi7に変更しても、ダウンロードに要する時間は変わりませんでした。

実際Wi-Fi 6とWi-Fi 7で速度はどれくらい違う？

それでは、Wi-Fi 6やWi-Fi 7のダウンロード速度は、どのように違うのかを実際に計測してみましょう。契約プロバイダは、光回線10Gコースです。

Wi-Fi 7

・PS5 Proの「設定」→「ネットワーク」→「接続状況」→「インターネット接続を診断」：925.5Mbps

・PS5 Proでブラウザを開き、速度測定サイトにて計測：951.5Mbps

Wi-Fi 6

・PS5 Proの「設定」→「ネットワーク」→「接続状況」→「インターネット接続を診断」：615.1Mbps

・PS5 Proでブラウザを開き、速度測定サイトにて計測：673.1Mbps

共に、Wi-Fi 7の方が200～300Mbps程度高速であることが分かります。しかし、実際のオンラインレースで、その高速性が感じられるかというと、体感はありませんでした。要するにWi-Fi 6で600～670Mbps程度出ていれば、それ以上の高速性は現状必要ないと思われます。

もっとも、Wi-Fiの速度が600Mbps以下の場合は、Wi-Fi 7にすれば、快適になる可能性は十分にあります。Wi-Fi 6でも処理能力の低い機種を使っている場合は、PS5 Proの「インターネット接続を診断」で速度を計測してみるとよいでしょう。

ただ、契約しているプロバイダが遅い場合は何ともならないので、有線で接続して600Mbps以上は出ることを確認してください。

また、現状Wi-Fi 5対応以下の無線LANルータを利用している場合は、相当速度の低下を来していると思いますので、Wi-Fi 7対応の無線LANルータへの買い替えをおすすめします。本検証は、現在のPlayStation Networkでの検証ですから、今後高速なサーバーが用意され新しいサービスが始まったときには、Wi-Fi 7の高速性を生かせる可能性も高いと思われます。そのために、あらかじめWi-Fi 7の無線LANルータを用意しておくのもよいでしょう。

この記事の筆者：岡田庄司
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。
(文:岡田庄司)