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特別支給の老齢厚生年金を60歳に繰り上げすると減額率はどのぐらいになりますか?

オールアバウト / 2024年12月30日 18時30分

特別支給の老齢厚生年金を60歳に繰り上げすると減額率はどのぐらいになりますか?

年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金の繰上げ受給についてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金の繰上げ受給についてです。

Q:特別支給の老齢厚生年金を60歳に繰り上げすると減額率はどのぐらいになりますか?

「特別支給の老齢厚生年金は、繰上げ受給できるのでしょうか? 特別支給の老齢厚生年金を60歳に繰り上げすると減額率はどのぐらいになりますか?」(50代・女性)

A:特別支給の老齢厚生年金も60歳から繰上げ受給できますが、老齢基礎年金も一緒に繰り上げする必要があります。特別支給の老齢厚生年金も1カ月早く受け取るごとに0.4%減額されます

65歳前に受け取ることのできる特別支給の老齢厚生年金も繰上げ受給ができます。繰上げ受給をすると、1カ月早く受け取るごとに0.4%減額されます(昭和37年4月1日以前生まれの人の減額率は0.5%)。特別支給の老齢厚生年金を繰り上げするときには、同時に老齢基礎年金も繰上げ受給する必要があります。

相談者は令和6年現在50代の女性とのことですので昭和40年生まれの59歳と仮定すると、厚生年金の加入期間が1年以上あるなどの受給要件を満たしていれば、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

60歳から繰り上げした場合の減額率と年金額について計算してみます。

65歳からの特別支給の老齢厚生年金は年額81万6000円、老齢基礎年金は年額81万6000円(令和6年度の満額)と仮定して計算します。

・特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金は、48カ月(4年)早く繰上げ受給することになりますので19.2%(0.4%×48カ月)減額され、約年額65万9330円になります。

・老齢基礎年金
老齢基礎年金は60カ月(5年)早く繰上げ受給することになるので24%(0.4%×60カ月)減額され、年額62万160円になります。

相談者が60歳から繰り上げしたときの概算の年金受給額は、65万9330円(特別支給の老齢厚生年金)+62万160円(老齢基礎年金)=127万9490円になります。

繰上げ受給した減額率は一生変わりません。繰り上げ請求した時点の減額率で計算された年金を、一生受け取ることになります。64歳から65歳になるまでもらえる特別支給の老齢厚生年金と65歳から生涯もらえる老齢厚生年金は同額です。繰上げすると生涯同じ減額率になります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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