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65歳になる夫の給与と企業年金を含めた年金の総合計は50万円を超えてしまいますが、企業年金も在職老齢年金の計算に含めますか?

オールアバウト / 2025年1月1日 18時30分

65歳になる夫の給与と企業年金を含めた年金の総合計は50万円を超えてしまいますが、企業年金も在職老齢年金の計算に含めますか?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、在職老齢年金の計算についてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、在職老齢年金の計算についてです。

Q:65歳になる夫の給与と企業年金を含めた年金の総合計は50万円を超えてしまいますが、企業年金も在職老齢年金の計算に含めますか?

「65歳になる夫の給与は30万円、年金額は月16万円(加給年金含む)。企業年金は月5万円。この場合、在職老齢年金の計算をすると、総合計で50万円を超えてしまいますが、企業年金も年金収入に含まれますか?」(匿名さん)

A:企業年金の「代行年金(国の代行部分)」のみが在職老齢年金の計算に含まれます

在職老齢年金制度とは、60歳以上の人が厚生年金に加入して働く場合、老齢厚生年金の報酬比例部分の月額(基本月額)と、総報酬月額相当額(給与の他、残業代や通勤手当や住宅手当などの各種手当、ボーナスの1/12)を足した金額が支給停止基準額50万円(令和6年度)を超えると、老齢厚生年金が一部または全額が支給停止となる仕組みのことです。

企業年金は、「代行年金(国の代行部分)」と「基金独自の上乗せ年金」の2つの要素から成り立っています。

在職老齢年金の計算に含まれるのは、企業年金は「代行年金」のみになります。

相談者が月16万円もらっている年金額の内訳を以下と仮定します。
・老齢基礎年金/月6万8000円
・加給年金額/月3万4000円
・老齢厚生年金/月5万8000円

それから、企業年金の代行年金は仮に月4万8000円とします。65歳以降の在職老齢年金の計算に含めるのは、老齢厚生年金である月5万8000円、企業年金の代行年金月4万8000円です。このとき、老齢基礎年金や加給年金額は、在職老齢年金の計算には含めません。

相談者の月給は30万円とのことなので、標準報酬が30万円、賞与はなしとします。

在職老齢年金の支給停止を判断する計算式は以下のようになります。

総報酬月額相当額30万円+老齢厚生年金5万8000円(月額)+企業年金4万8000円(月額)<支給停止基準額50万円(令和6年4月より)

この場合は、支給停止基準額の50万円を超えていませんので、65歳以降、在職していても年金は全額支給されます。もし50万円超えている場合は超えた分の2分の1の額が支給停止となり、老齢厚生年金月額から差し引かれます。

ここでは代行年金(国の代行部分)を4万8000円として計算しましたが、正確な数字を確認して計算してみてください。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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