台湾の「衝撃トイレ事情」。古い施設ではペーパーが“男女共用”、入り口で取ってから個室に入る!?
オールアバウト / 2025年1月4日 21時25分
ここ最近、進化した台湾のトイレ。とはいっても外国なので、日本と全て同じ、というわけにはいかず、いくつか注意しなければいけない点もあります。台湾の最新トイレ事情を、現地在住の筆者がご紹介します。
台湾で長く暮らしていると、ここ数年で「トイレが大きく進化した」と感じます。10年以上前は、紙を流すことができないようなトイレが大半でしたが、現在はそうでもない上に、ダイソンなどの最新のハンドドライヤーが備え付けられているところも。今の台湾のトイレ事情を、現地在住の筆者が解説します。
ペーパーがつまりやすく流せない、は本当?
冒頭で解説したように、都市部の駅や商業施設などでは、紙を流せるトイレがほとんどです。そもそもトイレットペーパー自体、水に溶けるようになっているものが大半なので、これらの場所では安心して流すことができます。それなのに、紙を捨てるゴミ箱も置いてあるのが台湾のトイレ。長年の習慣から、紙を流すのをためらう人もいるため、ゴミ箱も用意されているのです。
ペーパーを流してはいけないトイレ、流してほしいトイレ
とはいっても、街の食堂のトイレには「衛生紙請勿丟入馬桶(ペーパーは絶対に便器に流さないで下さい)」という張り紙がしてあることが多々あります。そのほかにも、「請將衛生紙拉圾桶(ペーパーはゴミ箱に捨ててください)」と表記されているところも。このような場所では、主に水道管が細いという理由で、つまってしまうことがあるため、水に溶けるペーパーでも流すことはできません。一方、大きなデパートや有名レストランでは日本のトイレが採用され、「請將衛生紙投入丟馬桶(ペーパーは便器に流してください)」と書かれているのを目にします。新しい建物では水道管も太いため、つまる心配はありません。衛生面からもトイレに流すことが推奨されています。
トイレはあるけれど貸し出していない場所も
台湾では、日本と同じように、デパートなどの商業施設、大きな公園や駅などで公衆トイレを使用できます。ですが注意点が1つ。ほとんどのコンビニではトイレを貸してくれません。たまにトイレ使用可能マークの付いているコンビニも見かけますが、ごくまれなこと。マークがあっても、衛生面などさまざまな影響を考慮して、実際は貸し出していない、ということもよくあります。観光ではトイレマップAPPが便利
コンビニのトイレが使用できないと、その他の公衆トイレを探さなければなりません。観光などの限られた時間でトイレを探してあちこち歩き回りたくない人は、『洗手間地圖』などのトイレマップをインストールしておくと、近くの公衆トイレが表示されるので便利です。この手のアプリは、子連れ旅行にもおすすめです。小さな子どもは急にトイレに行きたくなりがちな上、がまんするのも難しいですからね。
ウォシュレットの普及率
台湾でウォシュレットが使えるのは、台北の高級日系ホテルや高級レストランなどのみです。このような施設ではTOTOやリクシルなど、日本のトイレが中心であるため、使い方や使い心地は日本と全く同じです。それ以外の場所ではウォシュレットを見ることはほとんどないので、台湾人のなかには、日本旅行中にウォシュレットを使用して感激する人も。旅行中にホームセンターで購入して、そのまま台湾に持ち帰り、自宅トイレに取り付ける強者もいます。
古いタイプのトイレもまだまだある
ここ数年で日本と同じような新しいトイレが増えた台湾ですが、少し古いビルなどに行けば、上にタンクがあり、ひもを引いて流す昔ながらのトイレが残っています。こうしたトイレは水圧が低いので、2回くらい流さないといけない場合も。また、個室内にはトイレットペーパーが備え付けられておらず、入り口にある共有型のペーパーホルダーから必要な分だけ巻き取り、それを持って個室に入るスタイルのトイレも多いです。個室で用を足してから「紙がない〜!」とならないように、トイレの入り口付近に注目しておく必要があります。
さらに、田舎の駅や観光地などでは、トイレットペーパー自体が備え付けられていないところも。そのため、郊外に行くときは特に、ポケットティッシュやウェットティッシュを携帯する必要があります。
現地在住の台湾人のなかには、家を新築したり、リフォームしたりする際に日本のトイレを選ぶ人が増えています。ウォシュレットや暖房便座が備わっているのはもちろん、清掃のしやすさを理由に挙げている人も少なくありません。家庭のトイレも公衆トイレも、今後日本製のものがさらに増えてくることが予想されます。
この記事の筆者:小林 小玉 プロフィール
台湾在住のライター、翻訳家。オーストラリア留学で培った英語力を生かし、大手百貨店や外資系企業でインフォメーション業務に携わったのち、出版業界に転職。旅行ガイドブックを中心に取材、執筆を続け、中国語留学を経て台湾に移住。2022年から通訳、翻訳家、コーディネーターとしても活動している。
(文:小林 小玉)
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