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「こんなに遅くまで女性に仕事をさせるの?」と義母→「女だって残業するよ」とモヤモヤする私

オールアバウト / 2025年1月4日 22時5分

「こんなに遅くまで女性に仕事をさせるの?」と義母→「女だって残業するよ」とモヤモヤする私

二人の子どもを共働きで育てている。近所には義母がいて手伝ってくれるが、専業主婦だった義母と仕事をしている自分とでは子育てに関する感性が違いすぎる。話をすると互いに嫌みに聞こえてしまうことも……。

自分の親なら「どうしてそういうことを言うのよ」とケンカを売るようなまねができても、夫の親となるとそうはいかない。相手が気遣ってくれればくれるほど、それが皮肉に聞こえてくるケースもある。働く妻たちは、いつも肩身が狭いのだ。

義母に対して「常に肩身が狭い」

現在、第三子を妊娠中のエリコさん(37歳)。結婚して8年、6歳と3歳の女の子がいる。

「私自身が、どうしても男の子を育ててみたくて。子どもが好きなんです。でも同じくらい仕事も好きなので、仕事を辞めるつもりはまったくなくて」

1歳年上の夫は彼女と同じ考えで、長女の時も次女の時も彼女と時期をずらして産休をとってくれた。だからワンオペの厳しさも身に染みている。

「夫婦2人だけで育てるのはどうしても難しいと思っていたら、夫の母が『大変な時は預かるから、遠慮しないで』と言ってくれて。近所に住んでいるので、どうしても夫と私の間で時間のやりくりがつかない時だけ、保育園に迎えに行ってもらったりしているんです」

70歳になったばかり、元気な義母は子どもたちとも仲良しだ。特に不満はないのだが、それでも「常に肩身が狭い」とエリコさんは言う。

「母なのに働いている」という義母の本心

「夫が出張で私が残業だったある日、義母に子どもを預かってもらって、夜10時頃迎えに行ったことがあるんです。

義母は『大変ね。こんなに遅くまで女性に仕事をさせるの? あなたの会社は』って。義母に悪気がないのは分かっているんですけど、私からすると、『女だって残業するよ、会社がさせてるわけじゃなくて、仕事にトラブルが生じてどうしようもなく残業になったんだよ』と言いたいくらい。

でもそこをぐっと抑えて、仕事をしているといろいろありますからと控えめに言ったんです。すると義母は『私は結婚してから仕事をしたことがないから……。ごめんなさいね、分からなくて』と。笑顔のやりとりなんですが、たぶん、互いに相手の言うことを嫌みだと解釈しているわけですよね、これって」

ふうっとエリコさんはため息をつく。そうした義母とのやりとりが、いちいちストレスになってしまうそうだ。悪気がないのは分かっていながら、どうしてもひっかかってしまうのは、「妻で母なのに働いているという意識」なのだろうか。

「そうですね。義母は専業主婦だったから、子どもに不自由はさせたことがないというのが自慢で。夫に聞くと、『駄菓子屋で買い食いすると怒られた。母親の手作りのクッキーがいつも用意されていて。本当は買い食いの方が楽しいしおいしいんだけどね、子どもは』と。

そのあたりの義母のプライドを傷つけてもいけないし、自分自身、心のどこかで仕事をしていることが子どもに申し訳ないという“刷り込み”みたいな罪悪感があるんですよねえ」

こればかりは刷り込まれているから、なかなか払拭(ふっしょく)できないのかもしれない。

夫のさらなる協力を求めていくしか……

夫婦間での時間のやりくりを、さらに強化していくしかないとエリコさんは言う。

「つい先日も、土日の仕事が入ってしまったので、夫に『今度の週末はどこにも行かないで、ひとりで子どもたちの面倒をみて』と半ば命令のように頼みました。私があまりに切迫していたのか、夫は『わ、わかった』って。義母の手を煩わせることなく、無事に私は仕事、夫は家事育児とやり遂げてホッとしました」

上の子が6歳になったので、夫は料理や後片付けなども少しずつ手伝わせている。これからは子どもたちも力になってくれるだろう。

「とはいえ、子どもに必要以上に家事をやらせるのもかわいそうですから、そのあたりはバランスを見ながら。3人目が生まれたら少し育休もとるつもりなので、また改めてわが家の時間繰りが大変になりそうです」

義母は「3人目が生まれて大変だったら、いつでも言ってね」と声をかけてはくれているが、さすがに義母に3人預けたら義母がパンクしそうだとエリコさんは笑う。

義理の関係は調整が難しい

「かといって、義母を無視して地域の子育てママ制度みたいなのを利用すると、義母が知った時に嘆くと思うんですよね。それも今、夫と話し合っていて、どうにか義母を傷つけずに他人を入れることはできないかと」

自分が義母の言葉をあまり気にしないようにし、なおかつ働いていて何が悪い、と開き直れればいいんですが……と、エリコさんはつぶやいた。

働くことについて、心の中にどうしても拭いきれない罪悪感を抱いてしまう女性は少なくないのかもしれない。それを軽減していけるような社会、環境を作っていくことが大事なのではないだろうか。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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