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小説家の李琴峰さん、アウティングされ声明出す。長年の誹謗中傷の末「加害者を実名で告発」決意

オールアバウト / 2024年12月30日 17時15分

小説家の李琴峰さん、アウティングされ声明出す。長年の誹謗中傷の末「加害者を実名で告発」決意

小説家の李琴峰さんが11月に自身のXで触れた、アウティングに関する声明。日本のみならず世界でも問題になっている誹謗中傷について赤裸々に明かしました。(サムネイル画像出典:李琴峰さん公式Xより)

小説家の李琴峰さんが11月に自身のX(旧Twitter)で触れた、アウティングに関する声明。誹謗(ひぼう)中傷が人をどれほどまでに傷つけ、生命を脅かすものか、赤裸々につづりました。

公開停止となった声明記事

20日に、「李琴峰『トランスジェンダー追悼の日』アウティングされ声明」と題した文章をnoteにアップした李さん。「私には二つの道しか残されていません。秘密を守り、カミングアウトしないまま早めに自死するか、あるいはカミングアウトし、加害者を実名で告発するか、この二択です」とXのポストに文章を一部抜粋し、全文はnoteで発表していましたが、その1日後に記事が公開停止となる事態に見舞われました。

李さんは「何の説明もなく記事を公開停止にしたnote事務局に対して、強い憤りを抱いています」と、怒りをあらわに。現在、該当記事は李さんの公式Webサイトで読むことができます。一体、どのような内容をつづっていたのでしょうか。

「私は自分を殺して、生まれ直すことにしました」

11月20日の「トランスジェンダー追悼の日」に発表された同記事。冒頭で、以下のように明かしました。

「私・李琴峰は、レズビアンです。デビュー以来、私はずっとLGBTQ+の物語を書いてきたし、同性婚法制化などについても積極的に支持しており、プライドパレードにもほぼ毎年参加しています。これらはすでに公開されている情報であり、紛れもなく真実です。しかし今日、この『トランスジェンダー追悼の日』に、私はもう一つカミングアウトを済ませておきたい──私・李琴峰は、同時に、トランスジェンダーでもあります」

「私は自分を殺して、生まれ直すことにしました。生まれ変わった私は女性です。私は今の自分がとても気に入っています。だから、私は女性です。断じて『生物学的/生得的/身体的男性』などではありません」

上記のようにつづった李さんは「カミングアウトなんてしたくなかった」と吐露しています。しかし暴力的な誹謗中傷を告発するべく、カミングアウトを決意したようです。冒頭に記載した「私には二つの道しか残されていません」という文章でも、究極の選択を迫られたことがひしひしと伝わってきます。

長年誹謗中傷に苦しむ

李さんは生まれ故郷である台湾で誹謗中傷を受け、日本に住むようになってからも、執拗にさまざまなSNS、言語で誹謗中傷を受け続けていたとのこと。「本当に、本当に、苦しかったです。ここ二、三年間、私は様々な症状に苛まれました。不眠、嘔吐、眩暈、頭痛、抑うつ、動悸、食欲不振、不安、自死念慮などの自覚症状がありました。適応障害の診断まで受けました」と、被害を語っています。

加害者の犯罪行為へ対抗すべく、今回、カミングアウトし、実名で加害者を告発した李さん。日本のみならず、世界でもトランスジェンダーに対する誹謗中傷は巻き起こっており、「日本と台湾でかかった弁護士費用や訴訟費用は、すでに350万円を超えています」と、巨額の費用を負担していることを明かしました。

李さんの公式Webサイトでは、声明の全文を読むことができます。一人の人間に対し、同じ人間がどんなにひどいことをしてきたのか、赤裸々につづられています。まずは、誹謗中傷や差別がはびこる今の日本の現実を知ることが大事です。ぜひ一読してみてください。

(文:杉野森 樹莉亜)

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