「一人で過ごすのは絶対にNG!」ドイツの大みそかの過ごし方は? 盛大な花火に欠かせないイギリス映画に
オールアバウト / 2024年12月30日 20時5分
所変われば新年の迎え方も変わります。クリスマスモードが終わり、いよいよ年末へ。今回は、筆者が住むドイツ・ベルリンの年末年始の過ごし方をいくつかご紹介します。
いよいよ年末になりました。ドイツにいると12月はクリスマスが最大の行事になるため、多くの人が帰省の計画をしたり、プレゼントを用意したり、料理を作ったりと精力的に活動しているのを見かけます。
クリスマスは家族で過ごすのが一般的で、その後のニューイヤーズイブは友人たちで集まってパーティーをする気楽で楽しいイベントという傾向があります。
年末年始の過ごし方はドイツの各地域で差があるかもしれませんが、今回は筆者在住のベルリンで体験した年末年始の様子についてお伝えします。
クリスマス連休後はいよいよ大みそかに
祝日はやはりクリスマスが中心。大体の店や企業は24~26日までが休みのケースが多いです。大きなデパートやスーパーなどは24日午後2時までは営業して、駆け込み需要に応えていましたが、それ以降は26日まで全てが閉まります。年末はというと、大みそかは時短営業、翌日の元旦は休みという店が多め。ベルリンは毎週日曜日もスーパーが閉まるため、祝日だけでなく曜日との組み合わせもよく考えて買い物を済ませておく必要があります。そして連休前はレジが大混雑するのも毎年の光景です。
大みそかの過ごし方
クリスマスが「家族のイベント」だとしたら、大みそかは「友だちと集まってパーティー」という傾向が強めです。一人で過ごすのは絶対にNG! 1カ月以上前から誰の家のパーティーに行くかを決めておくという人もいるほど。料理やお酒を持ち寄り、しゃべったりボードゲームなどをしたりしながら、0時を待ちます。ドイツの大みそかに欠かせないイギリス映画!?
一度友人の家で年越しをした際に体験したドイツの風習に「ある映画を見る」ということがあります。その映画とは『Dinner for one』というタイトルのもの。1963年のイギリスのコメディ映画です。18分ほどの短編映画で、登場するのは奥様と執事の2人だけ。
奥様の90歳の誕生日に、友人たちを招待しての恒例の誕生日ディナーを開催するのですが、実はこの友人たちはすでに亡くなっているので参加できません。
奥様が着いたテーブルに、執事が5人分のディナーを供給し続けるのですが、それと同時に執事がお酒や料理を自分で消費するため、どんどん千鳥足になっていきます。執事のドタバタっぷりを楽しむ映画です。
1970年代からドイツやデンマークなどのテレビ局で大みそかに放送されるようになり、一部の人たちの習慣になりました。
花火
ベルリンの年越しと切っても切り離せないのが、なんといっても打ち上げ花火。基本的には年越しの瞬間を祝いますが、気の早い人たちはクリスマス過ぎから試し打ちを始めているようで、家にいても音が聞こえてきます。年越し直後のクライマックスは、地区にもよりますが、それはそれはたくさんの花火が打ち上がる壮大なシーンに。どのくらい花火や爆竹にお金をかけているかを人々に聞いたある調査では、以下のような結果が出ていました。
20~50ユーロを費やす人…約33%
10~20ユーロを費やす人…約33%
1~10ユーロを費やす人…約10%
ドイツ全体の花火の売上は約1億3300万ユーロ(約218億円)ほど。年始の花火愛好家の中には、安さと強い威力を求めてチェコやポーランドなどの近隣の国から購入する人もいるのだとか。
しかし、花火を使用するのは専門家ではなく一般の人が多いため、毎年花火関連の事故のニュースを耳にします。安全面には気を付けて楽しみたいものですね。
異文化を堪能できるドイツの大みそか
普段は意外と日本と似通ったところがあると感じるドイツですが、この日ばかりは異文化を堪能できます。筆者は今年も日本の厳かな大みそかも恋しく思いつつ、にぎやかなドイツの大みそかを楽しむつもりです。この記事の筆者:Gena プロフィール
ドイツ在住3年目のライター、ボディポジティブモデル。個人ブログをきっかけに執筆活動を開始し、現在はヨーロッパのモデル事務所に所属しながら、「ヨガジャーナルオンライン」にてエッセイを連載中。学生時代にはアメリカ・ニューヨークにも留学経験あり。日本と欧米における視点の違いに関する情報を発信する。
(文:Gena)
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