イタリアのトイレ、「便座がない」こと以上に日本人を悩ませた“ある特徴”とは【現地でトイレ巡り】
オールアバウト / 2025年1月3日 20時35分
ヨーロッパのトイレは「便座がない」のが有名です。しかし、それ以上に日本人を悩ませる特徴とは……!? 休暇でイタリアに旅行した筆者が、現地で“トイレ巡り”をして体験してきました!
海外旅行に行くと気になること、それはやはり「トイレ事情」ではないでしょうか。特にヨーロッパのトイレは「便座がない」「不衛生」といううわさをよく聞きます。筆者は、長期休暇で念願のイタリア旅行が実現したものの、出発前はローマやフィレンツェのトイレ事情に大変ビビっておりました。
実際にイタリアで“トイレ巡り”をしてみると、確かに便座がないトイレも多かった……。しかし、それ以上に日本人を悩ませる「ある特徴」を発見したのです!
空港、美術館、レストランなど、筆者がイタリアで巡ったさまざまなトイレをリポートします!
イタリア入国! 空港のトイレには「便座」があった。けど……
乗り継ぎを挟み、10時間以上のフライトを経てついにイタリアへ。首都のローマにあるフィウミチーノ空港に到着するやいなや、荷物受け取りレーンの近くにあるトイレへ駆け込みました!フィウミチーノ空港(ローマ)
トイレ内は清潔感があり、開放的な雰囲気。早速、個室に入ってみると……おお! 便座がある! しかし、なんだか便器とズレて、便座だけ浮いているような……。実際に座ると、日本の便座よりも幅がやや広いような気がします。イタリア人の体形に合わせ、座りやすいように設計されているようです。身長157cm、日本の便座の幅に慣れている筆者は、初めて便座に座った瞬間トイレの中に落ちかけてしまいました。街中には「便座がない」トイレも多い。でも、それ以上に困ったこと
今回の旅では、ローマ、フィレンツェ、そしてベネチアへと移動し、旅中では数々の美術館や飲食店を訪れました。そんな中でも気になっていたのはトイレ。空港とは違い、街中には確かに「便座がない」トイレもありました。ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
例えば、フィレンツェにあるウフィツィ美術館のトイレ。ルネサンス期の三大巨匠と言われるレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロをはじめ、数々の名芸術家の作品を有する世界的にも有名な美術館ですが、トイレには便座がありませんでした。そこにも衝撃を受けたのですが、それ以上に日本人である筆者を悩ませたこと。それは……トイレットペーパーの位置が遠すぎることでした! えっ、みんなどうやって用を足しながらペーパーを取ってるの? 腕が短くて全然手が届かないのですが……!?日本のトイレでは、便器のすぐ横にトイレットペーパーがあるのが一般的。手を伸ばせばすぐ届く位置にペーパーがあることに慣れていた筆者は、イタリアのトイレの個室構造に頭を抱えることになりました。
ほかの場所も、やっぱりトイレットペーパーが遠かった
トイレットペーパーの位置が遠いのは、ウフィツィ美術館だけではありませんでした。以下に筆者が訪れた観光地の中からピックアップしています。バチカン美術館(バチカン市国)
ローマ市内にある、世界最小の独立国・バチカン市国にある「バチカン美術館」。カトリック教会の総本山に位置し、数々の宗教画をはじめ世界有数の美術作品を有する美術館として、国内外から多くの観光客が訪れます。そんなバチカン美術館のトイレも、便座はありましたが、やはりトイレットペーパーが遠く……便器の向かいの壁に設置してあり、便座に座っている状態だと手を伸ばしても届きませんでした。バーカロ(ベネチア)
ベネチアでは立ち飲み文化が普及しており、バーで軽いおつまみやお酒を楽しむ「バーカロ」と呼ばれる飲食店がたくさんあります。そんなバーカロのトイレでは、便器の横にトイレットペーパーが設置されていたものの、やや高い位置。日本だと便座に座って真横にあるイメージなので、少しだけ気になりました。トイレットペーパーは、ロールタイプではないものも多い
ちなみに前述のトイレでは、トイレットペーパーは日本のようなロールタイプではなく、1枚ずつティッシュのようにはがれる紙でした。このトイレに限らず、違う場所のトイレでも同様の紙を数多く発見。旅を通してロールタイプとティッシュタイプは半々くらいの割合でした。また、イタリアの水洗ボタンは大体便器の上の方にあります。左の大きい方が「大」のボタン、右の小さい方が「小」のボタンのようです。日本のように、レバーを引いて水を流すタイプ、手をかざすと水が流れるセンサータイプのトイレには出会いませんでした。ボタン式なので外国人でも分かりやすい仕様になっています。
ビデのシャワーがあるトイレも
日本では一般的な「ウォシュレット」も、海外のトイレには設置されていないことが多く、イタリアのトイレでは一度も発見できませんでした。レストラン(ベネチア・ブラーノ島)
ベネチア本島から、水上バスで約40分の位置にあるブラーノ島。約3000人が暮らしており、鮮やかなペンキで彩られた街並みが美しい、イタリアを代表する観光地の1つです。小さな島ながら観光客向けの飲食店やお土産店も多く、筆者もランチを済ませようとレストランへ。レストランのトイレには便座がなく……というより、取り外されていて、上の棚に置いてありました。故障してしまったのでしょうか。さらに、便器の横にはビデ用のシャワーが付いていました。イタリアのホテルなどでは便器が2つあるトイレも多く、1つは通常のトイレ用、もう1つはビデ用と分かれている場合もあります。ブラ―ノ島のトイレでは、古い設備を長く使い続けている離島ならではの特徴が表れていました。
【結論】トイレには、国の個性が表れる
最初こそ警戒していたものの、旅を通してイタリアのトイレに愛着がわいてきた筆者。やはり、トイレにはその国の個性が表れます。ベネチア・テッセラ空港(ベネチア)
帰国日、ベネチアの空港で最後に立ち寄ったトイレにも便座はありましたが、やはりトイレットペーパーは遠い位置に。最終日には「用を足す前に紙を取っておく」という対処法も覚え、迷うことなく便座へ着席。今度またイタリアに来るときは、トイレにどのような変化があるのか。楽しみにしていたいと思います。
この記事の筆者:浦岡 ミコ
All About ニュースの編集者。学生時代にライフスタイル系メディアでライターを経験した後、2020年にオールアバウトへ入社。2021年よりAll About ニュースのメンバーとしてプロジェクトに参画、現在はカルチャー・国際情勢・海外事情などを中心に、複数の連載企画を担当中。東京出身、お酒と街巡りが好きなまったりアラサー。
(文:浦岡 ミコ)
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