受験生必見! 本番前のインフル対策に役立つ「予防内服」とは
オールアバウト / 2025年1月8日 20時45分
【医師が解説】受験生の大敵であるインフルエンザ。かつてインフルエンザ感染によって受験に失敗した経験がある医師として、インフルエンザ薬の予防内服と、オンライン診療のメリットを解説します。
インフルエンザ感染で失敗に終わった私の受験
筆者には忘れられない経験があります。中学受験の時にインフルエンザにかかってしまい、第一志望校に落ちたのです。今でも鮮明に覚えています。第一志望校より偏差値の高い学校に2校受かっていたにもかかわらず、第一志望校の受験は、インフルエンザによる高熱を必死に抑えながら臨むことになってしまったのです。結局合格することはできず、先にインフルエンザにかかった親を恨んでしまったほどです。これは人生の大きな転機になりました。
だからこそ、受験生やその保護者の方の気持ちが痛いほど分かります。「絶対に子どもにはそんな思いはさせたくない」という親御さんの気持ち、本当によく分かります。
現在、筆者は医師として診療にあたっていますが、特に受験シーズンは自身の経験も踏まえて丁寧な説明を心がけています。「まさか自分が……」と思っても、インフルエンザは本当に突然やってくるのです。
筆者の場合は最初に親が感染し、その数日後に感染してしまいました。当時はインフルエンザ薬の予防内服がなかったのですが、現在では、こういったケースは避けることができるはずです。
受験生はいつ内服すべき? インフルエンザ薬の予防内服のタイミング
受験生の場合、予防内服のベストなタイミングは、本番1~2週間前からです。中学・高校入試が集中する1~2月や、大学入学共通テストや私立大学入試の時期は、インフルエンザの感染拡大が起こりやすく、特に注意が必要な時期です。実は、インフルエンザの潜伏期間は1~2日。つまり、発症する2日前にはすでに感染しています。だからこそ、家族などの身近な人がインフルエンザにかかったときや、学校や塾でインフルエンザが増加したときは、予防内服をすることで発症を防ぐことが重要なのです。
適切に服用することで予防効果は75~85%と言われています。
インフルエンザ流行期は、病院に行くこと自体が感染リスク
予防内服に使用するインフルエンザ薬は、医師の診療によって処方してもらえます。しかし、インフルエンザ流行期には、なるべく病院に行きたくないという方は多いでしょう。体調不良による病院受診者が多い場所に行くことで、逆にさまざまな病気の感染リスクを高めることになりかねません。近年では「オンライン診療」の需要も増しています。自宅でスマホから診察が受けられ、薬を処方してもらえるため、受診による感染リスクを抑えられることは大きなメリットの1つでしょう。
オンライン診療によるインフルエンザ薬処方までの流れ
サービスを提供している病院やクリニックによりますが、オンライン診療の流れは、非常に簡単です。1. スマホで予約
2. 電話で医師の診察を受ける
3. 薬が自宅に届く
夕方までに診察を受ければ、サービスや地域によっては薬も当日中に発送され、すぐに手に入れることもできます。
インフルエンザ薬の予防内服のデメリット・注意が必要なポイント
インフルエンザ薬の予防内服のデメリットとして挙げられるのは、費用面の負担です。保険適用外の自費診療となるため、大体1万円前後の費用がかかります。また、年齢によって使用できる薬が異なりますので、詳しくは診察時に医師に質問してください。患者さんの状況に応じて、最適な薬が処方されるはずです。
受験生の方へ、受験時にインフルエンザ感染した医師からのアドバイス
予防内服は「もしも」のための保険です。でも、あの時の筆者のように「もしも」は突然やってきます。だからこそ、できる対策は全てしておくことが大切ではないでしょうか。これが失敗経験者の医師からの、切なるアドバイスです。筆者自身も、診療の場で、インフルエンザ薬の予防内服やオンライン診療に力を入れています。感染リスクなく安全な、かつてはなかった選択肢ですので、ぜひ積極的に活用してください。そして、悔いのない受験に臨んでいただければと思います。
各務 康貴プロフィール
予防医療・内科・救急を専門とする医師。救急医療や在宅医療の現場に従事する中で、予防の重要性や予防に取り組んでもらう難しさを痛感。マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。歯科と医科を繋げるリリモアクリニック内科歯科の院長を務めながら、予防医療について幅広い情報発信を行っている。(文:各務 康貴(医師))
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