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「年収の壁」の変更だけじゃない! 2025年、お金にまつわる「変わること」

オールアバウト / 2025年1月15日 19時30分

「年収の壁」の変更だけじゃない! 2025年、お金にまつわる「変わること」

2025年も私たちの生活に直接影響を与えるさまざまな「お金に関する制度」の導入・変更が予定されています。現時点の情報に基づき、2025年のお金にまつわる「変わること」をまとめてみました。

2025年も私たちの生活に直接影響を与えるさまざまな「お金に関する制度」の導入・変更が予定されています。現時点の情報に基づき、2025年のお金にまつわる「変わること」をまとめてみました。

1:「電気・ガス料金支援」の導入

2025年も政府は電気・ガス料金の高騰に対し一部を補助する制度を導入します。具体的には家庭や企業の電気使用量の大きい1~3月の電気・ガス代を、以下の単価で値引きします。

●2025年1~2月
○電気:低圧(一般家庭など)2.5円/kWh・高圧(企業など)1.3円/kWh
○都市ガス:10.0円/㎥

仮に電気使用量400kWh、ガス使用量40㎥のご家庭なら、電気・ガス合わせた値引き額は月1400円程度になります。

●2025年3月
○値引き単価は電気:低圧:1.3円/kWh・高圧(企業など)0.7円/kWh
○都市ガス5.0円/㎥

※都市ガスは家庭および年間契約料1000万㎥未満の企業などが対象

2:育児・介護休業法の改正

令和7(2025)年4月1日から段階的に、育児や介護を行う労働者への支援を強化するため、育児・介護休業法が改正されます。主な改正点は以下のとおりです。

・子の看護休暇の取得事由に「感染症に伴う学級閉鎖」や「入園・入学式、卒園式」を追加
・看護休暇の対象となる子が「小学校3年生修了まで」に拡大
・残業免除の対象者が「小学校就学前の子を持つ親」に拡大
・3歳未満の子を持つ親がテレワークを選択できるよう、企業への努力義務
・介護休暇の取得要件「継続雇用期間6カ月以上の労働者」を撤廃

これらの改正により、仕事と育児・介護の両立がしやすくなる環境が整備されます。

3:自己都合退職時の失業給付制限の緩和

2025年4月に雇用保険法が改正され、自己都合退職者に対する失業給付(基本手当)の受給制限が緩和されます。これまでは、自己都合で退職した場合、失業給付を受け取るまでに2カ月間の給付制限がありましたが、改正後は1カ月に短縮されます。

さらに、離職期間中や離職日前1年以内に教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けた場合、給付制限がなくなります。

この改正により、自己都合退職の場合も早期に雇用保険の支援を受けられるようになります。

4:高額療養費の自己負担上限の引き上げ

病院や薬局にかかった際に医療費が高額になった場合でも、月々の自己負担額には上限が設けられており、これを高額療養費制度と呼びます。この上限額が、2025年8月から引き上げられる予定です。つまり医療費の自己負担が若干増えることになります。引き上げ幅は所得が多いほど大きくなる仕組みで、70歳未満だと世帯単位で以下となります。

・住民税非課税世帯:月額3万6300円(900円増加)
・年収770万円以下の世帯:月額18万8000円(約8000円増加)
・年収1160万円を超える世帯:月額29万円(約3万7000円増加)

5:年収の壁103万円は123万円に

パートやアルバイトで働く方が意識する「103万円の壁」が、2025年から「123万円」に引き上げられます。この壁を超えると、本人に所得税が課されるだけでなく、扶養されている親族の扶養控除にも影響を与える税制上の基準として知られています。

2025年度の税制改正大綱によると、所得税の基礎控除が48万円から58万円に、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に、それぞれ10万円ずつ引き上げられます。この結果、合計123万円(基礎控除58万円+給与所得控除65万円)までは所得税が発生せず、扶養者が受けられる扶養控除の金額にも影響がありません。

しかしながら「106万円の壁」や「130万円の壁」などの社会保険の壁も存在しており、税制改正だけで壁による手取り減少問題は解決しないことには注意が必要です。

まとめ

2025年には、電気・ガス料金の支援策、育児・介護休業法や雇用保険法の改正、高額療養費の上限引き上げなど、私たちの生活に影響を与える多くの制度変更が予定されています。これらの変更を正しく理解することは、家計の安定や生活の質の向上につながります。

なお、現時点では制度詳細が不明瞭な点もあるため、政府の公式ウェブサイトや関係機関の発表を随時確認することをおすすめします。

文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー)

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し、お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。
(文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー))

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