年末に寝込んだワーママの怒りが止まらない。「ママ、苦しいの?」と息子に背中をさすられ大号泣
オールアバウト / 2025年1月12日 22時5分
共働き家庭にとっては、公私ともに忙しい年末年始。体調不良で寝込むケースもよく聞く話だが、ある40代女性は今なお「夫に怒りが止まらない」と振り返る。
この年末年始、体調を崩した人も多かったようだ。子どものいる働く女性は、年末にやろうと思っていた大掃除もおせち作りもできなかったと嘆く。
そんな時、夫はどう対応するのだろうか。「夫に怒りが止まらない」と言う女性に話を聞いた。
体調を崩した時の夫の態度!
「私たち夫婦は共働きで、28日から夫も私も休みでした。28日は少しゆっくりしようということになり、久々に家族で外食。でもなんだかあまりおいしいと思えなかった。そのあたりから体調がおかしかったんでしょう」アユミさん(42歳)はそう振り返る。29日は大掃除をするはずが、だるくて体が動かない。せめて買い物に行こうかとも思ったが、夕方から悪寒がし始めた。9歳と5歳の2人の男の子は元気そのもの。
「今日は早めに寝てしまいたいから、子どもたちを連れてどこかで食べるか、冷凍庫にいろいろあるから夕飯の準備をしてくれないかなと夫に頼むと、『今日はきみが手料理を作ってくれるはずだったじゃないか』と駄々をこね始めたんです。
具合が悪いと言っているのに、大丈夫かの一言もなく、自分の要求だけを押しつけてくる。子どもよりタチが悪い」
熱を測ると37度7分。これから上がりそうだなとは思ったが、夫にグチグチと言われるのが嫌だったことと、子どもたちがおなかをすかせているようだったので、アユミさんは食事の支度をした。
「冷凍庫の作り置きや冷凍食品をチンして、ごはんを炊いてお味噌汁を作って。でもこれだけだと何か言われそうだったので、白菜や海鮮の中華風煮込みを作りました。
夫の好物なので。上の子がせっせと手伝ってくれましたが、できあがると同時に私はダウン。水だけ持って寝室にこもりました」
「なんだ、治ったんだ」と夫
解熱剤くらい飲めばよかったのだけど、それさえ億劫でできなかったとアユミさんは言う。夜中に目覚めて熱を測ると38度3分まで上がっていた。やっとの思いで起き上がり、リビングまで行って解熱剤を飲んだ。ふとキッチンを見ると、お皿も鍋も洗っていない状態だった。
「私、キッチンのシンクに皿が積み重なっているのが耐えられないんですよ。見てしまったら洗うしかない。そんな気持ちになってせっせと洗いました」
そこへ登場したのが夫。
「なんだ、治ったんだ。同じ部屋で寝てうつされると嫌だから、狭い書斎で寝てた」
夫はいきなりそう言った。アユミさんは言い返す気力も出なかった。
「オレへの嫌味?」と感じる夫はどうかしてる
考えてみたら、夫とはいつしか気持ちがすれ違ったり誤解が生じたりしやすくなっていたとアユミさんは言う。子どもがいるから、共働きで忙しいからと、自分の気持ちに蓋をして見て見ぬふりを決め込んできた。「それに決定的なことはなかったんです。私は丈夫でめったに風邪ひとつひかないし、何かあっても夫の好物を作れば夫にも笑顔があった。今回は年末年始という家族で過ごせる貴重な時間に私が寝込んだことで、夫の不満も上がってしまったんだとは思う。
それでも、あの言葉は許せなかった。たとえ私がもう熱が下がってお皿を洗っていたとしても、『大丈夫なの?』『ごめん、オレがうっかり寝ちゃったから。いいよ、やるよ』というのが当然じゃないでしょうか」
アユミさんはさっさと洗い物を終えると、再度熱を測った。39度を超えていた。体温計を夫の鼻先に突きつけてやったという。
「夫は、うわっと言って、『そんな熱があるのにどうして皿洗いしてるの』って。『オレへの嫌味?』とも言ったんです。その瞬間、私は夫を押しのけて寝室に戻りました。妙に興奮して、でも悲しくて涙がボロボロ出てきました」
「パパ、すぐ来て。ママがおかしい」
そこへ長男が水を持ってきてくれた。母親が泣いていることにうろたえて、「ママ、苦しいの?」と背中をさすってくれたので、アユミさんはさらに号泣。長男は「パパ、すぐ来て。ママがおかしい」と叫んだ。「夫は顔をのぞかせて、長男に『こっちに来なさい、うつるから』と。まあ、そこまでは分かるけど、『救急車呼ぶ?』って。必要ないと言いましたよ。私がほしいのは、いたわりの一言だったんですけどね。
すると夫は何も言わずに“狭い書斎”へと去っていきました。まだドアのところにいる長男に『大丈夫だからね』と言うと、彼はニコッと笑って……」
あの笑顔を傷つけてはいけない。アユミさんはそう思ったそうだ。だが30日も熱は下がらず、とうとう休日診療をしている病院へ駆け込んだ。結果はインフルエンザだった。
「電車を乗り継いで1時間ほどのところに住んでいる妹に助けを求めました。妹はすぐに来て子どもたちだけ連れて行ってくれた。夫は『行くところないな』と言いながら家にいたようです。
三が日は妹が食べ物を届けてくれました。すっかり熱は下がっていたので、寝室で食事をしながらテレビを見たりたまっていた録画を見たりとのんびりしていた。
4日には妹が子どもたちを連れてきてくれて、ついでにと食事まで作って行ってくれました。妹も子どもがいるのに本当に助かった。
夫はあとから、『義妹ちゃんに怒られちゃったよ。こういう時にどうして姉を大事にしてくれないのかって』としれっと言うんですよ。悪かったねの一言もない」
夫はアユミさんが元気になると、機嫌がよくなった。一方のアユミさんは今でも、あの時の夫の言動がどうしても許せずにいる。
これは遺恨が残るな、いずれ夫との間は完全にうまくいかなくなるだろうなという思いがずしりと心にのしかかっている。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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