新大阪からわずか40分の好アクセス! 万博会場直結の新駅「夢洲(ゆめしま)」 驚きの近未来的デザイン
オールアバウト / 2025年1月20日 18時45分
大阪に新たな駅が誕生した。Osaka Metro中央線が、コスモスクエア駅から夢洲駅まで延伸したのだ。2025年4月から開催される大阪・関西万博会場を訪れる人々を近未来的なデザインの新駅が出迎える。便利なアクセスルートとともに、その姿を紹介しよう。
Osaka Metro中央線が西の終点・コスモスクエア駅から海底を進み一駅延伸した。新たな終着駅は夢洲(ゆめしま)駅で、2025年4月から開催される大阪・関西万博(EXPO2025)会場の最寄り駅となる。近未来的な夢洲駅と各地からのアクセスを案内しよう。
シックな装いの夢洲駅ホーム
2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博(EXPO2025)会場の最寄り駅となるOsaka Metro中央線の夢洲駅が1月19日に開業した。これまでの中央線の終点・コスモスクエア駅から3.2km(所要時間5分)。海底を通るため途中駅はない。夢洲駅は地下2階にホームがある。両側に電車が発着する島式ホームで、ホームドアをはじめ黒を基調としたシックで落ち着いたデザインとなっている。その中で、線路の向こう側の壁に浮かび上がるかのような緑のラインはインパクトがある。緑は中央線のラインカラーだ。
ホームには門型のライン照明が設置され、鳥居をくぐるかのような新鮮なデザインで出口へと誘導する。見上げると、「折り紙天井」と呼ばれる個性的な形となっているが、これは列車ダイヤグラムをイメージしている。日本の鉄道の正確さ、高い技術力を示す、世界に誇る「運行ダイヤ」を、おもてなしのこころをこめて、日本の伝統的な「折り紙」で表現したとのことだ。
改札階へと昇る3つ並んだエスカレータは、近寄ると中央線カラーの緑の照明が点滅しクロスするかのように見える。これは、2列に並んで立ち止まって利用することを誘導する仕組み(片側空け抑止機能)とのこと。うまく作用するとよいのだが。
巨大なサイネージが目につく夢洲駅の地下1階コンコース
1階のコンコースには、ホームと同じく、門型照明と折り紙天井も設置され、これらは夢洲駅のデザインの特徴となっている。ホームよりもスペースが広いので、折り紙天井にもバリエーションがある。列車ダイヤグラムはラッシュ時や閑散時間帯により密になったり疎(そ)になったりするので、それをイメージしたという折り紙天井のデザインも場所によって密になったり疎になったりという凝りようだ。
トイレにも工夫がある。一般的な男女のトイレのほか、オールジェンダートイレが設置されたのは時代に即した配慮であろう。
そして改札口近くにある超大型サイネージが目を惹く。
Osaka Metro御堂筋線の梅田駅にある大型サイネージUmeda Metro Visionは全長40m×縦4mの巨大なもので、「地下空間の世界最大LEDディスプレイ」としてギネスブックに登録されている。
ここ夢洲駅のものは全長55m×縦3mというさらに巨大なものである。しかも、この付近には柱がないので、その巨大さが一層際立っている。一見の価値ありだ。
南改札口にずらりと並んだ改札機は16台。そのうち、QRタッチ対応機9台、顔認証改札機1台となり、時代に対応したラインアップである。色もほかの駅とは異なるシックな黒で、夢洲駅仕様で特別感をアピールしている。全体的に近未来感があふれるデザインで、「移世界劇場」(動く(いきる)=移動の魅力を発信する駅)と命名され、イベント会場最寄り駅にふさわしい。
夢洲駅へのアクセスルート
この夢洲駅へ向かうOsaka Metro中央線は、大阪市内でニュートラムを含むOsaka Metro全路線と乗り換え可能なので利便性がよい。
遠方から東海道・山陽新幹線で新大阪に到着した場合は、新大阪駅から御堂筋線に乗り換え、本町でOsaka Metro中央線に乗り換えれば夢洲駅に着く(乗車時間はトータルで30分、乗り換え時間を考慮すれば40分程度)。
JRの大阪市内行き乗車券を有効に活用したいならば、大阪駅に出て、大阪環状線内回りに乗り弁天町へ。そこで、Osaka Metro中央線に乗り換えると便利だ。
名古屋から近鉄特急「ひのとり」などで大阪難波駅に到着するなら、同じホームから阪神なんば線の電車で九条に向かい、そこからOsaka Metro中央線に乗り換えて夢洲駅に向かう。
夢洲駅は大阪・関西万博の会場最寄り駅となるだけではなく、2030年にオープンが予定されている大阪IR(統合型リゾート)の最寄り駅ともなる。これからの発展が楽しみだ。
資料・写真提供=Osaka Metro
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
(文:野田 隆)
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