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虐待レベル!結婚直後に夫が豹変したので密かにピルを飲み始めた妻「妊娠したら離婚できない…」

オールアバウト / 2025年1月23日 22時5分

虐待レベル!結婚直後に夫が豹変したので密かにピルを飲み始めた妻「妊娠したら離婚できない…」

結婚前は楽しく2人の時間を過ごしていたのに、結婚した途端に支配欲をむき出しにしてくる夫が存在する。2つの事例から、男性の心理が見えてくる。

夫からのモラハラや暴力で離婚する女性は少なくない。彼女たちの多くが「結婚前は本当にラブラブだった」「優しい人だったのに」と口をそろえる。いったい彼らに何があったのか、なぜ急変したのだろうか。

豹変事例1. 結婚式を挙げた途端にモラ夫化

同い年ということもあり、結婚前は完全に「友達ノリ」だったのに、結婚式を挙げた途端、夫の態度が激変したというヒロカさん(36歳)。1年半付き合った彼とは、お互いに言いたいことを言い合い、周りからも「漫才か」と言われるくらい息が合っていた。

「私のツッコミに彼がボケたり、彼のツッコミに私がツッコミ返したり。冗談の中にも、私たちは真っすぐに向き合っているという自信がありました」

それなのに結婚式からのハネムーンを終えて新居に落ち着くと、夫となった彼が突然言った。

「これからは夫婦だから、オレは夫として頑張る。だからきみは妻として嫁として誠実に尽くしてほしい、と。私のほうが役割多いし、尽くせってどういうこと? といつものように笑いながらツッコんでみると彼はにこりともしなかった。そういうことだよって。不穏なものを感じましたね」

「分担という言葉はやめてくれ」

ヒロカさんも仕事を続けていたので、むしろ家事分担の話をしたかったのに、夫は耳を貸そうとしなかった。分担という言葉はやめてほしい、オレはできる時はやるからとはねのけたのだ。

「とはいえ彼はそれまで実家に住んでいたので、家事なんてほとんどできないだろうなと思っていました。案の定、生活が始まっても彼はほとんど何もしない。たまにはお風呂掃除くらいしてよと言うと、『仕事が忙しいんだよ』って。

私だって忙しいけど、ダッシュで帰ってきて毎日ごはんを作ってるんだよ、ゴミ出しだって洗濯だって全部私がやってる。『今まで1人で暮らしてきたんだろ。2人分になっても変わらないじゃん』と。いや、労力は2倍だよと言うと、妻で主婦なんだから当然なんじゃないのと」

ヒロカさんは詰め寄った。どうしちゃったの? まったく人が変わったみたい。ふざけないし楽しそうじゃないし、結婚を後悔してるのかと聞いてみた。

「結婚したからには、ちゃんとした夫婦にならなくちゃ。うちの親みたいにと彼は言うわけです。でも私から見たら、彼の両親は完全に義父が威張って義母が嫌々従っているという関係。彼にはああいうのが理想なのかと残念でした」

それにしても、人はそれほど急変するものなのだろうか。彼には『結婚』というものが非常に重く、とにかく公私ともにきちんとしなければという思いが強かったようだ。

「会社では宴会部長と言われていたらしいんですが、それもなりをひそめて、やたらとまじめに仕事に取り組み、上司にゴマをするタイプに変わったようです。共通の知人からも、結婚してつまらなくなったと言われていました」

妻は、密かにピルを飲み始めた

彼女は密かにピルを飲み始めた。妊娠したら離婚できなくなると思ったから。そして1年後、彼に離婚を切り出した。

「こんなに頑張ってきたのにって彼は怒ったんですよ。何を頑張ってきたのか知らないけど、結婚生活はまったく楽しくなかった。人生を楽しくするために結婚したのにと私も言い返した。家事と仕事で私は疲れ切っていました。

あなたが一緒に歩もうとしていないのはよくわかった、お互いフルタイムで働いているのに家事のすべてを私に押しつけるのは私への虐待だといってやりました」

彼は離婚はしないの一点張りだったが、彼女は家を出てアパートを借りた。そして別居2年がたったころ、「そろそろ世間体としても悪くないから」と彼は離婚を承諾した。自分たちの気持ちより世間体や親の反応を気にしていたようだ。

「今でもあの結婚は何だったんだろうと思うことはありますね」

離婚から5年たった38歳のとき彼女は再婚。今回は結婚後も変わらない男性だったという。

豹変事例2. 妻の私的な行動を全部潰す夫

「結婚した瞬間、この人は僕のものだという意識は確かにありました。だからといって何をしてもいいとは思っていなかったんだけど」

かつて妻に文句ばかり言い、時には手をあげることもあったと白状したマサトさん(42歳)。30歳のとき、1つ年下で2年付き合っていた彼女と結婚した。

「大好きだったんですよ、彼女のことが。だから結婚したときはうれしかったし、ずっと一緒にいたいと思った。そのためには彼女を囲い込まなければという思いもあったんです」

嫉妬も強かった。同じ会社だったから、彼女が仕事で上司から褒められたと知るとイライラした。自分が彼女より上にいなければ、いつか彼女に見放されるかもしれないと感じていたのだ。尊敬されたかった、愛されたかったからこそ、彼女を支配しようとした。

「妻の私的な行動は許さなかった。同僚と飲みに行くと聞くと、わざと具合が悪いと連絡をしたり。週末、友達に会いたいんだけどと言われると、その日は僕の実家に一緒に行くって連絡しちゃったと言ってみたり。子供じみているけど、彼女の関心が常に僕にないと不安だったんです」

「きみは無理、失敗するよ」と脅しまで

挙げ句、彼女が大きなプロジェクトの担当に抜擢されると、「断ったほうがいい」と伝えたそうだ。きみは無理だ、失敗するよと脅しのように言い続けたのだという。

「うまくいったら僕は置いてけぼりになると思った。それでもやると彼女が言ったから揉めて、思わず『きみのために言ってるのに』と平手打ちしてしまったんです。

オレの言うことを聞かないのか、きみのことを一番大事に考えているのはオレなのに、どうして思い通りにならないんだという苛立ちからでした。暴力はそのとき1回だけです」

1回でも暴力をふるったら人間関係は終わることがあるのを彼は考えていなかった。私の人生を阻止する人と一緒に暮らせないと、彼女は出て行った。

妻と離婚してカウンセリングを受けた

「あっけなかった。こんなに好きなのにと彼女に恨みを募らせていたけど、別れたあとでカウンセリングに行き、自分がいかにひどいことをしたか分かりました。その後、会社を辞めて実家に戻り、家業を手伝っています。

好きだから自分の思い通りでいてほしい、でもその気持ちを押しつけてはいけない。理屈ではわかっていたけど、僕は押しつけて彼女に嫌な思いをさせた。いくら謝っても謝りきれません」

いくら好きでも、相手に自分の思いを押しつけ、理想通りにあってほしいと願うのはエゴであり、支配にほかならない。この「支配欲」が間違っていることを認識しないと、人間関係は成り立たない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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