妊娠8カ月の不倫相手が泣きながら自宅へ……あまりにゲスい夫の行動から2年たって
オールアバウト / 2025年1月24日 22時5分
不倫や浮気が「ゲス」と「ゲスじゃない」とに分かれるとしたら、夫がしたのは紛れもない「ゲス不倫」。発覚してからも夫は驚きのゲス行動に出る。サレ妻は夫婦関係の修復は不可能と判断し、即離婚を決断した。
著名人であっても一般市民であっても、「不倫」をする人はするものだ。世の中からなくなることはないだろうが、それでも「あまりにゲスい」不倫は、人間関係をも変えてしまう。
必死でがんばってきた
「とんでもない事態に巻き込まれてから2年、離婚してから1年。よく神経がもったなと自分でも思います」アキさん(40歳)は微笑みながらそう言った。10歳と6歳の子どもを育てているシングルマザーである。
今でも思い出すと胸が苦しくなるという「あの日」は2年前の今ごろだった。
「上の子を学童、下の子は保育園に預けていたので、仕事帰りにふたりを迎えに行って帰宅すると、マンションの前に妊婦さんが立っていたんですよ。気にしつつもオートロックのドアを開けると、『あの……○○さんでしょうか』と名字を呼ばれた。そうですけどと言うと、『私、弟さんとつきあっている者なんですが』って」
アキさんには当時、結婚して3年ほどの弟がいた。何やらわけありのように見えたため、迷ったものの立ち話というわけにはいかない気がして、彼女を家に入れた。
「子どもたちがお腹をすかせていたから、作っておいたおにぎりを渡して部屋にいなさいと。彼女をリビングに迎え入れると、いきなり泣き出しました。お姉さんに話を聞いてほしいって。『弟さんは独身だと思っていた。だけどお腹がここまで大きくなってから結婚していることを知った』そうです。
弟の勤務先に行こうかと思ったけど、自宅のほうが近いので、ここへ来たって」
驚きの事実が発覚
彼女は、「彼は離婚したシンママのお姉さんと一緒に住んでいる」と信じ込んでいた。そのあたりでアキさんはおかしいなと思い始める。「実はうち、事実婚なので私、名字が変わっていないんです。だけど弟の言い分とされるものはなんだかヘン。弟の名前を尋ねると合っている。でもねえ、弟は惚れ込んだ女性と結婚して3年、娘が生まれたばかりだし、性格を考えると浮気だの不倫だのというのが思い当たらない。
そこであなたが言うのはこの人かと夫の写真を見せると『そうです』と泣き崩れた。『あなたを混乱させると思うけど、その人、私の夫なんだけど』と言ったら、いきなり泣き止みました。あまりにびっくりしたらしい」
びっくりしたのはアキさんも同じだった。とりあえず確認してから連絡する、今日は帰ってとタクシー代を握らせた。彼女はおとなしく帰っていった。
「そこからは修羅場でしたね」
夫は離婚を拒んで
その日の深夜、帰宅した夫に彼女の件を伝えると、夫の顔から血の気が引いた。「どうして弟の名前をかたって不倫をしたのか。それがいちばん不思議だった。もちろん、夫に裏切られたショックはあったけど、それ以上に納得できなかったのが弟の名をかたったことでした。夫は『深い意味はなかった』と。
うっかり不倫をしてしまったから、自分の痕跡を消したかったとか言ってたけど、子どもまでできているのだからそんな言い訳は通らない。何を言ってるんだと思いました」
彼女は妊娠8カ月に入るところだと言っていた。今後、どうするつもりだったのかと聞くと、夫は泣きながら「オレの子とは限らない。オレは自分の子だとは認めない」と言い張る。それはDNA鑑定をすれば分かること。不倫をしたことはどう思っているのか、もし自分の子だったらどうするつもりなのかと尋ねても、夫の答えは要領を得ない。
「事実婚を選んだのは、お互いに名字が変わるのは嫌だったし、従来の家族制度に組み込まれる不快感があったから。そういう価値観が一致していたから事実婚を選んで、常に話し合って生活してきたという自負があったんですよ。だけど夫は不倫していた。
今までの私たちの関係は何だったのか、価値観の一致は私の思い込みだったのかと怒りをぶつけました」
すると夫は、「オレは普通の結婚でもよかった」と言いだした。だったら最初からそう言えばよかったのにと言うと、「でもそう言ったら結婚してくれなかったでしょ」と夫は恨みがましい目でアキさんを見た。
「だから浮気したのかと聞いたら、『彼女は僕を慕ってくれた。僕を崇めてくれた』と。彼女、私より9歳も若かったんです。崇めてくれる若い女にコロリといくのも分からなくはないけどね、対等じゃない関係を望んでいたのねと嫌味を言ってやりました」
妻にすがる夫のゲスすぎる行動
アキさんはすぐに別離を決めたが、夫はなぜか「別れたくない」とごねた。子どもが生まれるのに、このままでいいはずがないでしょと夫に説教しながら、「私はこの人の母親じゃない」とも思っていたという。「結局、私が夫を追い出し、弁護士を入れて別離の条件を提示しました。夫はその間、私の実家まで行って泣きついたり、彼女を連れてきて謝らせたり、いろいろなことをしましたが、そうされればされるほど私は夫が嫌になっていった。彼女を連れてくるなんて最低ですよね」
あまりゲスなことはしないほうがいいと夫には告げた。夫があまりにも諦めが悪いので、ついにアキさんは夫の両親にもことの真相を打ち明けた。夫がようやくあきらめたのは発覚から1年近くたったころだ。
「それからはなにも考えずに仕事と子どもたちのことだけ考えてがんばって生きてきました。噂では例の彼女は実家に帰って出産したまま戻ってこないとか。彼女にも捨てられたのかもしれない。とにかく夫のゲス不倫のことは忘れたい。でも時々、彼女が最初にうちに来た日のことを思い出すんです。
彼女も、もしかしたら夫のことを信じられなかったのかもしれない、つらかったんだろうなと」
たとえ不倫でも、「ゲス」と「ゲスじゃない」とに分かれるのかもしれないと彼女は少し疲れた表情で言った。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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