Q. 「キスで歯周病がうつる」って本当ですか?【歯科医が回答】
オールアバウト / 2025年1月27日 20時45分
【歯科医が回答】10秒のキスで移動する細菌の数は「8000万個」と言われています。パートナーの歯周病菌に感染するリスクと、歯周病予防のために大切なことを解説します。
Q. 「キスで歯周病がうつる」って本当ですか?
Q. 「小さい頃から虫歯もなく、歯の丈夫さには自信があります。最近『キスで歯周病がうつる』と聞いて不安になりました。実際に、キスが原因で歯周病になってしまうことはあるのでしょうか? 予防法はありますか?」A. 本当です。しかしキスをしなくても、完璧な感染予防は難しいです
歯周病の有病率は、20代で約7割、30~50代は約8割、60代では約9割にも及びます。生まれたての赤ちゃんの口内には歯周病菌が存在しないため、もし一生その状態が保てれば、歯周病のリスクは全くありません。しかし、歯周病菌に感染し、口内で細菌が増殖していくと、将来的に歯周病リスクは高くなっていきます。年齢と共に歯周病の患者さんが増えるのはそのためです。
「キスによる感染リスク」についてのご質問ですが、ある研究によると、10秒のキスで移動する細菌の数は「8000万個」と報告されています。もちろん全てが歯周病菌や虫歯菌などの悪い菌ではありません。
しかし日々スキンシップをするパートナーがいて、相手の口内環境に問題がある場合、そうでない人よりも歯周病の感染リスクは高いと考えた方がよいでしょう。
では、キスを全くしなければ歯周病は避けられるのでしょうか? 現実的には、そうではありません。人との会話や食事の場があり、ごく普通の日常生活を送っていれば、菌の感染を完全に予防することはほぼ不可能です。「歯周病菌に感染しない生活」を送ることは、現実的ではありません。
大切なのは、歯周病菌に感染したからといって、歯周病を発症するわけではない、ということです。歯周病菌の感染自体は大きな問題ではなく、それらが口の中で増殖し、プラークになることが問題なのです。プラークとは、1g中に1千億~1兆個もの細菌を含む細菌の塊ですが、毎日の丁寧な歯磨きで防げます。
歯周病を予防したいなら、日々の歯磨きによるプラークコントロールの徹底と、定期的な歯科医院での歯石除去が大切です。過度に感染を恐れるのではなく、上手に健康な口内環境を保つようにしましょう。
丸山 和弘プロフィール
1995年より臨床一筋の現役歯科医師。歯科大学卒業後、仙台市東邦歯科診療所を経て地域密着型の歯科医師に。小さな子どもの虫歯予防から歯のホワイトニング、お年寄りの入れ歯の相談まで、数多くの症例と日々向き合いながら、虫歯、親知らず、口内炎、歯周病など、歯の健康を守るための情報を数多く発信している。(文:丸山 和弘(歯科医))
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【50代からの口臭ケア】1日3回の舌回しで夕方も息すっきり! 歯科医師に聞く口臭対策エクサ
HALMEK up / 2025年1月29日 18時50分
-
今日からできる「むし歯にならない」4つの食べ方 緑茶や海産物に含まれている「フッ素」に注目
東洋経済オンライン / 2025年1月25日 14時0分
-
Q. 「歯に悪い果物がある」って本当ですか?【歯科医が回答】
オールアバウト / 2025年1月23日 20時45分
-
起床時は口内“ネバネバ” 歯磨きサボって朝食済ませると、どうなる? 歯科医師に聞いてみた
オトナンサー / 2025年1月21日 6時10分
-
歯周病は「放っておけばいい」と思っている人に訪れる悲劇
日刊SPA! / 2025年1月3日 15時52分
ランキング
-
1小池都政「お台場に26億円の世界最大級噴水」はフジテレビの“天皇”案件?整備計画にチラつく日枝久氏の影
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月29日 18時3分
-
2「生活防衛資金」が貯まったら、どこに預けておくといい?
オールアバウト / 2025年1月29日 19時30分
-
3なぜ「軽商用車」を購入する一般ユーザーが増加? 「軽乗用車」よりもメリットある!?「4ナンバー車」を“仕事以外”で使う事情とは?
くるまのニュース / 2025年1月29日 12時50分
-
4「認知症予備軍」早期発見する重要な"8つのサイン" 「物忘れ」「料理の味が変わった」に要注意
東洋経済オンライン / 2025年1月29日 7時50分
-
5「納得いかない」「完全に業務上横領」学校給食のあまり食材でまかない調理、懲戒処分に賛否両論
週刊女性PRIME / 2025年1月29日 5時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください