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フランス人が、日本人ほど「ディズニーランド」に熱狂しない理由。両国で異なるキャストの「採用制度」

オールアバウト / 2025年1月28日 20時15分

フランス人が、日本人ほど「ディズニーランド」に熱狂しない理由。両国で異なるキャストの「採用制度」

ディズニーランド・パリは1992年にオープンし、ヨーロッパ初のディズニーランドとして大きな話題を呼びました。東京のディズニーリゾートとはどんな違いがあるのか、フランスに熱心なファンはいるのか、それぞれの特徴を紹介します。(サムネイル画像出典:Ferreiro / Shutterstock.com)

ディズニーランド・パリは、アメリカのカリフォルニア、フロリダ、そして日本の東京に次いで、世界で4番目のディズニーランドとして1992年に開園しました。以前は「ユーロ・ディズニーランド」と呼ばれていたこの名前を、1度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか(2002年に名称変更)。

実はディズニーランド・パリは市内にはなく、パリ近郊のマルヌ=ラ=ヴァレ県に位置しています。パリ中心部からは電車で約40分で到着し、乗り換えなしで直行できるため、アクセスのよさも大きな魅力の1つとなっています。

東京とは異なる2つのテーマパークが

パリの駅で表示されている「ディズニーランド方面(ミッキーマウス)」のマーク(写真は筆者撮影)東京ディズニーリゾートには、「ランド」「シー」という愛称で親しまれている2つのテーマパークが存在します。ディズニーランド・パリも2つのテーマパークで構成されているのですが、こちらではそれぞれを「ディズニーランド・パーク」「ウォルト・ディズニー・スタジオ」と呼んでいます。

まずはその特徴を簡単にご紹介しましょう。

ディズニーランド・パーク

画像出典:Wirestock Creators / Shutterstock.comディズニーランド・パークの最大の特徴は、コンセプトやデザインにヨーロッパの文化が大きく反映されているところです。特にシンデレラ城にあたる「眠れる森の美女の城(Le Château de la Belle au Bois Dormant)」では、フランスの中世のお城をモチーフにした華麗な建築様式が再現されています。

ディズニーランド・パーク全体としては、時代や趣の異なる5つのエリアで構成されています。合計では40以上のアトラクションがあり、「ビッグサンダー・マウンテン」や「イッツ・ア・スモールワールド」などは日本と共通していますが、ホーンテッドマンションより怖い「ファントム・マナー」や、「ハイパー・スペースマウンテン」などは、ディズニーランド・パリだけの限定アトラクションとなっています。

ウォルト・ディズニー・スタジオ

画像出典:aureliefrance / Shutterstock.comウォルト・ディズニー・スタジオは、ディズニー映画やアニメーションの世界をテーマとしたアトラクション・テーマパークです。その規模はディズニーランド・パークのおよそ3分の1と小さいですが、パリならではの特別なエリアも存在しています。

例えば、ディズニー映画『レミーのおいしいレストラン』をモチーフにしたエリア。このエリアでは、映画の舞台となったパリの雰囲気を再現しており、レストランでは「ラタトゥイユ」などフランス料理が提供されています。また、レミーをテーマにしたアトラクションやギフトショップ、さらにはワインショップもあり、フレンチ・ガストロノミーの世界を存分に堪能できるのが特徴です。

そのほか、『アラジン』や『ファインディング・ニモ』を題材にした乗り物など、日本にはないアトラクションが多数あるディズニーランド・パリ。花火、レーザー、ドローンを組み合わせた「世界一」と呼ばれるパレードも大変有名です。

ディズニーランドに対する「熱量」が日本ほど高くない

さて、フランスの人々はディズニーランドをどのように感じているのでしょうか。日本では熱狂的なファンが多く、東京ディズニーリゾートはまさに「夢の国」として多くの人々に愛されています。しかしフランスでは、ディズニーランドに対する「熱量」が日本ほど高くない印象を受けます。

とはいえ、「1度は行ったことがある」と話すフランス人は多いです。その中でも特に目立つのが、「子どもが小さい頃に行った」または「子どもの頃に親と一緒に行った」という声。フランスの子どもたちもディズニーアニメが大好きなので、ディズニーランド・パリは主に「家族のレジャースポット」として人気を集めているようです。

一方で、カップルがデートに訪れる場所ではないのだとか。その理由は、フランスならではの文化的な要素が影響していると考えられます。というのも首都パリでは、非常に多くの美術イベントやファッションイベントが開催されており、クラブやバーといったナイトライフもかなり充実しているためです。

さらにフランス人のライフスタイルとして、家族や恋人と過ごす時間を何よりも大切にする傾向があります。こうした背景から「娯楽施設」としてのディズニーランドが目立ちにくいのでしょう。大型テーマパークに向かうよりも、近場でリラックスした時間を求める人が多いことも理由の1つです。

ヨーロッパを行脚するディズニーランド・パリの求人

画像出典:Wirestock Creators / Shutterstock.comちなみに、「働く場所」としてのディズニーランド・パリはどうなのでしょうか。

実は、ディズニーランド・パリのあるマルヌ=ラ=ヴァレ県には、複数の大学キャンパスがあります。そのため地元の大学生にとってはいいアルバイト先の1つ。実際に、ディズニーランド・パリのキャスト(アルバイト)として働いたことのあるフランス人からは、「とてもいい経験だった」という感想を聞きました。

一方で正社員や契約社員として働く際には、ヨーロッパならではのユニークな採用方法も行われています。

ディズニーランド・パリが実施しているのは、毎年恒例の「キャスティング・ツアー」と呼ばれる採用キャンペーンです。このツアーは、フランス、イタリア、スペインの計7都市で行われ、ホテル、レストラン、レセプション、テクニカルサービスなど、さまざまな職種の採用が行われています。

つまりこれは、採用担当チームがその都市に直接出向いて面接を行うというもの。働きたい人は事前に登録を済ませ、30分程度の面接と、ポジションに合わせたロールプレイングが求められます。

このようにディズニーランド・パリの求人は、フランス人だけでなく近隣諸国の人々にも開放されています。この規模と方法には「さすがヨーロッパ」という印象を受けますよね。もちろん、ディズニーランド・パリではほとんどのキャストが英語話者だということです。

日本との違いを楽しめるディズニーランド・パリ

東京のディズニーリゾートは、「ディズニーシー」のロマンチックな雰囲気や大人向けのエンターテインメントが充実しているほか、日本ならではのホスピタリティ、徹底された清潔度が世界的に評価されています。

ディズニーランド・パリは日本ほど清潔ではないかもしれませんが、フランスらしいアトラクションやヨーロッパのリラックスした接客が楽しめる場所。英語が堪能で国際色豊かなキャストが多いことも、心強いポイントになるでしょう!

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
(文:大内 聖子)

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