「代々木八幡駅」には何がある? 実は“個性的な公衆トイレ”にあふれた街【散歩してみた】
オールアバウト / 2025年2月5日 21時25分
代々木公園と直近の小田急小田原線「代々木八幡駅」は、閑静で目立たない印象がありながらも、実はアート・歴史・文化とさまざまな魅力がある隠れ散策スポット。実際に、降りた先には何があるのか確かめてみました!
代々木八幡駅に停車するのは小田急小田原線の各駅のみですが、東京メトロ千代田線「代々木公園駅」とほぼ直結しており、実質的に小田急線と千代田線の2路線が使えるなど、電車の利便性はなかなかのものです。
この街には「代々木公園」「代々木八幡宮」に代表される、奥深い歴史あるスポットがたくさんあります。地域密着型の商店も多いので、試しに足を運んでみれば、意外な発見があるかもしれませんよ!
代々木八幡駅の基本情報:家賃相場はいくら?
代々木八幡駅周辺の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約10.8万円、1LDKで約19.0万円、2LDKは約25.6万円となっています。(SUUMO、2025年1月19日確認)。小田急線内でも最も相場が高めな駅の1つであり、起点である新宿駅と比べても1万円以上もハイコストです。代々木八幡駅は1927年に小田原線とともに開業。近隣にある「代々木八幡宮」がそのまま駅名の由来となっています。戦争中は空襲に遭うも、駅員や地域の方々の懸命な消火によって消失を免れた、というエピソードがあるそうです。
駅の南口を出るとすぐに別の駅が
代々木八幡駅は地上ホームの上に駅舎や改札が被さっている、かなりシンプルな構造。階段は1つだけですが、出口は階段を降りた先の北口と南口、山手通りと小田急線が交差する陸橋(八幡橋)に直結した西口と3カ所あります。駅舎内は天井の骨組み部分に添えられた木材がシャープながらも穏やかな印象。この駅は2019年のリニューアル時、自然の光や風を取り入れる空間設計がされたほか、バリアフリー化などの配慮も取り入れられたそうです。こちらが南口。駅舎の屋根が大きく張り出しており、爽やかでありながら雨の日などに助かる設計です。南口を出てちょっと歩くと、早速別の駅の入り口を発見。こちら「東京メトロ線代々木公園駅」は前述のとおり代々木八幡駅の南口から隣接しており、徒歩1分もかかりません。
南口商店街には気になるお店&駅直近の銭湯も!
南口に接する富ヶ谷1丁目通りや、代々木八幡駅と代々木公園駅の合間には数多くの商店や飲食店が肩を並べています。新宿と原宿の両方にアクセスしやすい立地ゆえでしょうか。また、地形や八幡橋の影響もあって、坂道や階段などのアップ・ダウンがかなり多いのも特徴です。
駅前商店街では気になるお店をあちこちに発見! 駅前のカレーライス店「SPICE POST」はおいしそうなカレーの写真看板と、黄色地に黒文字の「カレー屋」が何ともインパクト大。行列ができることもあるほどの人気店だそうです。代々木八幡駅と代々木上原駅の間にあるのは隠れ家的なイタリアンレストラン「ダル・マテリアーレ」。本場イタリアで修行したシェフが、自家栽培の新鮮野菜を使ったイタリア料理を作っているんだとか。
カフェ「SWITCH COFFEE TOKYO」はこじんまり&シャープな店内空間で供される本格コーヒーが魅力。朝8時から早朝営業しているのもうれしいポイントです。富ヶ谷1丁目通りを少し脇に入った場所にはドーナツショップ「FRECKLE donuts」が。2024年7月にオープンしてからわずか半年足らずで大人気となった、代々木八幡の新しいトレンドスポットです。
また、代々木八幡駅と代々木公園駅の間には、「八幡湯」という銭湯も。両駅を出て1分足らずで銭湯でサッパリできるなんて、仕事帰りなどで通いたくなりますね!
南口近辺は買い物にも便利
南口近辺には食料品の買い出しに便利なスーパーマーケットも複数あります。こちらの「マルマンストア」は代々木公園駅の真上にあり、代々木八幡駅からも直近。入り口に並べられたかんきつ類などが充実しており、ニューヨークの街角にあるスーパーのような雰囲気。後述の代々木深町小公園から近い「アビオファームズマーケット」では、直営農園で作られた品質の良い新鮮野菜など、さまざまなオーガニック食材を販売中。お弁当やコーヒーや、アジアン料理の「マーラーカオ」などテイクアウトも可能です。高級スーパーの代表格「成城石井」も富ヶ谷1丁目通りに面しており、駅を出てすぐアクセス可能です。
山手通りと井の頭通りが交差する所には、こちらもオーガニック食材の取扱いで知られる「ビオセボン」が。ここから横断歩道を1つ渡ると「肉のハナマサ」も利用できます。また、駅から少し離れた場所には「マルエツ」「まいばすけっと」もあるなど、代々木八幡駅周辺はなかなかに普段の買い物で便利そうですね。
代々木公園にもすぐ行ける。個性的なトイレも
駅南口の飲食店街を抜けて東方向の「代々木公園交番前」交差点に行くと、一気に視界が開けます。左折して歩いた先にあるのは「代々木深町小公園」。遊具や運動場があり、小さいながらも穏やかでゆったりした休憩スポットです。公園の端の方には代々木公園駅の出口も。この特徴的な建物は「トイレ」。2020〜2023年にかけて日本財団と渋谷区が実施した共同プロジェクト「THE TOKYO TOILET」で建てられたもので、個性的&芸術的なトイレのデザインには「臭い・汚い・暗い」といった公衆トイレのイメージ払拭(ふっしょく)に加え、性別・年齢・障害の有無を問わず誰もが快適に公共施設を使える多様性社会への願いが込められているそうです。
代々木深町小公園のトイレは著名な建築家・坂茂(ばんしげる)氏の設計。災害の避難先でも簡単に建てられ、なおかつ建物の機能性や快適さも確保した、紙管やコンテナによる建築で知られています。こうした「THE TOKYO TOILET」の作品は渋谷区内のあちこちに点在しており、2023年の映画『PERFECT DAYS(監督:ヴィム・ヴェンダース 主演:役所広司)』にも登場しています。
そして、代々木深町小公園と道路を挟んだ反対側にあるのが、都心部を代表する大型公園の1つ「代々木公園」の西門です。大日本帝国の代々木練兵場が日本敗戦後にワシントンハイツ(連合軍の兵舎・邸宅等)となり、1964年の東京五輪では選手村に……という複雑な変遷を経て、1967年に開園しました。現在では戦争に翻弄された過去を乗り越え、都民の憩いの場として定着。この代々木公園で散歩を満喫してから、代々木八幡駅近くの「八幡湯」で汗を流し、その後は駅周辺の飲食店で食事……なんていう休日コースも組めそうですね!
北口には高級飲食店&歴史スポットが
一方、こちらは駅の北口。南口のにぎやかさに比べると、ややドライな印象です。すぐ目の前には、昨年(2024年)に創業100周年を迎えた老舗エレクトロニクス機器企業「YKT」のビルが鎮座しています。その1階には和食料理店「THE WASHIN by 上越やすだ 代々木店」が入居。北口から左へ行き、山手通りの下をくぐると、その先にはゆるやかなカーブを描く小道が。こちらにもイタリアンやそば屋など飲食店が並んでおりますが、全体的に南口よりも落ち着いた雰囲気です。このエリアで、ちょうど新規開店したばかりのカフェも発見しました。こちらの「ジョナスレッグカフェ」は1月11日にオープンしたばかりで、下北沢にある「アートレッグカフェ」の姉妹店とのこと。これからの盛況に期待ですね!
駅西口から山手通りウォーキング
駅の西口はこんな雰囲気。西口を出た先には、山手通り陸橋の開けた風景が広がっていました。この近辺で特徴的なのは、山手通りの中央に建ち並ぶ「塔」。これは通りの地下を走る首都高速道路・山手トンネルの換気塔。北方向にあるJR総武線・東中野駅あたりなどにも、同じ換気塔が並んでいます。山手通りを北に歩いていくと、途中で大きな鳥居と階段に出くわします。その先にあるのは「代々木八幡宮」。1212年創建の由緒ある神社です。こちらの境内では1950年の発掘調査で縄文時代の建物跡(現在は渋谷区指定の史跡)が発見されており、それを復元したものも展示されています。この地域に住む人々と街の歴史は意外と、そしてものすごく長いようです。
個性的な「トイレ」から大使館まで見どころ多め
代々木八幡宮の鳥居横には、再びユニークな外観の公衆トイレを発見! こちらも「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの作品で、題名は「Three Mushrooms」とのこと。Three Mushrooms近くの交差点で山手通りをまたぎ、小道に入った先は高級住宅街が続いています。その中にあるのは「駐日ベトナム大使館」。ほかにも代々木八幡駅の周辺にはブラジル・ブルガリア・ラトビア・ニュージーランド・モンゴル・イラク・コートジボワールなど複数の大使館が! 建築の外観や雰囲気はさまざまで、この大使館巡りだけでも散策を楽しめそうです。
代々木八幡駅は街と区の歴史に触れられる、意外と奥深いエリア
代々木八幡駅周辺の特徴は整った住環境もさることながら、縄文時代から現代までの地域史が地層のように現れていること。代々木八幡宮では縄文〜中世の歴史に触れられ、代々木公園にはどこか戦前期〜高度経済成長期の面影が見られます。山手通りの都営大江戸線換気塔や「THE TOKYO TOILET」からは、21世紀における街と区の変遷が見えるでしょう。平均家賃の高さはネックと言わざるを得ませんが、それをクリアできる人にとっては、生活面でも歴史・文化面でもとても良い場所と呼べるかもしれません。この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール
都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。
(文:デヤブロウ)
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