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知って得する! 青春18きっぷより安い「北海道&東日本パス」の賢い使い方

オールアバウト / 2025年2月11日 21時5分

知って得する! 青春18きっぷより安い「北海道&東日本パス」の賢い使い方

近年注目を集めている「北海道&東日本パス」は、「青春18きっぷ」よりおトクに旅ができるのか? 「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。

JR全線の普通列車・快速列車に乗り放題の格安きっぷとしては「青春18きっぷ」が有名だ。しかし、先日の改定により自由度が大幅に低下し、使い勝手が悪くなったと感じている人も多い。そこでがぜん注目を集めているのが「北海道&東日本パス」である。

北海道&東日本パスとは?

JR北海道の普通列車でおなじみのキハ40「北海道&東日本パス」はJR北海道およびJR東日本が発売しているフリーきっぷで、青春18きっぷ(18きっぷと略す)のコンセプトを踏襲した格安きっぷだ。ただし、18きっぷは全国のJR路線(新幹線をのぞく)の普通列車&快速列車が乗り放題なのに対し、このきっぷは、その名の通りJR北海道およびJR東日本の路線限定のフリーきっぷである。

以前は、発売期間内の任意の5日(あるいは5回)利用可能だった18きっぷに比べ、「連続する7日間」で利用しなければならない北海道&東日本パスは自由度が低いと思われていた。

しかし、このたび18きっぷが自動改札機への投入が可能になったのと引き換えに連続3日あるいは5日間利用と改変されたため、むしろ北海道&東日本パスのほうが自由度が高く、価格も割安と状況が逆転してしまった。旅先がJR東日本およびJR北海道エリアに限るのなら、このきっぷは極めて魅力的になろう。

北海道&東日本パスの値段など、おトク度は?

JR東日本の非電化ローカル線ではおなじみのキハ110系ディーゼルカー北海道&東日本パス(連続7日間)は大人1万1330円(小児5660円)、18きっぷ5日間用は1万2050円(小児用はない)なので単純比較すると北海道&東日本パスのほうが安い。1日あたりの単価は、北海道&東日本パス=1619円、18きっぷ(5日間用)=2410円となる。

北海道&東日本パスという名称ではあるが、必ずしも両方の鉄道会社の路線に乗らなければならないといった制約はないので、東日本エリアのみ、あるいは北海道エリアのみといった使い方も自由である。

その場合、7日間連続はきつい、または連続して休みがとれないという人もいるだろう。仮に、7日間のうち2日は鉄道に乗らない日があったとしても、残り5日間の1日あたりの単価は2266円となり、18きっぷよりも安く利用できる計算だ。

JR以外にも乗車できる路線がある

青い森鉄道およびIGRいわて銀河鉄道にも堂々と乗車、途中下車もできるJR東日本およびJR北海道限定ではあるが、実は、第3セクターの青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行の普通列車・快速列車は乗り放題だ(かつては、私鉄の富士急行線も利用できたが、現在は利用できない)。

これは18きっぷにはない特典で、首都圏から北海道へ普通列車と快速列車のみで向かう場合、奥羽本線や日本海側の路線を迂回(うかい)しなくていいだけにありがたい。

花輪線に乗る場合も、盛岡駅~好摩駅はIGRいわて銀河鉄道経由となるのだが、北海道&東日本パスの場合、気にすることはない。北越急行ほくほく線も十日町駅や直江津駅へ向かう場合に有効だ。

北海道新幹線の乗り方

北海道新幹線ではE5系に混じってJR北海道のH5系も活躍中北海道へ鉄道で渡る場合、現状では北海道新幹線に乗るしかない。18きっぷではオプション券購入という制度があるが、北海道&東日本パスの場合は、特定特急券(新青森駅~新函館北斗駅=4000円)を別途購入して普通車指定席の空いている席を利用できる。

18きっぷの場合は、木古内駅~新函館北斗駅は乗車不可だったが、北海道&東日本パスはOK。その代わり、道南いさりび鉄道を通過利用することはできない。

18きっぷと同じ点・異なる点

BRTにも乗車できる。写真は気仙沼駅にてそのほか、普通列車の走っていない石勝線・新夕張駅~新得駅、室蘭本線・室蘭駅~東室蘭駅の特急利用の特例については18きっぷに準じている。東北エリアのBRT(バス高速輸送システム)(大船渡線BRT、気仙沼線BRT)についても、18きっぷと同様だ。

なお、利用期間は、2025年春季の場合、2月22日から3月31日までとなる。18きっぷと異なり4月1日以降は利用期間外となっているので注意が必要である。

普通列車の本数が極めて少ない区間

東北エリアの電化区間ではおなじみの701系。ロングシート主体なので旅人には不評だ普通列車・快速列車のみでの移動は、現在かなり困難な状況だ。例えば、奥羽本線の福島駅~米沢駅は、山形新幹線「つばさ」なら、ほぼ1時間に1本走っていてそれほど不便ではないが、普通列車の本数は極めて少ない。数時間走っていない時間帯もある。秋田新幹線「こまち」が走る田沢湖線の雫石駅~大曲駅も同様だ。他にも、列車本数が極めて少ない路線・区間はいくつもある。

しかも通勤電車同様のロングシート車両に当たることも多く、ゆったりしたローカル線の旅を味わうことは難しくなりつつある。

格安と言うわけにはいかないけれど、新幹線・特急列車、観光列車を適宜利用しつつ鉄道旅行を楽しんだ方が精神衛生上はいいのかもしれない。

この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。(文:野田 隆)

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