過払い金はいくらある?引き直し計算をしてみよう

オールアバウト / 2017年8月2日 9時50分

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「結局、自分には過払い金がいくら返ってくる?」今回は、もっとも気になる点であろう「過払い金額がいくらなのか」を求めるための引き直し計算の仕組みと方法、自分で計算できる無料ソフトについて解説します。

過払い金はどうやって計算する?

過払い金返還にご興味を持ち、あるいは、過払い金返還請求を具体的に検討している方々にとって最大の関心事は、つまるところ、ご自分の借金にどのくらいの過払い金が発生しているのか、ということでしょう。

そこで今回は、過払い金額を計算する方法と理屈をご説明していきます。

過払い金額の計算方法を理解するには、そもそもなぜ過払い金が発生するのか? という基本を正しく分かっていただく必要があります。ちょっと遠回りになりますが、まずはこの点からご説明しましょう。

過払い金が生じる理由は「グレーゾーン金利」

消費者金融会社が利用者にお金を貸すとき、「利息制限法」という法律が適用されます。この法律により、貸金の利息の上限は、 ・元金10万円未満なら年利20%まで ・元金10万円以上 100万円未満なら年利18%まで ・元金100万円以上なら年利15%までと制限されています。

ところが、2010年までは、利息制限法に違反して金利が超えたとしても、「出資法」という別の法律の制限である年利29.2%を超えない限り、貸金業者に対する罰則はありませんでした。

そのため、許しがたいことですが、多くの業者は罰せられないギリギリまで高い利息を取ろうと、利息制限法は超えるが出資法は超えない範囲の利息(29%など)で貸付けをしていたのです。これがいわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。

このようにして借主が払わされたグレーゾーン金利から、本来払うべきだった利息制限法の金利を引いた差額が、過払い金となるわけです。
利息制限法と出資法の間のグレーゾーン金利の横行で、過払い金が発生していました

引き直し計算をして、過払い金がいくらかを洗い出す

例えば、29%というグレーゾーン金利で100万円借りたとします。消費者金融会社側の計算では、1年後には利息として29%にあたる29万円が付き、借金総額は129万円となります。

ところが上記の利息制限法により、本当は100万円なら15%までしか利息を付けられないことになります。本来であれば1年後には15%にあたる15万円が乗るだけで、115万円の返済義務しかありません。

この場合、借主が1年後に言われるがまま129万円を支払うと、129万円-115万円=14万円を余分に払い過ぎてしまいます。この14万円が、手元に返ってくるべき過払い金として生じることになります。

このように、利息制限法に従った適法な金利であったら借金額はどうなるか、を計算し直すことを「引き直し計算」と言います。

上記のように、一つひとつの計算式自体は単純です。ただ、実際の引き直し計算となると、かなり複雑なものになってきます。それは、返済を何度か分割でしていたり、返済途中でまた借り入れたりと、取引が何回も連続しているのが通常であるからです。

そこで次では、分割で返済した場合の過払い金の計算例を見ることにしましょう。

分割で返済した場合の計算例

例えば、29%で100万円借りた人が、1年に29万円ずつ返していく例を考えてみます。

消費者金融会社側の計算では、借りた1年後には借金が129万円に膨れ上がっています。この年に29万円返すことによって、ようやく借金が100万円に減ることになります。

2年目にも、1年目の残額である100万円に利息が付いて129万円となったものに、29万円を返済して、借金が100万円となることになります。

そうです。お気づきのとおり、この例ではエンドレスに利息だけを支払うことになり、一向に元本の100万円が減っていかないのです。29万円を何年も何十年も返し続けることになります。

これを、利息制限法に従った適法な金利で計算し直すとどうなるでしょう。

1年目の利息は、法律の上限で15%に当たる15万円ですから、借りた1年後には借金は115万円となります。これに対して29万円を返済するので、115万円-29万円=86万円が1年目の残額です。

すると、2年目の元金はこの86万円となり、利息が同様に15%乗るので、借金総額は86万円×115%=99万円。これに対して29万円を返済するので、99万円-29万円=70万円が2年目の残額です。

同様に、この70万円が3年目の元金となり、利息が15%乗るので、借金総額は70万円×115%=80万円です。これに対して29万円を返済するので、80万円-29万円=51万円が3年目の残額です。

この計算を繰り返していくと、6年目の借金は約7万円となり、6年目には完済できることになります。

ですので、29%という約束の利息を真に受けて29万円の返済を続けた場合、6年目以降の返済は返し過ぎなのです。例えば、律儀に6年目まで29万円返し続けた人は、29万円-7万円=22万円が過払い金として返ってくることになります。
100万円を借りた場合の比較。引き直し計算をすると、6年目に22万円の過払い金が生じています
上の計算では簡略化のために、「1年に◯万円返済」という設定にしましたが、現実には「1カ月に◯万円返済」というケースが多いでしょう。その場合は、年利を日割り計算します。

すなわち、例えば100万円を29%の年利で4月1日に借り、4月25日に返済するまでの利息は、100万円×29%×(24日/365日)=約1万9000円です。

自分で計算できる! 過払い金計算無料ソフト

過払い金計算の原理は以上のとおりです。とはいえ、借りたり返したりを何度も繰り返している方は、一つひとつ電卓を叩くのが面倒だと思われることでしょう。そこで、過払い金額の計算が自分でできる無料ソフトをご紹介します。

名古屋消費者信用問題研究会
愛知県近辺の弁護士数十名が、消費者の権利確保を目的として設立した団体のウェブサイトです。「名古屋式」と呼ばれる引き直し計算ができるExcel用テンプレートをダウンロードできます。使い方も同サイトに掲載されています。

アドリテム司法書士法人
「外山式」と呼ばれる計算方法を確立した、司法書士の外山敦之先生のウェブサイトです。利息計算ソフトというExcel用テンプレートで、過払い金額が計算できます。詳細な使用方法は、同サイトをご参照下さい。

ただし、これらのソフトも、ご自身で入力する際に使いこなせずにミスや誤解があったりすると、正確な金額は算出できません。ご自身の借入・返済の状況に即して、正確な過払い金額を出すためには、やはり専門家である弁護士や司法書士に相談するのが確実でしょう。

現在は、過払い金額の計算のみを数千円程度で引き受ける弁護士事務所、司法書士事務所もネットで探せますので、とりあえず金額だけ知りたいという方は、そちらを利用するのも手でしょう。
(文:奥山 光幸)

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