「おんなのこ」の肯定感ににんまり? 夏に読みたい「青春を思い出す」一冊
ananweb / 2017年6月30日 22時0分
anan読書委員会が、夏に読みたい本をセレクト。甘酸っぱさとともに、切なさも痛みも引き受けなくてはいけないのに、あの夏に戻りたくなる……。今回は、そんな青春時代を思い出すような作品をご紹介します。
■ ひと夏の憧れと喪失感。清らかな結びつきに涙する。(ミュージシャン・志磨遼平さん[ドレスコーズ])
『青春は美わし』ヘルマン・ヘッセ 高橋健二 訳
夏の休暇に帰郷した青年は、幼い頃から憧れていた美しいヘレーネと再会。しかし気取らず話ができる妹の友達のアンナに次第に惹かれていく。「純真無垢な青春の美しさを描かせたらいまだ右に出るものなし、ヘッセの名作中の名作です。人生には、こんな季節が誰しもあり、大人になったいまだからこそなおいじらしく思うはず」新潮文庫 370円
■ <おんなのこ>へ捧げる、好奇心と愛と肯定感。(ライター、ブックカウンセラー・三浦天紗子)
『おんなのこはもりのなか』藤田貴大
女性の体や日常のディテールに無性に惹きつけられ、爽やかに変態妄想を繰り広げる著者の初エッセイ集。「全編に貫かれている思春期男子のような<おんなのこ>への純粋な好奇心。女子ができれば隠したいと考え、夏には特に気になる体毛や匂いへの考察も、女子を全肯定してくれる温かな眼差しがあって、にんまりします」マガジンハウス 1300円
■ 恋愛や将来の夢に向き合う、真っすぐな姿がまぶしい。(ライター・瀧井朝世さん)
『その青の、その先の、』椰月美智子
充実した高校生活を送っていた17歳のまひるが選び取った未来とは。「この年頃の女の子の日常と、誰もが感じたことのある諦観や寂しさが描かれていて引き込まれます。まひるの彼氏の亮司がどこに出しても恥ずかしくない稀に見る好青年と思っていたら、後半に思いもよらぬことが…! ときめいて、泣いて、励まされる物語」幻冬舎文庫 690円
※『anan』2017年7月5日号より。写真・中島慶子 文・三浦天紗子
(by anan編集部)
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