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国連で「昆虫食」を推進? 今、人口爆発はこんなに深刻だった…

ananweb / 2017年7月13日 20時0分



意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「人口爆発」です。

■ 食糧不足も深刻化。昆虫食の時代に?


7月11日は世界人口デー。30年前のこの日、世界人口が50億人を突破したことから、国際連合開発計画が記念日に定めました。現在の世界人口は約70億人。日本では少子高齢化による人口減少が問題になっていますが、世界人口は爆発的に増加中。1秒に2.47人。1日に20万人。年間7800万人増え続けています。これは、カナダ、オーストラリア、ギリシャ、ポルトガルの人口爆発人口合計とほぼ同じ。4か国分の人が毎年増えていると思うと、恐ろしい数です。このままいけば、2050年には98億人に達すると予測されています。

人口増加による一番の問題は資源不足です。水不足はとくに深刻になっており、現時点で約7億4800万人の人が安全な飲み水を手にいれることができていないそうです。経済が発展すると工場などでも水を大量に使うため、2020年には世界は、いまより40%以上多くのきれいな水が必要になる計算に。日本では、北海道のきれいな水資源近くの山や森林が、密かに海外資本に買い占められているということも、実は問題視されているんです。

世界の食糧不足も深刻です。国連の食糧農業機関(FAO)の調査によると、2050年までに世界で60%の食糧生産を増やさないと、人口に見合った供給ができなくなるとか。とはいえ、食糧を増やすには土地や水が必要。地球温暖化による世界的な異常気象で、農作物も不作がち。すると貴重になった小麦や大豆などが投資の対象になり、ますます値が上がり、貧しい国は買えなくなってしまうのです。

2010年に北アフリカと中東で起きた「アラブの春」は、干ばつにより穀物が高騰して食糧が買えず、我慢の限界に至った若者たちが蜂起したという背景がありました。人口増加、食糧不足、飢餓や貧困が深刻化すると世界の治安はますます悪くなるでしょう。

そこでFAOが推進しているのが昆虫食です。まずは家畜の飼料用に昆虫を養殖するというもの。養殖には作物ほど広大な土地はいらないし、温室効果ガスの発生も少なくて環境に優しい。将来性があると開発が進められているんです。日本でも、大学生がコオロギラーメンを開発して話題になりました。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年7月19日号より。写真・中島慶子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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