【寝苦しい熱帯夜】エアコンだけじゃない、まだある暑さ対策教えます!
ananweb / 2017年7月31日 21時30分
夏真っ盛り。夜は暑くてなかなか眠れない…という方がチラホラいることでしょう。今回は、ナイトケアアドバイザーの小林麻利子が、アツい夜を乗り切る対策をご紹介します。
文・小林麻利子
【小林麻利子の美人の作り方】vol. 104
■ 寝る前の体温の仕組み
まずは、寝る前の体温の仕組みを知りましょう! 私たちは、寝る前に内臓などの深部体温が下がり、就寝後さらに体温が下がる仕組みが既に備わっています。それは、大学生でも高齢者でも同じ。例え睡眠の長さが違っても、睡眠前には深部体温が下がり、就寝後にもさらに深部体温が下がるのです。
また、深部体温が下がるにつれて、皮膚温度が高くなっています。これは、寝る前の赤ちゃんが良い例で、手足や体表面の血流がよくなり、血管が拡張することで、内側にある熱い血液が外側に放熱するからです。
■ 真夏でも手足が冷たければ眠りにくい
真夏でも手足が冷たい女性がいますが、寝る前に手足が冷たければ、深部体温が下がりにくいので、良い眠りにはなりにくくなります。また、足裏が冷たければ、寝る前に副交感神経が優位になりにくいため、寝つきに課題を抱える可能性があります。
例えば、ツムラの2008年の冷え症の自覚のある25歳から39歳の女性6名を対象とした研究で、入浴なし、シャワー浴、浴用剤使用による浴槽浴、という3つの条件下で入眠促進効果や足裏の温度等を調査。入浴なしは入浴の2条件に比べ就床時の足部皮膚温が約5℃低く、他の2条件に比べ、交感神経活動の抑制や副交感神経活動の亢進が小さかった結果が得られています。
■ 深部体温の低下を妨げる3つ
■ 1.室内の高温
外気温が熱すぎると熱が放熱しずらず深部体温が下がりにくくなります。そのため、エアコンの使用は必須。
■ 2.室内の高湿度
高温多湿環境と睡眠との関係を調べた東北福祉大学の研究では、適温でも高湿度であれば、適温適湿よりも、中途覚醒が約1.3倍になっています。湿度が高くて体表面に湿気が多ければ、汗が乾かず、熱が外にうまく逃げないことも考えられます。
■ 3.吸湿性、通気性の悪い寝具
寝入り後に一番汗をかきますが、汗をぐんぐん吸い取れないパジャマや寝具では、寝床内環境が悪くなり、体温が下がりにくくなる原因になります。
■ エアコンは絶対必須
ひと昔の家と違い、気密性の高いご自宅の場合、寝ている間の吐息や汗で寝床内温湿度(寝具と人体の間の環境)が悪くなる可能性があります。正常な睡眠のためには室温 26 ℃、湿度 50 〜 60 %となるよう設定しましょう。また、寝室を夫や彼と共にする方は、温度設定で揉めることもあるでしょう。対策は、過去記事「【男女のエアコン闘争に終止符!】寝起き爽快につながる寝室の環境|スッキリ寝起き対策 #8」をご参照ください。
■ 夜は湯舟に必ず浸かること
夜湯船に浸かった方が深部体温が下がりやすくなるので、眠りやすくなります。株式会社バスクリンの2010年の研究でも、シャワー浴より、お風呂に浸かったほうが、深部体温が低下したという結果が得られています。
http://ananweb.jp/column/kobayashi-bijin/122095/
■ 吸湿性、通気性に良い寝具を使う
汗をしっかり吸い取ってくれる、パジャマや、敷き寝具、掛け布団などを用意。またその汗をしっかり外に出す通気性に優れているものが、良いでしょう。おすすめは、綿やシルク、麻。また、ガーゼやタオル地などは、吸湿性はさらに良いですね。布の表面がぼこぼこしている織り方の布なら、肌と接地する面積が小さくあるので、通気性は良いと言えます。
■ 後頭部を冷却シートで冷やす
後頭部を冷却シートで冷やすと、寝つきまでの時間が短縮したという報告もありますので、試してみてください。冷感枕カバーなどが◎。でも、氷枕などを枕の上に設置すると、頚椎の高さに合わず、顎が下を向き、気道が確保できずいびきをかいて眠りを浅くする可能性もあるので不向きといえます。使うなら、薄いシート。なければおでこに貼る冷えピタでもOK。
■ 扇風機やサーキュレーター
風のないところで植物が育たちにくいように、ヒトも空気の流れがある程度あったほうが良いと言えます。そのため、扇風機やサーキュレーターなどを使って、寝室の空気の循環を良くしましょう。ただし、先述の通り、直接体に当たると冷えすぎてだるさを感じたり、熱が外に逃げにくくなってしまいます。壁にあてて、その跳ね返りを利用したり、エアコンの下において、室内の空気の循環をよくしましょう。
■ ペパーミントやレモングラスなどの精油スプレー
ミント系やシトラス系の精油は、清涼感があり、涼しさを感じます。ディフューザーで寝室を香らせたり、無水エタノールと混ぜて、ルームリフレッシュナーとして使用するのも良いでしょう。
■ 夕方の運動も◎
体温は昼間との高低差が高ければ高いほうが、夜の熟睡度が上がります。最も体温が高い夕方に、トイレでスクワットをしたり、階段を利用したり運動をするのも良いでしょう。暑くてもちょっとやそっとで起きないよう、夜の熟睡度を高めることも重要です。
いかがでしたでしょうか? さまざまなものを駆使しながら、ぜひ、熱い夜を乗り切ってくださいね。
【関連リンク】
「小林麻利子の美人の作り方」まとめ PROFILE 小林麻利子 睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員、ヨガインストラクター、アロマテラピーインストラクター、食生活管理士、上級心理カウンセラー。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロンFluraを主催。睡眠や入浴など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる、「うっとり美容」を指導。のべ約1000名の女性の悩みを解決し、現在は4か月先まで予約待ち。講演活動やWeb連載のほか、テレビ・雑誌でも活動中。著書『美人をつくる熟睡スイッチ』(G.B.)が好評発売中! HP: http://fluraf.com/ blog: http://ameblo.jp/mariko-kobayashi/ 著書『美人をつくる熟睡スイッチ』:https://goo.gl/UEZ2kx
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