信じるか信じないかはあなた次第! 詐欺師と呼ばれた美人姉妹の正体は?
ananweb / 2017年9月20日 17時0分
今週末は秋分の日を迎えることもあり、いよいよ秋まっさかりですが、ワンランク上の女子を目指すなら、食欲の秋よりも芸術の秋に浸るのがオススメ。そこで、今回ご紹介する美しくて独創的な注目の映画とは……。
■ ナタリー・ ポートマン×リリー=ローズ・デップ共演の話題作『プラネタリウム』!
【映画、ときどき私】 vol. 115
1930年代、憧れのパリへと向かっていたアメリカ人スピリチュアリストのバーロウ姉妹。ショーを仕切る野心家である姉のローラと、自分の世界にこもりがちな少女の妹ケイトは美人姉妹としても注目を集めていた。
そんなある日、2人が行っていた死者を呼び寄せる降霊術ショーに魅了された映画プロデューサーのコルベンは、世界初の心霊映画を撮影するため、姉妹と契約を交わすことに。はたして、彼女たちの力は本物なのか、それとも詐欺師なのか。少しずつそれぞれの運命が狂い始めていくのだった……。
そこで今回は、この世界観に魅せられたある方に、本作の見どころやキャスティングの裏側などについて語ってもらいました。それは……。
■ 才色兼備のフランス人女性監督レベッカ・ズロトヴスキ!
若くして世界の主要な映画祭から高く評価され、次世代の監督のひとりといわれているズロトヴスキ監督に、本作が生まれた経緯から聞いてみました。
これまでに実在の人物たちからインスピレーションを受けて作られた映画が数多くあるように、この作品にもそれぞれモデルとなった人物が存在しているとのこと。それはアメリカでスピリチュアリズムの先駆者と言われていたフォックス三姉妹と、革新的な映画ビジネスをフランスで行ったベルナール・ナタン。とはいえ、この作品が他と違うのは、実際の彼らには接点はなく、活躍した年代も場所も異なっているにも関わらず、監督の想像のなかで、ひとつの物語として生まれたところ。
■ あえて2つのストーリーをかけ合わせて描いた理由は?
監督
脚本を書いていて自然とそういう流れになったんだけれど、スタート地点はフォックス姉妹の話から始まったのよ。それから、女優たちを集めてトランス状態に陥らせるという設定のストーリーを思い描いていくうちに、映画のプロデューサーをそこに加えたいと思うようになったの。それからベルナール・ナタンのことを知り、物語をひとつにくっつけていったので、流れのなかでアイディアがどんどん追加されていったという感じだったわ。
■ それによって生まれた化学反応やよかった点は何ですか?
監督
その流れに乗って少し変わったストーリーができ上がったし、そこから真実が生まれてきたと思うわ。さらに、反ユダヤやホモフォビア(同性愛嫌悪)といったいろんな要素が込められているので、それらをかけ合わせたことによって、新たなストーリーテリングがどんどん生まれてきたとも感じているのよ。
そして、何といっても注目されているのは、初共演となるナタリー・ ポートマンとリリー=ローズ・デップの豪華なキャスティング。2人の放つ美しさはもちろん、まるで本物の姉妹のような風貌も話題のひとつ。
■ まずは、オスカー女優であるナタリーの出演はどのようにして実現しましたか?
監督
実はナタリーとは共通の知人を通じてもともと知り合いで、前から一緒に仕事をしたいとお互いにずっと思っていたの。だから、このプロジェクトにも最初から参加してくれていたんだけど、彼女がフランスに引っ越してくるというのもあって、今回こうして組むことになったのよ。
しかも、そのころはパリでもテロが起こったり、反ユダヤ的な考え方がふたたび浮上していたときだったこともあり、アメリカからやってきたナタリーの目から見たフランスと、ローラからの目から見たヨーロッパというのが重なったこともあって、彼女を起用することに決めたのよ。
■ では、妹役にリリー=ローズを選んだ決め手は?
監督
この役のキャスティングは難しくて、当初は13~14歳くらいの少女を探していたんだけど、無名の女優で相手がナタリーだと、すべてのスポットライトがナタリーに当たってしまうことがわかっていたわ。だから、やっぱり同レベルの人を探さないといけないと思っていたとき、ナタリーがリリー=ローズの写真をたまたま送ってきたのよ。
実は、そのとき私は彼女のことをまったく知らなかったんだけど、彼女を見た瞬間、まずは見た目がナタリーと似ていると思ったわ。そして、ナタリーと同じように小さい頃からセレブの家庭に育ってスポットライトを浴びてきた人生を送ってきたという意味でもバランスが取れるし、もちろん美しいということもあって、彼女に即決したのよ。
■ 『プラネタリウム』というタイトルに込めた思いは?
監督
特にメッセージというのはないんだけど、つねに観客に問いかけていくことを意識していたわ。タイトルというのは、曲のタイトルと同じように作品のイメージを与えなければいけないものなんだけれど、私はプラネタリウムが人々に与える印象というのがすごく好きなのよ。
たとえば、映画『理由なき反抗』のなかにプラネタリウムのシーンが出てくるんだけど、10代の少年たちが自分たちの人間関係の構図みたいなものをそこに思い浮かべながら見ているの。そんなふうに暗闇のなかで人工的な星を見ているというのは、映画館で映画を観るのと似ているからプラネタリウムともつながっていると思うわ。
それから、星は知っていれば星座として読めるけれど、わからなければそれがミステリアスに見えてしまうところもあるわよね。そうやって星を見ることで将来のことが読めたりもするという意味合いも込めてこのタイトルにしたのよ。
■ 監督自身はスピリチュアルなことを信じていますか?
監督
ご期待に沿えなくて申し訳ないんだけど、そういう経験もないし、私はすごく現実的な人間なの(笑)。ただ、「見えないものを映画にする」というのが、私のコンセプトのひとつでもあるので、そういう意味では映画というのが自分のなかで一番非現実的なところかもしれないわね。
■ 最後に、自らの力でキャリアを掴んでいる監督からananweb読者に向けて何かアドバイスお願いします!
監督
まずはやっぱり本を読むことが一番じゃないかしら。そうすれば、セクシーにも知的にもなれると私は思っているから、ぜひ読書をオススメしたいわね!
■ 美しさと幻想的な世界観に酔いしれる!
誰もが抱く未知のものへの憧れだけでなく、それによって引き起こされる嫉妬や野心が観る者の好奇心を掻き立てる本作。ミステリアスで見えない世界があなたにはどのように映るか、自分の目で確かめてみて。
■ 心を惑わせる予告編はこちら!
■ 作品情報
『プラネタリウム』
9月23日(土)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国公開
配給:ファントム・フィルム
© Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF
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