いま世界が注目! Skype開発も…「eエストニア」って何?
ananweb / 2018年3月4日 22時0分
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「eエストニア」です。
■ 日本の未来の姿がここに? いま注目のI T 先進国。
今年の1月、安倍首相は日本の首相としては初めて、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国と、ブルガリアなどの東欧諸国を訪問しました。北朝鮮の脅威に対抗するには、他国との連携が必要。エストニア以外の国は北朝鮮と国交があるため、首脳会談のなかで、経済制裁の強化の必要性などを説きました。今回の歴訪には、日本企業約30社の幹部も引き連れており、経済交流を深めたいという意図もあったようです。バルト三国は1991年にソ連から独立しましたが、ソ連時代に、ラトビアは車両や造船、リトアニアは電子産業、エストニアはインターネットの分野に力を入れていました。
そしてエストニアは、いまや世界を代表するIT先進国に成長。Skypeを開発したのもエストニアです。この国では政府、病院、警察、学校などの公的手続きがすべてインターネットで行える電子政府化を進めており、「eエストニア」と呼ばれています。まず、マイナンバー制度のようなものを導入し、15歳以上に配布されるIDカードには、身分証明、医療情報、運転免許のみならず、お店のポイントなどの個人情報も統合されています。電子投票も導入されていて、2005年に地方議会議員選挙で、2007年には国会議員選挙、2009年には世界で初めて、欧州議会議員選挙でも電子投票を行いました。ロシアからサイバー攻撃を受け続けた結果、高レベルのセキュリティガードを確立。NATOのサイバー防衛協力センターも首都タリンに置かれています。
エストニアの国土は、日本の9分の1の4.5万平方キロメートル。人口は約132万人で日本の100分の1です。2014年には、エストニアに住んでいなくても、外国人が電子居住権を得て、口座開設をし、エストニアで会社を登記することもできるようになりました。最新鋭のIT技術によって、小さな国土、少ない人口でも、外国企業を呼び込み、税収を確保できるようにしたのです。これは、人口減少に悩む日本にとっても学べる手法かもしれません。いま、財界人や経営者たちはこぞって、エストニアの視察に行っているんです。
ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN
※『anan』2018年3月7日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ローカル企業の育成なくして日本経済の復活はナシ!? 株価上昇と暮らしの関係
ananweb / 2024年4月27日 21時0分
-
バルト三国を堪能する週末の夏至祭に、エストニアの歌姫来日ライブ決定!2024年欧州文化首都の南エストニアから、森と音楽のフェスティバル
PR TIMES / 2024年4月25日 12時0分
-
三海域イニシアチブ、新たな戦略的パートナーとして日本を迎える(リトアニア、中・東欧、EU、米国、ドイツ、日本、ウクライナ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月22日 0時5分
-
ソロモン諸島の地方選、中国批判の前州首相が再選
ロイター / 2024年4月19日 18時1分
-
これが議会の広報!?『怪獣映画』『家電量販店』『子ども雑誌』のようなチラシで議会の傍聴人数が2倍に!議員自らが発案・デザインした大真面目なワケ
MBSニュース / 2024年4月17日 19時36分
ランキング
-
1やよい軒で「わかってる」人が頼んでるメニュー。「神」「最強」の声も...。《編集部レビュー》
東京バーゲンマニア / 2024年5月6日 17時0分
-
2「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
3【疑問】「白内障」「緑内障」は何が違うの? 原因&治療法を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月6日 20時10分
-
4死者をデジタルで復活させる「故人AI」が海外で急速に普及 「悲しみに暮れる人の社会復帰を妨げる」という懸念も
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 7時15分
-
5枯れたミントを畑に捨てたら…3年後に「地獄絵図」、 繁殖力に地主も後悔「土の総入れ替えしかない」
まいどなニュース / 2024年5月3日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください